映画「コート・スティーリング」感想。想像してたポップさは皆無だけどおもしろかった。ハイテンポで壮絶、恋人も職場の上司もサクッと退場する。でも猫だけは無事。銃撃戦でも事故が起きてもいっさい動じない

映画「コート・スティーリング」感想。想像してたポップさは皆無だけどおもしろかった。ハイテンポで壮絶、恋人も職場の上司もサクッと退場する。でも猫だけは無事。銃撃戦でも事故が起きてもいっさい動じない

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映画「コート・スティーリング」を観た。
 
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「コート・スティーリング」(2025年)
 
ニューヨークの安アパートで暮らすハンクはバーテンダーとして生計を立てている。
熱狂的なサンフランシスコ・ジャイアンツファンの彼は同じくジャイアンツファンの母親と1日1回電話で話すことを日課としていた。
 
ハンクはかつてドラフト候補に挙がるほどの有望な野球選手だったが、ドラフト直前に交通事故で膝を負傷しキャリアを終えている。
そして、そのときの光景が悪夢としていまだに彼を苦しませている。
 
 
そんなある日、隣人のラスが飼い猫「バド」の世話を頼みに現れる。
聞けば父親の具合が悪くロンドンに行かなくてはならないとのこと。
自分は猫より犬派だと一度は断ったハンクだが、ラスの強引さに折れてしぶしぶ引き受けることに。
 
 
翌日、バドの餌を調達するためラスのアパートを訪れたハンクの前に2人の見知らぬ男が現れ……。
 
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主演のオースティン・バトラーも監督のダーレン・アロノフスキーも知らず、たまたまレビューサイトで見つけて興味が湧いた

オースティン・バトラー主演、ダーレン・アロノフスキー監督の映画「コート・スティーリング」。
 
「コート・スティーリング」とは盗塁失敗を指す野球用語で、「チャンスを掴もうとして失敗すること」を意味する(らしい)。
 
そして監督のダーレン・アロノフスキーはかなり有名な監督で、今作はこれまでとは違ってポップな作風になっているとのこと。
 
僕はもちろんダーレン・アロノフスキーを知らない。
主演のオースティン・バトラーの名前も初めて聞いた。
 
ハンクの恋人イヴォンヌ役のゾーイ・クラヴィッツがレニー・クラヴィッツの娘と聞いて「おお、レニー・クラヴィッツ懐かしい!!」となったくらいのニワカである笑

 
と思って調べたら、ダーレン・アロノフスキーは「レスラー」や「ブラック・スワン」の監督さんなんですね(未視聴だけど)。
 
そんな感じで今作に関する知識(監督、俳優陣)はほぼ皆無。
たまたま映画のレビューサイトで目にして興味が湧いた次第である。
 

想像とは違ったけどめちゃくちゃおもしろかった。予告編や触れ込みからもっとポップな作品を想像してたけど

感想としては、想像とは違ったけどおもしろかった
 
とりあえず僕は今作をめちゃくちゃ楽しんだ。全編107分ダレることなく没頭できたことをお伝えする。
 
と同時に想像していた作風とは少し違った。
 
上記の予告編や「マフィアもネコも、バッチこい」のキャッチコピー、さらに「ダーレン・アロノフスキーのこれまでにないポップで痛快なアクション映画!!」という触れ込みからもっと軽いノリの作品だと思っていた。
 
たとえばSABU監督と堤真一がタッグを組んだ「アンラッキー・モンキー」「MONDAY」「ポストマン・ブルース」のような。
偶然が偶然を呼んで大トラブルに発展するパニックものだが、作り物丸出し(誇張表現)なので現実味は薄い。
カメラワークと俳優陣の熱演で緊迫感と疾走感を生み出しつつ、肩の力を抜いて気楽に視聴できる作品。
 
そこに「パルプフィクション」的なオサレ感がまぶされているのかな? と勝手にイメージしていた(古い映画ばっかりじゃねえか笑)。
 
 
ところが実際にはまったくの逆。
軽快なノリや出演者の大袈裟な演技などは皆無。
 
起承転結の“承”の段階で主人公がフルボッコにされる→肝臓を摘出する羽目になったのを受けて「これはただごとじゃないぞ」と背筋を伸ばしたことをお伝えする笑
 
映画「ワーキングマン」感想。思ったよりもステイサムがステイサムしてなかった。もちろんステイサムしてるけど想定よりもステイサムしてない。脚本がシルベスター・スタローンと聞いて納得したよ
 

人が本当によく死ぬ。身近な人がサクッと退場する。恋人イヴォンヌはもっと重要な役どころかと思ったよ

そして今作は人がよく死ぬ。本当によく死ぬ。
 
上記のSABU監督作品のような偶発的でポップな死に方(振り向いたら包丁が腹に刺さって「あ!!」みたいな)とはまったく違う。
主人公ハンクと関わりのある人間(恋人、職場の上司)が“壮絶に”死ぬ。
 
恋人イヴォンヌなどはもっと重要な役どころかと思っていたら、まあまあ序盤で退場させられる。
 
別れ際のセリフが「また連絡する」「ご自由に」という2人の関係性がこの先どう変わっていくのか、逃避行を続ける中でお互いの絆が深まるのか、それとも……。
あそこからいろいろな膨らませ方があったと思うが、まさかハンクのトラウマの上塗りに使われておしまいとは。
 
どスケベでヘビースモーカー、面倒見がよくて献身的なキャラはかなり魅力的だったのだが。
 
 
ハンクがドアの前でボコられるシーンも想定していたポップさは欠片もない。
転がったハンクの腹を何度も何度も蹴り上げる、それもつま先で。
さらにとどめは低空飛行の頭突きである。
明らかに暴力慣れした人のそれ(演技)だし、あの執拗さには思わず顔をしかめてしまった。
 
聞けばダーレン・アロノフスキーは陰のあるというか、ダークな作風が持ち味とのこと。
 
なるほど。
ハイテンポなストーリー展開ながらもドギつい描写が目立つのはそういうわけなのね。
 
映画「悪魔祓い株式会社」感想。マ・ドンソク初心者が最初に観る作品じゃなかった。求めていたのはドンソク兄貴の“超暴力”による爽快感。スティーブン・セガールやジェイソン・ステイサムと同じ立ち位置だと思うけど
 

ラスがあっさり退場したのは意外だった。でも、あれ以上同行させると扱いに困ったかも?

意外だったのが、ラスがあっさり退場したこと
すべての発端はハンクがラスからバドを預かったことだが、中盤あたりでそのラスと合流する。
 
お互いがお互いを警戒しつつ悪徳警官一味を出し抜こうと画策する2人だが、道中でラスが気分の悪さを訴える。
で、ハンクは車を捨てて電車に飛び乗りラスを座席に座らせると……。
 
おい、死んだよ!!笑
 
 
恐らくオーバードーズだと思うが、まさかこんなにサクッと息を引き取るとは。
 
ハンクを巻き込んだツケも返さず。
組織を裏切った報いも受けず。
金をくすねることもできず。
極論、飼い猫「バド」への愛着を感じさせるシーンすらなく。
 
すべての原因を作った元凶をこれだけ簡単に切り捨てたのはめちゃくちゃ意外だった。
 
 
ただ、もともとハンクは金に執着していたわけではない。
単に平穏な暮らしを取り戻したいだけ。
 
そう考えると、隣人との化かし合いはこの先確実に足枷になる。
ただでさえ悪徳刑事とマフィアとの三つ巴というややこしい構成なのに、そこにラスを絡ませると肝心のテンポ感が失われてしまう。
 
ああいう扱いになるのは仕方なかったのかもしれない。
 
映画「プレデター:バッドランド」最高だった。僕の中では2025年の最高傑作かもしれん。わかりやすい、スピード感がある、ハッピーエンド。僕の好みの要素がすべて入った作品
 

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ハンク役のスティーブン・バトラーは最高。何が起きても無傷、動じない猫もいい。そして母親役は…

申し上げた通り僕は今作をめちゃくちゃ楽しめた。
 
特に主演のスティーブン・バトラーは最高だった。
 
肝臓を一つ失った状態で全力疾走するハンク。
酒を断りきれずにベロベロになるハンク。
野球を諦めるきっかけとなった事故を涙ながらに悔いるハンク。
トラブルが起きるたびに精神をすり減らすハンク。
反撃を決心し、バッセンで無双するハンク。
ユダヤ人の集まりに呼ばれて戸惑うハンク。
恋人イヴォンヌのライターを目にして覚醒するハンク。
 
ハンクはクッソ男前で身体つきもセクシーだが、基本はパンピーなのでアウトローを前にすれば普通にビビるし喧嘩慣れもしていない。
いわゆるヒーローとはほど遠い、情けない姿、表情を晒すキャラだが、そのパンピー役をスティーブン・バトラーは見事に演じていた(と思う)。
 
 
また猫の「バド」だけは最後まで守り通したのもいい。
そのバドはどれだけ銃撃戦になろうが車で事故ろうが無傷。動じることなくキャリーバックでおとなしくしているのもいい。
 
そして最後にちょろっと出演する母親役がまさかの……!!
 
映画「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」感想。30年の歴史が完結。予想以上におもしろくていい意味で驚いた。クレアは何であんなにおもしろいの?
 
最初から最後まで途切れない緊張感と疾走感。
逃避行の中で過去を悔い、人として成長していくハンク。
 
一番初めの感想に戻るが、想像とは違ったが最高におもしろかった。
 
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