アンヘル・アコスタがガニガン・ロペスに苦労しつつもKO勝利。若さと馬力の違いやね。アコスタは統一戦希望だって【結果・感想】

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黒ヒョウイメージ
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2019年3月30日(日本時間31日)、米・カリフォルニア州で行われたWBO世界L・フライ級タイトルマッチ。同級王者アンヘル・アコスタが前WBC王者でランキング7位のガニガン・ロペスと対戦。8R1分55秒KOで勝利し、3度目の防衛に成功した試合である。
 
 
開始直後から積極的に前に出て強打を打ち込んでいく王者アコスタ。
対するロペスはアコスタの打ち終わりを狙って右をヒット。すぐさまサイドへ動いて正面を外す。
 
真正面から打ち合いたいアコスタだが、ロペスの巧みなポジショニングになかなか対応できず、序盤は一進一退の攻防が続く。
 
 
中盤6R。
このラウンドからアコスタが一気に圧力を強める。
ロペスもうまく距離をとって対処するが、アコスタの前進を受け止めきれずロープに詰まるシーンが目立ち始める。
そして、7Rにはコーナーで連打を浴び、スリップ気味のダウンを奪われる。
 
迎えた8R。
意を決して勝負をかけるロペス。自ら距離を詰め、強引に腕を振っていく。
それに対し、アコスタもロペスの猛攻を正面から受け止める。得意の左フックをカウンターでヒットしロペスを盛大にグラつかせる。そのまま追撃を浴びせてダウンを奪い、ロペスに10カウントを聞かせての勝利。見事3度目の防衛を決めた。
 
 
なお、勝利したアコスタは試合後に統一戦を実現したいとコメント。近い将来、対抗王者との一騎打ちに期待が高まる。
 
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めちゃくちゃ工夫が見られたロペスをアコスタが馬力と若さでねじ伏せた。アコスタには動物的な強さがあるよね

田中恒成との大激闘を繰り広げたアンヘル・アコスタの3度目の防衛戦。
先日DAZNでO.A.されたものをようやく観たので、その感想を。
 
 
全体的には、ロペスの数々の工夫をアコスタが馬力でねじ伏せた印象が強い。
 
恐らく今回、ガニガン・ロペスはアコスタを山ほど研究し、自分にできることを目いっぱいやり尽くしたと思う。実際に序盤はアコスタをかなり苦労させていたし、研究の成果は十分発揮されていた。
だが、両者のスピード&パワーの差は顕著で、どうしてもキワの部分で押し込まれてしまう。最終的にはアコスタの圧力を抑えきれず、8RKO負けを喫してしまった。
 
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逆にアコスタは相変わらずの王道真っ向勝負マン。
ロペスのようなサウスポーや老獪な相手にはかなりモタモタさせられるものの、持ち前のフィジカルで無理やりペースを引き寄せ、最後には得意の左フックでKOしてしまう。
 
無敵感があるわけでもないし、十分付け入るスキもあると思うのだが、生物として強い
勝負どころを見極める嗅覚や一瞬の爆発力など。何となくだが、全盛期の辰吉丈一郎とイメージが被る。
まあ、辰吉同様にだいぶ燃費の悪そうなファイトなので、実は全盛期が短いんじゃねえか? という噂もありますが。
 
 
ついでに言うと、この選手とド正面から打ち合って勝利した田中恒成はやっぱりすごいよね。
 
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ロペスの右が機能するが、アコスタの攻撃力を警戒してなかなか深入りできない。スピード&パワーの大正義

具体的には、打ち終わりを狙うロペスとそこにカウンターを合わせるアコスタという感じか。
 
アコスタはいつも通り、自らの馬力を活かして無遠慮に前に出る。
それに対し、ロペスは1発目の左に合わせて右を打ち込み、すぐさまサイドに動いて正面を外す。
本当はもう一歩踏み込んで懐に入りたいのだが、アコスタの左フックを警戒してなかなか深入りできない。
 
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基本、アコスタの戦術は真正面からの打ち合いが中心。ゴンゴン距離を詰めて両腕を振り回し、強引に自分のペースに引きずり込むスタイル。
 
だが、今回は1発目の左をロペスの右で封じられ、外側のポジションを取られまくるせいで得意の左フックも機能しない。本人としても相当フラストレーションが溜まる試合だったのではないか。
 
 
ただ、最初に申し上げたように純粋なスピード&パワーはアコスタの方がはるかに上。
ロペスはうまくアコスタの猛攻をいなしてはいるが、有効打はそれほど奪えていない。むしろアコスタの強引なパンチの方が多くヒットしているくらいで、ポイント的にも不利な状況が続いていた。
 
ロペスが勝機を見出すには、アコスタの懐に入って打ち合うしかない。
だが、中間距離でのアコスタの殺傷力が高く、なかなか深入りできない。
正面を外しながら右をヒットするが、強打を警戒するあまり思い切り打ち抜けない。
 
改めてスピード&パワーの大正義っぷりを見せつけられる展開である。
 
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中盤からアコスタが一気にペースアップ。粘るロペスを強引にねじ伏せて勝利!!

中盤6Rに入ると、一気にアコスタが圧力を強める。
 
外旋回の左でロペスの逃げ場を塞ぎ、馬力の違いで後退させる。そして、ロープ際に追い込んだところで右の連打。
 
前のラウンド終盤、立て続けに右を被弾した影響もあってか、体力にモノを言わせて強引にロペスをねじ伏せにかかるアコスタ。多少の被弾も関係なく前進し、ロペスに打ち終わりを狙う余裕を与えない。野獣性を目いっぱい解放して相手の体力を奪っていく。
 
このラッシュにより、ロペスはあっという間にピンチに陥る。
出足が鈍り、頼みの右も鈍い。アコスタの左フックへの反応も遅れが目立つ。
何とか腕を振って6、7Rをしのいだものの、ペースは完全にアコスタに傾いてしまった。
 
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続く8R。
開始早々、ロペスがアコスタの正面に立ち、低い体勢で突進。強く腕を振り、真っ向からの打ち合いを挑んでいく。
 
おお、すげえ。
ここで勝負に出たかガニガン・ロペス。
確かにあのままではジリ貧だし、ポイントでも勝てない。ベルトを獲るためにはどこかで倒しにいく必要がある。
 
だが、すでに踏み込みのタイミングを覚えたアコスタは焦らない。ロペスの猛攻を落ち着いてガードし、反撃のタイミングをうかがう。
 
そして、ロペスの右を小さなバックステップでかわし、身体が流れた瞬間に得意の左フック。刈り取るような軌道のパンチが側頭部を捉え、ロペスが盛大にグラつく。
 
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その瞬間、ギアを入れ替えフルスロットルで襲いかかるアコスタ。
ロペスもたたらを踏みながら何とか反撃を試みるが、獰猛なラッシュを防ぎきれず。最後はアコスタにもたれるようにダウンを喫し、両腕をマットについたまま10カウントを聞く。
 

アコスタまた日本に来ねえかな。統一戦が実現したら観に行きたいぞ


いや、なかなかおもしろい試合だった。
 
できる限りの工夫をして王者に立ち向かったロペスと、若さと馬力で跳ね返したアコスタ。
内容はもちろん、いろいろと両者の対比が見られて個人的には満足できた。
 
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アコスタはアレだ。
ぜひまた日本に来てほしいよね。
 
本人が対抗王者との統一戦を希望しているとのことで、実際可能性は十分あると思う。京口紘人との打ち合いもいいし、この選手が拳四朗の動きについていけるかも興味深い。
 
ちなみにだが、僕としてはvs拳四朗が観たい。
でも、実現しやすいのは京口の方なの? かな?
 
とにかく、もし日本での統一戦が実現したら現地観戦したいと思う。もちろん東京限定でww
 
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