ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つには? ドネアに勝ってほしいんだけど、井上尚弥が負ける要素が見当たらない件【予想・展望】
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開催中のWBSSバンタム級トーナメント決勝戦が近づいている。
✈️ Next stop: Saitama
@naoyainoue_410 vs @filipinoflash
Thurs 7 Nov
️ Saitama Super Arena#InoueDonaire #AliTrophy pic.twitter.com/OzASHM2qYH— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) October 28, 2019
WBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥vsWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア。
開催時期や開催地の決定が延び延びになり、一時は中止説すら流れた今大会だったが、先日のS・ライト級トーナメントに続いて決勝の大一番を残すのみとなっている。
「僕のジョシュ・テイラー優勝! プログレイスを僅差判定で下す。WBSS S・ライト級おもしろかったな」
しかもチケットの売れ行きも好調で、さいたまスーパーアリーナという大箱が追加販売も含めてソールドアウトとのこと。
なるほど。
平日開催にも関わらずこの話題性は凄まじい。
さすがは井上尚弥というか、現時点で日本一のボクサーと言っても過言ではない選手だけある。ここ最近はボクシングファン以外にも確実にその名前が浸透していることを肌で感じている。
ちなみにだが、僕は今回、ノニト・ドネアを応援しようと思っている。
僕は基本、井上尚弥の試合は相手選手を応援することが多いのだが、ご多分に漏れず今回もその流れ。
理由はめちゃくちゃ簡単で、「井上尚弥の苦戦が観たい」から(毎回同じこと言ってるな)。
「井上尚弥が強すぎる」
「こんな選手、今まで観たことない」
「PFP No.1になれる」
「この選手の全盛期を目撃できることは幸せ」
試合のたびに賞賛の言葉は山ほど聞こえてくるが、たまには違う意見も聞いてみたい。
それこそ2016年4月に内山高志がジェスレル・コラレスに2RKO負けを喫した試合のように、凍てついた会場の空気をもう一度感じたいという邪悪な願望があったりなかったり。
というわけで、今回は「ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つには?」と題して、ドネアが井上尚弥を倒す方法を適当に考えてみたいと思う。
「信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました」
勝敗予想は井上尚弥の序盤~中盤でのKO勝利。バンタム級に行けば多少苦労するのでは? と考えていた時期が僕にもありました
まず勝敗予想については先日申し上げた通り。
ドネアの健闘には期待するが、実際に勝つのは難しい。恐らく序盤〜中盤くらいで井上がドネアをKOするのではないか。
個人的には井上尚弥が5R前後でKOする感じかなぁと思っている。
「井上尚弥vsドネア予想。ドネアはぶん回しの1発を当てるしかなさそうだけど」
そもそも僕はS・フライ級時代の井上に対し、
「さっさとバンタム級に行くべき」
「この階級で試合しててもつまらんでしょ」
と喚き散らし続けていた。
井上はS・フライ級では明らかにオーバースペックで、対戦相手がどれだけ工夫しても圧倒的なパンチ力とフィジカルで更地にしてしまう。河野公平やペッチバンボーンなど、それなりの対応を見せた選手もいたが、最終的には井上の理不尽なスピード&パワーの前に撃沈している。
その点、バンタム級は一味違う。
相手選手のスケールが一段上がり、上背、身体の厚さもガラッと変わる。いくら井上と言えど、これまでのスタイルがそのまま通用するとは思えない。
なので、井上はS・フライ級でvsヨワン・ボワイヨなどと言っている場合じゃない。1日も早く階級をアップして、もう少しハラハラする試合を僕によこしやがれ。みたいな。
それがまさか。
バンタム級に進出した途端、S・フライ級以上の無双を見せつけられるとはww
バンタム級ではS・フライ級に比べて対戦相手が一段スケールアップすると思っていたら、スケールアップしたのは井上尚弥の方でした。これまでのスタイルが通用しないどころか、減量の軽減によってこれまで以上に怪物感が増しちゃいました。
個人的に井上尚弥攻略には接近戦が有効だと思っていて、たとえばモルティ・ムザラネのようなタイプが適任なのではないか。インファイトが得意で、なおかつバンタム級でも上位のフィジカルの持ち主。モルティ・ムザラネと似たタイプで言えばリボリオ・ソリスとか?
うん。
確かにリボリオ・ソリスなら打倒井上の可能性があるかもしれない。
などと考えていた時期が僕にもありました。
ドネアが井上に勝つには? やっぱり左フックのカウンターでKOだろうな。左を打つ際にガードが下がる瞬間を狙え
前置きが長くなったが本題に。
「ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つにはどうすれば? 」について。
答えとしては、やはり左フックを当ててKOする以外にないと思う。
多くの方が各所で似たようなことをおっしゃっているが、いくら考えても最後はそこに着地する。ドネアが井上に対抗するには結局得意の左フックによるKOしかない(と思う)。
以前からちょくちょく指摘されている気がするが、井上は左を強振する際に右ガードが下がる。
特に連打の最中、身体の中心を晒したまま大振りする傾向が強く、そのせいでカウンターをもらう危険が高いと言われている。
確かに2018年5月のジェイミー・マクドネル戦、2019年5月のエマヌエル・ロドリゲス戦など。ロープ際でのラッシュの合間にカウンターが顔をかすめるシーンは散見される。
ロドリゲス戦は井上本人も「紙一重だった」と言っていたし、実際どちらが先にパンチを当てるかのギリギリの勝負だったのかもしれない。
「井上尚弥w 理不尽な左と意味不明なタイミングでロドリゲスを片付ける」
つまり、ドネアが狙うべきはここ。
井上がリズムに乗って連打の回転を上げた瞬間、左の大振りに合わせて得意の左フックを顔面に叩き込む。
1発当てて相手を下がらせる→リズムに乗って連打→ロープ際で悶絶ボディ。
これが井上の必勝パターンなわけだが、ドネアはとにかく強打に耐えてチャンスを待ち、ロープを背負った状態で逆転の1発を叩き込むことだろうなと。
1度や2度のダウンなどはまったく問題ない。
むしろダウンを奪った後の井上はかさにかかって攻めてくるので、その分チャンスも増す(はず)。
これまでの対戦相手は井上の圧力にあっという間に委縮したが、フェザー級のトップレベルとも打ち合ったドネアなら体重の乗ったカウンターを打つことも可能なのではないか。
マジな話、ドネアにワンチャンあるとしたらそれくらいしか思い浮かばない。
井上は足を使えば確実に勝てる。でも、今回に限ってそれはやらないと思うんだよな
多くの方がおっしゃるように、この試合で井上が確実に勝つには足を使うのがてっとり早い。
ドネアは基本的にジャブが少なく追い足もないため、距離をとって射程の外からヒットを重ねていれば十中八九判定で勝利できる(はず)。
ただ、今回に限ってそれはないとも思っている。
・井上本人がずっと望んでいた最強トーナメント
・その大本命
・1、2回戦の衝撃的なKO勝利
・日本開催の決勝戦
・さいたまスーパーアリーナがソールドアウト
これだけの条件の中で、いっさいリスクを負わず勝ちに徹するようならかなりガッカリしてしまう。
勝利至上主義が悪いとは言わないが、この大舞台で先日のシャクール・スティーブンソンvsジョエト・ゴンサレス戦のような試合が正解かどうかはクッソ微妙。
本人もそこは強く意識しているはずだと思うのだが、どうだろうか。
「シャクール「決着(ケリ)つけさせてもらいます。ジョエトの兄貴…」→ラッシュスタイルで36分間」
なので、考えられる試合展開としてはやはり真っ向勝負。前回のエマヌエル・ロドリゲス戦同様、中間距離での打ち合いになると予想する。
ドネアが井上にカウンターを当てる姿が想像できない。強烈なワンツーを防げるとも思えない
そして正直なところ、僕にはドネアが井上にカウンターを当てる姿が想像しにくい。
試しに2018年11月のライアン・バーネット戦を観直してみると、この試合のドネアは確かにいい動きをしている。
バンタム級に下げたことでフィジカル面に余裕が生まれ、直近の数試合より踏み込みも大胆。得意な間合いで強く腕を振り、バーネットをコーナーに追い詰めるシーンが目立つ。
「ドネアvsバーネット感想。ロマンを捨てて実を取ったドネアと背中痛で棄権のバーネット」
だが、基本的にはガードを高く上げてのブロック&リターンのスタイルで、身体能力を全面に出す全盛期の躍動感はない。
しかもガードの間からバーネットのワンツーを何度も被弾するなど、“フィリピ―ノフラッシュ”と呼ばれた左カウンターがさく裂する気配は皆無。
恐らく脚力が落ちているのだと思うが、相手のパンチを超絶見切り+バックステップでかわしながらカウンターを叩き込む動きはすでにできなくなっている気がする。
また、出回っていた井上尚弥の公開練習の動画をちょろっと観たが、ありゃヤベえww
やや重心を下げた構えから打ち出すワンツーのスピードと威力は人外そのもの。はっきり言ってバーネットとは桁が違う。鬼畜パンチがドネアの顎付近の高さのミットをガシガシ揺らす光景に、思わず「あ、すみません」と口走りそうになるほどである。
別に僕が殴られるわけじゃないけど。
さらに言うと、井上は防御勘も突出している。
連打の際に身体が開いて顔面を晒すという指摘はその通りなのだが、実際井上があの局面でカウンターをもらったことは一度もない。
至近距離でのカウンターを上体反らしでギリギリかわし、その反動でさらに回転力が上がる。当たりそうで当たらないというか、アレはむしろ井上の持ち味と呼んだ方が正解なのかもしれない。
そう考えると、すでに全盛期の躍動感を失ったドネアの左ではなおさら当たる気がしない。
結局前に出て腕を振るしかないんじゃないの? 圧力で上回らない限りドネアに勝機はない
・今のドネアにはすでに全盛期の躍動感はない
・パンチへの反応が悪く、井上のワンツーをモロに被弾しそう
・井上のパンチ力、パンチスピードはバーネットとは桁が違う
・至近距離での防御勘もいい
ドネアの左カウンターが当たる気配はなく、井上のワンツーを防げるようにも思えない。
上記で申し上げた「ドネアが井上尚弥に勝つには、ロープ際で左のカウンターを当てる」というネタを真っ向から否定することになるが、実際そうなのだから仕方がない(ん?
なので、勝敗予想としてはやはり井上尚弥の序盤~中盤のKO勝利。
強烈なワンツーでドネアの動きが止まり、左ボディor右フックでバッタリと倒れる。2014年10月のニコラス・ウォータースvsノニト・ドネア戦のように2、3度ドネアがダウンを喫した上での井上勝利という結末になるのではないかと。
「井上拓真vsウーバーリ。クッソ厳しそうな相手だけどがんばれ拓真」
そして予想記事で申し上げた通り、ドネアが今回の試合で勝機を見出すには前に出て腕を振る以外にない(と思う)。
井上のパンチに耐えながら距離を詰め、自分の得意な間合いで全力の左フックをぶち当てる。
井上の強打を超える耐久力と井上を後退させる圧力。これを両立できない限り、ドネアが勝つのは相当難しいんじゃないの?
ドネアが井上に勝つには?
↓
左フックのカウンターだろ
↓
いや、今のドネアじゃまず当たらないでしょ
これを15回ほどループした挙句、「何だかんだで前に出て腕を振る以外になくね?」という答えに達している。
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