ケイレブ・プラントはカネロが2013年の恨みを晴らす相手? バルテレミって34歳なの?! 当時は内山も三浦もオワタと思ったのに【2021.3.8エキサイトマッチ感想】
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
2021年3月8日にO.A.されたWOWOWエキサイトマッチを久しぶりにリアルタイムで視聴したので、今回はその感想を。
この日のラインアップはIBF世界S・ミドル級タイトルマッチ、ケイレブ・プラントvsケイレブ・トゥルーアックス戦と、ランセス・バルテレミvsオール・リベラのウェルター級10回戦。
2021年1月30日(日本時間31日)、米・カリフォルニア州で行われたPBC興行からのピックアップとなっている。
申し上げたように僕はこの番組をリアルタイムで観るのはめちゃくちゃ久しぶりで、恐らくレギュラー放送は見逃し配信以外では1年以上視聴していなかった気がする。
理由はジョー小泉があまりにも嫌いだから。
僕は2019年にこの人が番組復帰を果たした時点でだいぶ嫌気が指していたのだが、少し前に試しに観てみたところ、ゲロを吐くほどキツかった経緯がある。
#WOWOW #エキサイトマッチ
久しぶりにジョー小泉出演回をちゃんと観たけど、いやキツイなこれ。瞬発力の低下と呂律の回らなさが顕著で、ライブスポーツ解説の水準を完全に下回ってる。
だから呼び戻す必要ないとあれほどw
そもそも1回目に消える前もだいぶその兆候出てたからな。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) January 25, 2021
呂律が怪しく瞬発力の低下も著しい。
試合中に言葉に詰まることも多く、マジで聞くに耐えないレベル。ライブスポーツの解説者としての最低水準を下回っているとしか言いようがない。
もともとジョー小泉のことは大嫌いだったが、もはやあの声を聞くだけで虫唾が走るというか、視聴意欲を根こそぎ持っていかれる。できることならWOWOWの月額料金から割引してもらいたいくらい。
もちろん理不尽極まりないことを言っている自覚はある()
そんな感じで、この日はしっかりと出演者を調べた上で、満を辞して視聴をスタートした次第であるww
○ランセス・バルテレミvsオール・リベラ×(判定3-0 ※100-90、99-91、97-93)
まずはこの試合。
元2階級王者のランセス・バルテレミが2019年4月のロバート・イースターJr.戦以来、約1年9ヶ月ぶりのリング復帰を果たした一戦である。
相手のオール・リベラは戦績21勝4敗のサウスポー。キャリアに目立った対戦相手は見当たらないが、過去の対戦をざっと眺めるとホープの踏み台的な試合に駆り出されている印象を受けた。
まず開始直後に思ったのが、バルテレミがちっとも大きく見えないということ。
バルテレミは身長178cm、リーチ184cmという高身長で、なおかつアップライトに構えることで身長のアドバンテージを確保する選手。
普通に打ち込むパンチがナチュラルな打ち下ろしとなり、強靭なフィジカルとスムーズなスイッチを活かして相手を沼に引き摺り込むスタイルを持ち味とする。
以前から僕の中でのこの選手の評価はかなり高く、冗談抜きで「ヤベえわコイツ」「どうやったら勝てんねん」と思っていたことをお伝えしておく。
何年か前に「バルテレミが日本に来るかも?」という噂を耳にした覚えがあるが、対戦相手のためにも実現しなくてよかった(そんなことない?)。
S・フェザー級時代はね!!
マジな話、S・フェザー級で戴冠を果たした2014年前後のバルテレミはなかなかの絶望感だった記憶がある。
身体が強く上背もあり、スイスイとスイッチを繰り返しながら打ち下ろしのパンチを放り込む。
空間掌握能力に長けているというか、相手のよさを消すのがめちゃくちゃうまいタイプ。いまいち強さがわかりにくいのがミソで、気づけばペースを掌握している感じ。何となくだが、元WBC世界ユース王者の“逆輸入ボクサー”坂井祥紀とイメージがかぶる(気がする)。
あの当時は内山高志や三浦隆司が国内のS・フェザー級で存在感を発揮していたわけだが、それでも「いくらかんばってもバルテレミがいるし……」との思いが消えなかったのが正直なところである。
アントワン・ラッセルvsランセス・バルテレミーとかいうPBC丸出しの激シブマッチ。トラメイン・ウィリアムズvsパブスタン、ファーマーvsミッキー・ベイも楽しみだぞ
階級アップによってバルテレミの長所が目減り…。って、この人もう34歳なの!?
ところがこの日のバルテレミからは当時の迫力、馬力はいっさい感じられず。
それどころか、比較的組し易しと思われるオール・リベラの連打に押し込まれるシーンすらも。
相手の攻撃に押されるとロープを背にして亀になるというのはバルテレミの悪癖ではあるのだが、それでもここまで押し込まれるとは……。
とにかくリング中央をキープし続けるのが信条というか、絶不調だった2018年3月のキリル・レリク戦以外でこんなことがあったっけ? みたいな。
また上背のアドバンテージを失ったことで普通のパンチが打ち下ろしにならず、ボディや顔面へのコンビネーションも微妙に効きが悪い。
スムーズにスイッチしながらのフットワークや近場でのヌルヌルとした空間掌握は健在だが、相手の馬力を抑え切れているとまでは言い難い。
大差判定での勝利には違いないが、どこかで決壊するのでは? という危うさを残したままの10Rだったなぁと。
仮にバルテレミがウェルター級での3階級制覇を狙うのであれば、相当厳しい道のりになりそう。
この試合を観る限り、体格的にS・ライト級がギリギリといった印象を受けたが……。
って、バルテレミってもう34歳なの?!
ああ、そうか。
もともとキューバからの亡命組だし、初めてタイトルを戴冠した時点でそこそこ年齢が高かったんだよな。
平岡アンディ、レイモンド・フォード、オースティン・ウィリアムズ他先週末振り返り。あと、何気に一番目を引いたのがノーマークのアイツ…
○ケレイブ・プラントvsケレイブ・トゥルーアックス×(判定3-0 ※120-108、120-108、120-108)
そしてメインはこの試合。
IBF世界S・ミドル級王者ケレイブ・プラントに元王者のケレイブ・トゥルーアックスが挑み、ジャッジ3人全員がフルマークをつける圧勝でプラントが防衛を果たした一戦である。
ちなみに僕はこれまで彼らのことを「カレブ・プラント」「カレブ・トゥルーアックス」と呼んでいたが、番組内の表記では“ケレイブ”となっていたのでそうさせていただく。
王者ケレイブ・プラントは試合を重ねるごとにS・ミドル級での評価を上げている選手で、一部では打倒サウル・“カネロ”・アルバレスの筆頭では? とも言われている(らしい)。
カネロvsプラント4団体統一戦キター。プラント健闘もあり得る? かも? カネロの圧力にビビらずどこまで左が機能するかかな
僕自身、プラントの名前は何度か耳にしていたものの、実際の試合を観るのは今回が初めて。
スピーディでテクニカルなアウトボクサーとのことで、なるほど、確かにこれはいいですね。
L字気味の構えによく動く足、鋭い左リード。
遠間からの左は思った以上に伸びる上に1発1発のスピード、威力もある。
ガード主体のトゥルーアックスの前進を左のダブルで寸断し、近場でボディ、顔面に軽打を当ててさっと離れる。
見切り中心の防御勘にも長けており、インファイトに巻き込みたいトゥルーアックスはカウンターを警戒してなかなか距離を詰められない。
・L字の構え
・見切りのよさ
・よく動く足
・鋭い左リード
・右のカウンター
エキサイトマッチの解説者も言っていたが、どことなくフロイド・メイウェザーっぽさのある選手だなと。特に相手の左に被せるように放つ右のカウンターは濃い口のメイウェザー味を感じさせた。
これはひょっとしたら本当に打倒カネロの可能性があるかもしれない。
また、カネロにとっても2013年に喫した唯一の敗戦を取り返せるチャンスと言っていい気も……(さすがに大げさか?)。
プラントがカネロに勝てる? ちょっと難しい気がするけど…。今さらだけど、やっぱりメイウェザーはすごかった
だが、それでもケレイブ・プラントがカネロに勝てるかと言ったら……。
正直、結構厳しいかなぁとは思っている。
プラントは確かに足がよく動く上に伸びるジャブ、強烈な右のカウンターもある。
アウトボクサー相手に若干モタモタする(傾向がある)カネロにとって、勝機を見出せる選手なのは間違いなさそうである。
ただ、それでもカネロの迫力満点のプレスから12R逃げ切れるかはクッソ微妙。
今回の試合でもトゥルーアックスの右を顎に被弾したり、近場で捕まるシーンもちょくちょく見受けられた。
その他、中盤あたりで左リードのタイミングを覚えられてカウンターを合わせられ、慌てて攻撃パターンをワンツーに変更したり。
メイウェザーが得意としたロープ際でのショルダーロール、上体の柔軟性はプラントには見られないものだし、危機回避能力の面では残念ながら遠く及ばない。
文句なしのフルマークではあるものの、ところどころに付け入る隙があったことも事実。
それこそ「メイウェザーならああいうミスはしないよね」といった被弾の仕方。ああいう姿を観ると、やはり12Rを通してカネロを捌ききるのは難しいように思える。
というか、メイウェザーのすごさはそういう部分にもあるのだろうと。
12Rを通して持続する集中力と、極力危険を冒さない割り切り。
この試合のプラントは中盤に若干の中だるみが感じられた上に、倒しにいったところに反撃を食ったりもしていた。
申し上げたようにメイウェザーはああいうミスは絶対にしない。
完全に試合を支配し、なおかつ観客からKOを期待されていても、わずかに危険が残っている限り迷わず塩に徹する。
ガードを上げる局面と下げる局面の選択が完璧と言っても過言ではなく、今回のプラントのように相手の射程に留まって顔を跳ね上げられるなどはまずあり得ない。
基本スペックの高さはもちろんだが、それ以上に“常に勝利を最優先”する鋼鉄のメンタルこそがメイウェザーのすごさだなと改めて思わされた次第である。
そのスタンスがプロの選手として正解かはともかく。
メイウェザーベストバウト3選。プリティからマネーへ。金の亡者のL字ガードと左ジャブ
「行きたい気持ちを抑える」ってすげえ難しいですからね。
スポーツだけの話ではなく、日常のあらゆる局面でも。
「えいや!!」で勝負したい誘惑というのはガチでバカにできない。
ギャンブルで身を滅ぼす人が後を絶たないのも理解できるよねという話。
ついでに言うと、ケレイブ・プラントは顔面が大人し過ぎるんですよね。
畜生感がまったく足りていないというか、カネロに勝つにはギリギリのラフファイトでイラつかせるくらいのダーティさが必要になる。
やっぱりアレだな。
クズ中のクズと名高い我らがビリー・ジョー・サンダースしか勝たんな(?)
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!