背中を向けて逃げるマクレガーに中指を立てて挑発するネイト・ディアス。しょーもない、悪童が聞いて呆れるわ。確かにおもしろい試合だったけど……【感想】
2016年8月20日(日本時間21日)、米ネバダ州で行われた総合格闘技UFC202。
メインイベントにコナー・マクレガーとネイト・ディアスが登場し、ウェルター級5回戦が行われた。
今年3月以来の再戦となった両者の試合は初戦同様、お互いが一歩も引かない激しい打激戦の末に2-0(48-47、48-47、47-47)の判定でマクレガーが勝利。階級を超えたドリームマッチ第二段を制し、前回の雪辱を果たした。
これで1勝1敗となった両雄は試合後、ともに第三戦となる決着戦を希望。
今度はマクレガーが自身のウェイトに合わせた155ポンド契約を希望するなど、早くも決着戦への機運が高まりを見せている。
4月に引退騒動を巻き起こし、半年ぶりにリングに戻ってきたMMA界のスーパースターの動向に今後も注目である。
「武尊vs小澤感想。やっとわかってきたじゃねえかK-1。大事なのはああいうわけのわからん熱量だよな」
際どい判定でマクレガー勝利!! ディアスが勝ったと言う人もいて、リベンジマッチはマジで大接戦
マクレガー判定勝利!!
格闘技ニュースやSNSなどで大きな話題になっていたこの試合。
ミーハーなニワカwwUFCファンとしては当然見過ごすわけにはいかず、AbemaTVでの再放送を視聴した次第である。
率直な感想を申し上げると、普通におもしろかった。
「神試合」「激闘」「本物の名勝負」「まるで映画だ」と称賛の嵐のようだが、個人的には「うん、まあよかったかな」という感想である。
2-0の際どい判定だったこともあり、ディアスは結果に不服なコメントを出しているようだが、実際はどうなのだろう。
僕がざっと観た感じだと、
1R マクレガー
2R マクレガー
3R ディアス
4R マクレガー
5R 微妙だけどディアス?
といったところだろうか。
48-47のジャッジが2人ということで、僕もその意見に概ね同意である。
中には2R以降はすべてディアスのラウンドだと思っている方もいるようで、その辺は個人個人で意見が割れるところだろう。
ディアスがマクレガーを金網に押しつける時間帯がけっこう長かったと思うが、ああいうのはジャッジ的にはどう判断されるのだろうか。「組み技でコントロールした」と呼んでいいのか、ただの停滞ととられるのかは僕にはよくわからないのだが。
まあ、その辺はいちいち意見の違う人と議論する気もないのでアレなのだが。
「ホーリー・ホルムがシェフチェンコに負けちゃった…。やっぱりUFCにはロンダ様が必要だね!!」
前進し続けるディアスにカウンター狙いのマクレガー。体力を温存した分マクレガーに軍配が上がる
試合全体の流れとしては、基本的には初戦と同じ。
ガンガン前に出てくるディアスをマクレガーがカウンターで迎撃する。
試合中盤でマクレガーの体力が底をついて流れが変わり、ディアスが反撃に転じてマクレガーがそれに耐えるという展開である。
そして、前回の試合と決定的に違ったのがマクレガーが2番底を用意していたこと。
3Rにいったん失速してディアスの猛攻を受けたものの、4Rに持ち直して逆に流れを引き戻したのである。
「山本美優負け~。RENAすごいね、UFC行けるんでないか? 木村ミノルの秒殺KO負けで度肝を抜かれた」
これは間違いなく初戦の反省を踏まえた上でのマクレガーの作戦である。いいパンチをヒットしてダウンを奪っても、そこから深追いせずにローを中心に攻める。自分の失速を見越した上で体力を温存したことが、あのラウンドの粘りに繋がったのである。
階級差を考えると、どれだけいいパンチを入れてもディアスにKOで勝利することは難しい。前回のように無理に倒しにいくと却って体力を失い、逆転される危険性が高まる。
だったら今回はローキックとカウンター狙いを徹底して判定で逃げ切ろう。
幸い打撃技術では完全に自分に分がある。
ネイトの右にカウンターの左をかぶせていれば有効打はいくらでも奪える。後は絶えずローキックを蹴り、出足を鈍らせておけば判定勝利をもぎ取れるはず。
これが今回のマクレガーの作戦である。
そして、ディアスの反撃を受けてフラフラになりながら、見事に作戦を遂行してみせたのだ。
「さっそく陥落ミーシャ!! 女子MMAおもしろすぎ?! ヌネスが1R一本勝ちで新女王誕生!!」
階級の壁を思い知った第一戦。それを踏まえてマクレガーは判定勝利を狙った
実際、2015年12月にジョゼ・アルドを瞬殺したパンチが今回の試合でもたびたびネイト・ディアスを捉えていた。ディアスのリーチと耐久力によってKOすることはできなかったが、同じ階級の選手であれば一発KOで終わるようなタイミングのパンチが何発も入っていたのである。
これがいわゆる階級の壁というヤツだが、マクレガーは前回の試合でそれがつくづく身に染みたのだろう。体力の消耗が激しいグランドは避け、自分に有利な打撃で勝負する。そして見事に勝利を掴んだのである。
「100億円男再び。メイウェザーvsマクレガー! 茶番ww って言われると思った。金以外に何の意味がある? いや、100億だぞ?」
試合中盤で必ずガス欠を起こすマクレガー。
ヌルい打撃と甘いガードで前に出続けるディアス。
そして、階級差を考慮して立ち技勝負を挑んだマクレガー。
これらの要素が相まって生まれた年間ベストバウトの呼び声高い神試合。
だが、内容的には体格で劣るマクレガーが勝利への最適解を淡々と遂行した試合と言えるのではないだろうか。
まあ、エキサイティングで非常に楽しめた試合だったことは間違いない。
やはり僕はグランド中心の技術戦より、動きの多い打撃系の試合が大好きである。
ヒールキャラ? 悪童? イキってる割にはヌルいんだな。背中見せたり中指立てたり、ガッカリするんだよ
今回の試合は間違いなくおもしろかったのだが、正直ちょっとガッカリした部分があったのも確かである。
それがまさに表題の件で、露骨に背中を見せて距離をとるマクレガーと、中指を立てて「打ち合えよ」と挑発するディアスにかなり興ざめしてしまったのだ。
格闘技において、試合中に相手に背中を向けてスタスタと逃げるシーンというのはたびたび目にするのだが、絶対に止めた方がいいと思う。
戦う姿勢とか、ジャッジや観客への印象といった話ではなく、単純に危険過ぎる。
ゴングも鳴っていない状況であんな無防備に背を向けていては、それこそ狙ってくださいと言っているようなものである。歩いている最中に相手から目を切る瞬間が絶対にあるだろうし、いいことなど一つもない。
事実、ボクシングの試合であれをやったところを狙われてKO負けという試合を観たことがあるが、はっきり言ってクソ中のクソだ。
そして、もっとしょーもないのがネイト・ディアス。
背中を向けて逃げるマクレガーに中指を立てて、
「おら、逃げんなよ」
「打ち合おうぜ」
は?
何だアレ?
挑発?
最悪だなオイ。
そんなことやってる暇ちゃうぞお前。
さっさとタックルで倒せよ。
後ろから締め落としちまえよ。
マクレガーがあんなに隙だらけなのに何で攻めないの?
パフォーマンスだとでも言いたいのか?
背を向ける相手には攻撃できないってか?
そんな武士道いるか?
それともマジでポイントでリードしてたと思ってたの?
わっけわからん。
不快であるとか、パフォーマンスとしてふさわしくないとか、そんなことはどうでもいい。ローが効いてて前に出られなかったのかも知れないが、ああいうのは本当に白ける。
「相手いるのか? クリス・サイボーグ姐さんがUFCデビュー戦で圧勝!! 期待以上の結果に衝撃走る」
マクレガーの不用意な逃亡にも冷めるし、ディアスの無意味な挑発にも興ざめする。
破天荒な悪童キャラのわりにそういうところはヌルいんだな。どっちも。
まあ、それを差し引いてもおもしろい試合だったからいいんですけどね。