マジでショック…。日本がフィジーに敗戦。絶対負けちゃいけない試合だった。身体能力にやられたというより自滅だな【2016年11月26日ラグビー感想】
2016年11月26日にフランスのヴァンヌで、ラグビー日本代表がフィジーとのテストマッチを行い、25-38で敗れた。
欧州遠征最終戦となったこの試合、前回のウェールズ戦に続いての快進撃が期待されたが、身体能力で勝るフィジーに及ばず。
前半32分のフィジーの退場処分による数的優位な状況でも流れに乗れず、逆に失点を重ねてしまう。後半FB松島の2トライで追い上げを見せるものの、最後までフィジーの壁を崩せず惜敗。
日本開催となる2019年のW杯に向けて弾みをつけたかったが、結果的にはディフェンス面での課題を露呈した試合となってしまった。
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この敗戦はショック過ぎる。絶対に勝てる試合だと思っていたが……
日本代表、フィジーに敗戦!!
数的有利な状況を活かせず、5トライを奪われる!!
いや、ショック。
この敗戦はマジでショックである。絶対に勝てる試合だと思っていたが……
予想記事では「ダブルスコアで勝て」「このチームに負けるわけがない」と散々煽ったのだが、見事に大外れ。
予想を外したことはともかく、直近の両チームの試合を観る限り日本があんな負け方をするとは思わなかった。
完全に格下扱いでボコってくれることを期待していたのだが……。
「日本vsフィジー予想。ダブルスコアで勝利しろ。フィジーごときに今のジャパンが負けるわけがない」
ジョージアに逆転勝ちし、ウェールズに肉薄。そして「欧州遠征最終戦で“格下”のフィジーを軽くひねって堂々の帰国」というストーリーが僕の中で完成していただけに、この負けは残念極まりない。
「ほら見ろ。今のウェールズはそこまで強くない。日本が勝つタイミングはここしかないというくらいに」
深夜の放送で観ていたのだが、あまりの悔しさに夜更かしをしてしまった次第であるww
日本代表コラおい。
俺の貴重な睡眠時間を返せ。
と言いつつ、勝ったら勝ったで興奮して眠れなくなるんですけどね。
敗因は「自滅」。普通にやってれば勝てた試合だった
今回の試合、敗因を一つ挙げるとすれば「自滅」だろう。
何と言っても、ここぞの勝負どころでのミスが多過ぎた。
基本的に僕はラグビーにおいて自滅というのはないと思っている。
ミスが起きる根本的な要因は相手にある。
相手のプレッシャーが速かった。
相手のタックルが強烈だった。
相手の的確なディフェンスによって精神的、肉体的に圧迫されてボールが手につかない、パスミスを犯す。
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つまり、相手のディフェンスこそが「ミスによる自滅」の正体だと考えている。本当の意味で自滅などめったにあるもんじゃない。
だが、今回に限っては「めったにない自滅」と呼んでもいい試合だったのではないだろうか。
僕は前回の予想記事で、「フィジーは球際が雑でミスが多い」と申し上げている。そして、試合が終わった今でもその評価は変わっていない。
というより、試合をご覧になった方は改めてフィジーはミスが多いチームだと感じたのではないだろうか。
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確かにこのチームは身体も大きくスピードもある。
タックルを受けながらボールをつなぐオフロードパスもうまかった。
手足の長さを活かした個人技、広いスペースでのランニングスキルは間違いなく日本よりも上だった。
多くの方が言うように、身体能力の高いプレイヤーの個人技にまんまとやられてしまったと感じる試合だったと思う。
また、遠征の最終戦ということで疲労もピークだったのもあるのかもしれない。グランド状態も悪く、持ち前のタックルの出足が鈍ったことも考えられる。
だが、僕に言わせればそんなことは枝葉の話に過ぎない。
それより、やはり敗因は日本の自滅。
しっかりと勝つための作戦を実行していれば普通に勝てた試合。どう考えても今の日本がフィジーに負けるなどあり得ない。それくらいもったいない試合だったと思う(言い過ぎか?)。
キックを多用し過ぎ。しかも22mの外側で蹴りまくるってどういうこと?
まず最大の敗因として、キックを多用し過ぎである。
申し上げたようにフィジーの選手は身体が大きくスピードもある。
特にバックスリーの突破力は特筆もので、身長195cm、体重129kgのウィング、ナドロを中心に信じられないフィジカルを兼ね備えた選手を揃えている。
この選手たちに広いスペースで走られるとキツくなるのは当然で、日本のキック戦法はその危険を多くはらむものである。
ただ、僕はキックを多用すること自体を否定しているわけではない。
いくら相手が大きかろうが速かろうが、キックで陣地を稼ぐ作戦は間違っているとは思わない。使いどころを間違わずに精度の高いキックを蹴ることができれば絶大な効果を得られることははっきりしている。
もう一度申し上げよう。
キックで陣地を稼ぐ作戦は悪くない。
使いどころを間違わず、精度の高いキックさえ蹴れれば。
うん。
何なのアレ?
22mの外側からハイパントはさすがに違うでしょ。
あんな場所でわざわざ蹴り上げてどうする?
カウンターで攻めてくださいって言ってるようなもんでしょ?
早めにプレッシャーをかけ、空中でキャッチして地域を稼ぐ。これがジョセフHCの目指すラグビーだということはわかる。
大きい相手とのコンタクトの回数を減らして体力の消耗を防ぎつつ、相手のペナルティを誘ってチャンスを得るという意図も伝わった。
ただ、さすがに22mの外側からそれをやっちゃダメだ。
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遠征続きで疲労困憊。
足場も悪い。
しかも相手は凶悪なバックスリーを擁するフィジー。
現状のキックの精度や体力的な問題を考えても、あそこでハイパントを蹴ることが果たして正解なのか。確実にタッチに逃げることとどちらがリクスが小さいか。そんなことは考えるまでもないと思うのだが。
想像するに、今回は「多少無理をしてでも自陣から攻めていこう」という指示が出ていたのだろう。
キックに限らず、セットプレーから外への展開も試みていたし、ある程度結果を考えずに攻撃パターンを増やすことを優先したのだと思う。
負けたらダメだけどな!!
つまり、自陣から果敢に攻めた見返りがあの巨漢バックスリーのカウンターというわけである。
意表をついた攻撃が効果的だというのはわかる。
だが、それはあくまでベースにオーソドックスがあってのもので、毎回似たような奇襲を仕掛けていれば読まれるに決まっている。
どれだけ考えてもあの22m地点からの攻めが「積極策」だとは思えない。
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数的有利をまったく活かせず。狙いどころがはっきりしてるのに、なぜ自陣から展開?
そして、もう一つの敗因は「数的有利をまったく活かせなかった」こと。
ご存知のように、今回の試合でフィジーは前半32分に退場者を出している。しかも、退場させられたのは直前にシンビンを食らった選手である。つまり、日本はほとんどの時間を14対15という状況で戦うことができたのである。
そして、その優位な状況をほとんど活かすことなく負けたのである。
これは上述のキック多用にも通ずるのだが、なぜ数的有利を活かせる密集サイドやライン攻撃を選択しなかったのか。なぜ自陣敵陣に関わらずキック中心だったのか。
予想記事でも申し上げたのだが、フィジーのディフェンスは緩い。本当に緩い。
特に密集サイドとセンターの間に大きな弱点があり、ここは絶対に攻めるべきだと申し上げている。
直近のイングランドやバーバリアンズ戦を観る限り、ここのギャップにトップスピードで走り込めば裏に出ることは比較的容易だったと思う。
事実、後半に奪ったトライは密集サイドを走ってディフェンスを崩し、外を余らせるというパターンである。しかもフォワードが両センターのギャップに走り込んで裏に出るシーンも多く見られた。
また、繰り返しになるがフィジーの選手は球際でのボールの扱いが雑である。
オフロードパスを多用するなど器用さはあるが、その反面接点でポロポロすることが非常に多い。
つまり、ある程度早めにプレッシャーをかけてスペースを潰しておけば勝手にボールを落としてくれる。オフロードパスをいくら通されようが、そこそこのディフェンス力があれば自然とマイボールの状況は作れるのである。
オフェンス面では狙いどころがはっきりしている。
ディフェンス面では相手が勝手にミスしてくれる。
広いスペースを与えなければ走られることもない。
要するに、変な位置からハイパントを蹴らなければ強烈なカウンターを受けることもない。
今回の試合で日本がフィジーに負ける要素はほとんどなかったはずなのである。
確かに新生日本代表の目指すスタイルはSO田村とSHのキックの精度に依存する部分が多い。そして今回、田村の出来はこの4試合の中で一番悪かった。
さらに言うと、フィジーのスピーディで野性的な突進にディフェンスが後手に回ってしまった感も否めない。
それを加味しても、落ち着いて対処すればあんな負け方をする相手ではなかったはずである。
キックの調子が悪いなら、距離を稼ぐよりも確実にタッチに出すことを優先する。
22mの外側では無理に外展開しない。
前に出るディフェンスを意識して、相手のミスを誘う。
基本プレーを心がけるだけで展開はまったく変わっていたと思うのだが、どうだろうか。
もちろん「ダブルスコアでの日本勝利」を予想した手前、後に引けなくなっているのもあるのだがww
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「格下」フィジーを相手に負けるとかあり得ない。ふざけた方法でディフェンスを突破されてメンタルがやられたな
しかし悔しい。
前回のウェールズ戦であれだけいい試合をしたのに。
どう見てもそれより戦力が劣るフィジーにあんな負け方をするとは。
個人的には今のフィジーなら「格下」呼ばわりしてもいいくらいに考えていたのだが、本当に残念な結果である。
恐らくだが、ディフェンスラインをあっさり破られたことでチーム全体がテンパったのだろう。
新体制の日本が採用している大外への展開を封じるラインディフェンス。
外側の選手が早めに上がり、ライン参加したフルバックやウィングへのパスコースをあらかじめ塞ぐディフェンスである。
このディフェンスに対するフィジーの対応はまさかの「頭の上を通してのパス」。しかも普通のパスではなく、オーバースローでフワッと頭を越してきやがったのである。
ギャップをつくでもなく、半マークずらすわけでもない。
下半身にタックルを受けながら、懐の深さを活かしてディフェンスの頭の上から味方にボールを渡す。
まさかこんなふざけた方法でディフェンスラインを突破されるとは思っていなかったのだろう。あのプレー以降、チーム全体に動揺が走り、接点でのミスが増えたように思う。
試合後にジョセフHCが「毎週試合があっても同じパフォーマンス、同じ強度が持てることが必要」というコメントを出したが、まさしくその通り。
今回の試合に関しては、メンタルの占める割合はマジで大きかった。
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僕が思っていたよりフィジーには接点での巧さがあった。
僕が思っていたよりフィジーの選手は体力が落ちなかった。
そして、僕が思っていたよりフィジーはこの試合に向けて気合いが入っていた。
常にフォワードのメンバーを交代させてガス欠を防ぐなど、マネジメントの部分も光っていた。
ただ、それを踏まえた上で悔しい。
今の日本がああいうチームに負けるのは本当にあり得ない。
予想外の自体にも冷静に対処できるメンタルの重要さを感じた試合だった。
ん?
いつまでもグチグチと言い訳っぽい?
もう少し素直になれ?
いや、わかってるんですけどね。
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