デビン・ヘイニーvsブライアン・ノーマンJr.。ヘイニーのジャブとクリンチ地獄でノーマン陥落。ウェルター級のレベチっぷりに絶望した。佐々木尽ではめくれなかったノーマンの素の表情【結果・感想】

デビン・ヘイニーvsブライアン・ノーマンJr.。ヘイニーのジャブとクリンチ地獄でノーマン陥落。ウェルター級のレベチっぷりに絶望した。佐々木尽ではめくれなかったノーマンの素の表情【結果・感想】

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2025年11月22日(日本時間23日)にサウジアラビア・リヤドで行われたWBO世界ウェルター級タイトルマッチ。同級王者ブライアン・ノーマンJr.にデビン・ヘイニーが挑戦、3-0(117-110、116-111、114-113)の判定でヘイニーが勝利した試合である。
 
 
日本の佐々木尽に勝利したノーマンが迎えた3度目の防衛戦。
この日は例によって予定がありPPVは購入していない。後日YouTubeにアップされた動画を視聴した次第である。

 

盛大に予防線を張り、すべて逆の結果に。我ながらダサいけど楽しかったからいいや笑

日本の佐々木尽を衝撃的なKOで退けたブライアン・ノーマンJr.。
今回は無敗のデビン・ヘイニーとの対戦ということでめちゃくちゃ楽しみにしていた。
 
立て続けに起きたリング禍のせいでボクシング観戦の熱が低下していたが、この組み合わせは間違いなくおもしろい。先日の那須川天心vs井上拓真戦とともに久しぶりにテンションが上がったことをお伝えする。
 
まあ、PPVは購入してないんですけども笑
 
那須川天心vs井上拓真現地観戦。最後まで「天心vsボクシング」だった。天心の試合で相手の応援が大きい状況は初めて。両陣営の対策に差を感じた。天心は接近戦の対応が…
 
そして下記の通りウッキウキで展望を考えたところ……。
・那須川天心vs井上拓真
→拓真有利だと思うけど天心を応援しているので天心予想
→拓真勝利
 
・中野幹士vsライース・アリーム
→中野に分がありそうだがアリームの出来次第ではひっくり返るかも?
→アリーム勝利
 
・デビン・ヘイニーvsブライアン・ノーマンJr.
→相性はヘイニー。でもフィジカルと勢いの差でノーマン勝利を予想する
→ヘイニー勝利
 
3試合とも盛大に予防線を張り、すべての試合で真逆の結果が出るという笑
我ながらダサすぎるのだがそれを含めて楽しかった。
 

ジャブの差し合いでヘイニーが主導権を握る

内容としては、両者が射程ギリギリの位置でジャブを差し合う展開。
 
スピーディなジャブとともに距離を詰めるノーマンだが、ヘイニーはバックステップと見切りでクリーンヒットを許さない。
逆にノーマンの打ち終わりに左を被せて何度も顔を跳ね上げる。
 
中に入りたいノーマンとそれを迎え撃つヘイニー。
試合前の展望で「ヘイニーのジャブでノーマンが止まるか」「中間距離のジャブの差し合いで上回った方が優位に立つ」と申し上げたが、まさにそんな感じである。
 
デビン・ヘイニーvsブライアン・ノーマンJr.はいい組み合わせ。今の今まで忘れてたけどw ジャブの差し合い、ノーマンの踏み込みがキモになりそう?
 

ノーマンの踏み込みがどれだけ通用するかに注目してたけど…

そしてもう一つの見どころはノーマンの踏み込みがどれだけ通用するか。
 
ヘイニーはライアン・ガルシアやホルヘ・リナレスのようにダッシュ力のあるタイプを苦手とする。
また懐で連打を浴びると防戦一方になる傾向があり、ノーマンとしてはその状況を作れるかが重要になる。
 
ノーマンも遠間からすっ飛んで距離を詰めるタイプだが、ライアン・ガルシアほどの踏み込みはない。
その反面、下の階級から上げてきたヘイニーに比べてフィジカル面では有利。体格差、馬力の差を発揮できればヘイニーのディフェンスを突破できるのではないか。
 
デビン・ヘイニーが体重超過のライアン・ガルシアに判定負け。ヘイニーの苦手意識もあったかも? 正直、ガルシアの奇行で興味をひかれたよ
 

差し合いで遅れをとり、近場のクリンチで動きを封じられるノーマン。フラストレーションの溜まる試合ですね

結論を申し上げると、ノーマンの踏み込みはヘイニーには届かなかった。
 
ジャブの差し合いで上を行かれ、動き出しを狙われて再三顔を揺らされる。
ノーマンもジャブの引きに合わせて飛び込んだり強引に突っ込んだりといろいろ足掻くがうまくいかず。どうにか懐に入ってもクリンチで流れを寸断されてしまう。
 
しかもヘイニーはクリンチ、近場のもみ合いが抜群にうまい。
ノーマンの踏み込みに合わせて頭を下げて1歩前へ。急所が隠れる&反則にならないギリギリのタイミング、低さで抱きつきノーマンに追撃を許さない。
 
で、身体を寄せたまま角度を変えて左ボディ、今度は反対側にスペースを作って側頭部に右を打ち込む。

踏み込みと同時に腕を絡める→ブレークを待つ間にゴツゴツ殴る。
はっきりとしたダメージはないがとにかく面倒臭い。
 
ノーマンにとってはやられた感じがまったくない、フラストレーションの溜まる試合だったのではないか。
 
なおヘイニーは得意のボディジャブを多用すると思っていたが、実際にはほとんど出していない。
もしかしたら佐々木尽をKOしたアッパーを警戒していたのかもしれない。
 
ライアン・ガルシアvsローランド・ロメロ、デビン・ヘイニーvsホセ・ラミレス。カシメロvsリゴンドー級のワースト試合が2日で3つ(カネロvsスカル含)も生まれるとは思わないだろ。井上尚弥の試合があって本当によかったな
 

ウェルター級トップ層はレベチ。佐々木尽vsノーマン戦のもっさり感に愕然とする

そして一番驚いたのがウェルター級トップ層のレベチっぷりである。
 
両者ともにとにかく速い。
しかもそのスピードの中で一つ一つのアクションが尋常じゃなく高精度。
 
上述の通り僕はYouTubeにアップされたものを観たのだが、ネタでも何でもなく早送りと勘違いして設定を確認したことをお伝えする。
 
この試合を受けてノーマンvs佐々木尽戦を観直したところ、佐々木尽のもっさり感に愕然となった。

“グッ”と溜めを作ってパンチを出す佐々木尽に対してノーマンは流れるような連打で的確に急所を射抜く。
 
全身に力を入れて動きを読まれまくる佐々木尽と、動き出しに澱みがなく無理に強振しなくてもダメージを与えられるノーマン。
改めて「これは勝てねえわ」と絶望した次第である。
 

ノーマンの澱みない動き出しにカウンターを合わせるヘイニー。これで「割といける」と言える佐々木尽もすげえよ

さらに言うと、そのノーマンのジャブにヘイニーはカウンターを合わせてしまう。
 
流れるような連打で佐々木尽を赤子扱いしたノーマン。
ほぼ澱みがないように見えた動き出しもヘイニーにとってはカウンターチャンスとなる。
 
しかも佐々木尽が渾身の右をいくら打ち込んでもケロッとしていたノーマンからあっさりダウンを奪ってみせる。
 
タイミング、精度、静から動へのスムーズさに加えて近場での狡猾なムーブ。
あらゆる面で日本国内やアジア圏とはレベルが違った。
 
佐々木尽vsブライアン・ノーマンJr.現地観戦。スピードと正確性がレベチ。全身から漂う強者感。必殺の左が当たっても効かない耐久力。絶望のウェルター級、本当にマイッタ
 
あの試合を観た上でこれ↓を言える佐々木尽の胆力である。

「自分とヘイニーなら割といける…相性いいんじゃないかと思う。恋愛みたいにボクシングにも相性ってあるじゃないですか」


もちろん「世界王者になる」と公言している人間が「勝てそうにない」などと言うわけはないのだが。
 

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ところどころ素の表情が見えたノーマン。佐々木尽ではめくれなかった面の皮がボロボロと…

これは余談だが、今回のブライアン・ノーマンJr.は素の顔がチラチラと見えていた
 
クリンチ際に肘や腕でヘイニーの顎下を押したり、ブレークの際に肩をぶつけたり。ラウンド終了時に露骨にガンを飛ばしたり。
もしかしたら交錯の中で言い合いがあったのかもしれない。
 
劣勢に陥ったことで余裕をなくしていたのだと思うが、ああいう姿は佐々木尽戦では見られなかったもの。
 
佐々木尽vsブライアン・ノーマンJr.戦再視聴。ノーマンがデカい、しなやかでパンチが強い。でも心が折れてないのはいいよね。よくも悪くも“佐々木尽”で勝負するしかないんだし
 
佐々木尽戦でのノーマンは全局面で規律の取れた振る舞いを貫いた。試合中も慌てず騒がず“任務を遂行する”のみ。泰然自若とした姿が印象に残っている。
 
ファンや関係者が盛んに「ノーマンは紳士的でリスペクトがある!!」と絶賛していたが、僕はこれがめちゃくちゃ疑問だった。
紳士的というより余裕があっただけだろと。
 
要は佐々木尽がそこまでの相手ではなかった。
 
「佐々木尽は将来王者になれる」というコメントに「認めてくれてありがとう!!」などと喜んでる場合じゃない。
単純に舐められてるんだよと。
悔しくねえのかと。
 
試合を冷静に分析()するボクシング関係者たちにガッカリしたことを覚えている。


そのノーマンが今回は素の表情を見せた。
佐々木尽ではめくることができなかった面の皮がボロボロ剥がれていった。
 
僕はPFPランキングには興味がないのだが、こういう試合を目の当たりにすると中量級での戴冠は難易度が段違い、軽量級とは別物だなと思わされる。
 
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