ジェイコブスvsチャベスJr.決定? 僕がチャベスJr.をあきらめきれない理由。初の敗戦以降、6年で8試合って逆にすげえな【予想・展望】
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2019年12月20日、米アリゾナ州で行われるS・ミドル級12回戦。元WBA/IBF世界ミドル級王者ダニエル・ジェイコブスと元WBCミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr.の一戦である。
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2017年5月のサウル・“カネロ”・アルバレス戦での敗戦以来、2年2か月ぶりの復帰戦を飾ったチャベスJr.。今回の対戦相手であるダニエル・ジェイコブスはチャベスJr.と同じく元ミドル級王者で、前戦でカネロに僅差判定負けを喫するなど共通点も多い。
2012年9月にセルヒオ・マルティネスに敗れて以降、思うようにキャリアが進まないチャベスJr.にとって、元王者ジェイコブスとの対戦は再びトップ戦線に戻るためのチャンス。
また、ジェイコブスにとっても階級をアップしての復帰戦となるため負けは許されない。
なお、この試合は当初ネバダ州で予定されていたが、チャベスJr.がVADAの抜き打ち検査を拒否して出場停止処分を受けたために頓挫。急きょ会場をアリゾナ州に移しての挙行となる。
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ジュニアの帰還。典型的なステレオタイプの2代目社長をなぜか憎めない
フリオ・セサール・チャベスJr.が帰ってくる。
2017年5月にカネロに敗れてから2年以上のブランクを開け、今年8月に復帰。L・ヘビー級契約でエベルト・ブラボを1RKOで下し、今回のダニエル・ジェイコブス戦を迎える。
とはいえ、この試合でも前日に契約体重をL・ヘビー級に変更したとのことで、依然として体重面での不安は残る。
しかもプロモーターのエディ・ハーンが強引に開催地をネバダ州→アリゾナ州に変えたことが問題となっており、今後ネバダ州でのプロモーターライセンス交付を見合わせる可能性もあるとか。
これまでもチャベスJr.の試合は「噂が立つ→立ち消えになる」を繰り返してきたが、このあたりの安定感も相変わらずである。
そして、僕はチャベスJr.という選手がそこまで嫌いではない。
体重超過の常連、パーリーピーポー系の禁止薬物使用、サボり癖、健康診断バックれ、ドーピング疑惑などなど。
同族経営の2代目社長をステレオタイプ化したようなダメ人間っぷりを如何なく発揮し続けているわけだが、なぜか憎めない。
てか、この人は基本的には人畜無害だからね。やらかしが多いとはいえ、勝手に自爆しているだけで誰に迷惑をかけるわけでもない。婦女暴行やラリっての交通事故など、他人を巻き込むようなクズなら見方も変わるのだが。
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この試合は米DAZNが中継するとのことだが、仮にDAZN Japanで中継されない場合はぜひともWOWOWに出張っていただきたい。
日本のファンにクソほど嫌われているチャベスJr.と塩試合上等のジェイコブス。もはや誰得? 以外の何物でもないのだが、そこは僕のために何とかしやがれという話(無茶言うな)。
まあ冗談はともかく、何とか試合の実現まではこぎつけていただきたいものである。
僕がチャベスJr.をあきらめきれない理由。あのベストバウトが今でも忘れられないのであります
表題の通りなのだが、僕がチャベスJr.をあきらめきれない理由について。
別に引っ張るアレもないので申し上げると、2012年9月のセルヒオ・マルティネス戦がめちゃくちゃよかったから。
個人的にこの試合はチャベスJr.のベストバウトだと思っていて、根気よく追いかけ続けた末に奪った12Rのダウンには心底感動した記憶がある。
セルヒオ・マルティネスの足とスピードに翻弄されはしたが、自分の間合いに入ったときの馬力は間違いなく本物。相手をロープに追い詰めた状態で顔面への連打→得意の左ボディにつなぐコンビネーションはこの選手の真骨頂と言える。
ガードを上げてベタ足で距離を詰め、スタンスを広げて相手の逃げ場を塞ぐ。
頭を押しつけるようにロープを背負わせ、左フックからの左ボディで動きを止める。
いつの間にかマルティネスがコーナーに詰められ、やむを得ずインファイトに切り替える光景はなかなかの見応え。敗れはしたが、この年の最高試合の1つと言っても過言ではない(と思う)。
マジな話、この試合のコンディションを取り戻せればチャベスJr.はまだまだやれる(取り戻せるとは言ってない)。
いや、でもホントにすげえよな。
何発もらってもビクともせずにズンズン前進し、パワフルなパンチを振るう。
恐らく腕力がめちゃくちゃ強いのだと思うが、清々しいくらいの物量ボクシングだなぁと。
「今さら何言ってんの?」と笑われるかもしれないが、僕はいまだにこの試合のチャベスJr.の幻影を追いかけている次第である。
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てか、この試合以降、6年間で計8試合か。
カネロに負けて以降、2年間で1Rというのもまた……。
2003年にデビューして、2012年までに47試合。
2004年の11試合、2005年の10試合を始め、それまでは文句なしのキャリアなのだが。
1度の敗戦でここまで歯車が狂うというのも本当に珍しい。
まあ、こういう部分も僕がチャベスJr.を嫌いになれない理由なわけだが。同意してくれとは言いませんが。
勝敗予想はジェイコブスの判定勝利。応援するのはチャベスJr.だけど、判定マンのジェイコブスには追いつけないかな…
今回の勝敗予想だが、ダニエル・ジェイコブスの判定勝利でいきたいと思う。
最近のジェイコブスは完全に判定マンと化していて、2017年3月のゲンナジー・ゴロフキン戦以前の倒し屋っぷりは鳴りを潜めている。
長い腕と広いスタンスを活かした鋭いジャブで距離をとり、スイッチを繰り返しながら芯を外しまくる。懐に入られると若干脆い面はあるものの、絶えず動く足と打ち終わりのカウンターがなかなかそれをさせない。
しかも後半の粘り、根気強さは凄まじく、前回のカネロ戦では中盤から終盤にかけて見事に試合を支配してみせた。
加えて当日の大幅なリバウンドがこの選手の定番となっており、タイトル剥奪や罰金も気にせず勝負に徹するメンタルも兼ね備える。
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もともとジェイコブスはミドル級では減量がキツいと言われていたし、今回の階級アップは奏功するのではないか。ベタ足ファイターのチャベスJr.は相手のジャブをかいくぐって自分の間合いまで近づく必要があるが、ジェイコブス相手にそれをやるのは困難を極めると予想する。
ただ、申し上げたように僕が応援するのは断然チャベスJr.。
この選手にとっての最後のチャンス(2年ぶりn度目)をはっきりと目に焼き付けたいと思っている。
そんな感じで一応チャベスJr.勝利の可能性を考えてみるわけだが、有利な点を挙げるとすればジェイコブスよりも身体が大きいところか。
ミドル級から階級アップしたジェイコブスに対し、チャベスJr.はS・ミドル級でも体重超過を繰り返す男(?)。L・ヘビー級のリングでもそこそこやれたフィジカルは侮れない。
さらにジェイコブスのボクシングは基本的に自分の身長、リーチを活かしたもの。相手よりもサイズが大きいことが前提のカウンタースタイルなので、その部分でもチャベスJr.は有利と言える。実際、2018年4月のマチェック・スレッキ戦では、上背のあるスレッキにジェイコブスはかなりの苦戦を強いられている。
そう考えると、スレッキよりもさらに身体が大きいチャベスJr.にはそこそこ期待が持てるのではないか。
まあでも、アレか。
スレッキはジェイコブスと同等のスピードがあったが、チャベスJr.はブロック&リターンを繰り返しない柄ノシノシ前に出るタイプ。やはりセルヒオ・マルティネス戦以上に翻弄されて終わる可能性は高いかな……。
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