最強スペンスがマイキーに大差判定防衛。ど正面からのどつき合いは見応えあったな。策士マイキーは黒星の代わりに評価を得たか?【結果・感想】

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テキサス州イメージ
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2019年3月16日(日本時間17日)、米・テキサス州で行われたIBF世界ウェルター級タイトルマッチ。同級王者エロール・スペンスにWBC世界ライト級王者マイキー・ガルシアが挑んだ一戦は、3-0(120-108、120-108、120-107)の判定でスペンスの勝利。3度目の防衛に成功した試合である。
 
 
階級を超えたビッグマッチとして注目を集めた今回。
ウェルター級最強王者エロール・スペンスに果敢に挑んだマイキー・ガルシアだが、序盤からスペンスの圧力に苦戦を強いられる。
 
右リードを左のパリングでふせぎ、距離を詰めるタイミングを測るが、長いリーチと前足で前進を阻まれる。時おり懐に入ってパンチをヒットするものの、どうしてもサイズ差、パワー差を埋められず。最後までペースをつかむことができず、大差判定負け。キャリア初の敗戦を喫してしまった。
 
だが、実質2階級差のある相手にフルラウンド食い下がったマイキーのファイトは大健闘とも言え、今後の動向にも注目が集まる。
 
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スペンス圧勝!! でも、マイキーもすげえがんばったよ

注目のビッグマッチが終了した。
結果は王者エロール・スペンスの大差判定勝利。
 
マイキー・ガルシアも大健闘を見せたが、階級最強のスペンスの牙城は崩せず。
 
「エロール・スペンスvsマイキー・ガルシア本当に決まっちゃった。勇敢なのか無謀なのか。どちらにとってもメリットあるよな」
 
全体的な感想としては、
「マイキーはがんばったけど、やっぱり無理があったかな」
「でも、スペンスと真正面から打ち合って12R持ちこたえたのは普通にすごい」
「たとえ負けても評価が下がるような試合ではなさそう」
「むしろ、そこまで計算してスペンスに挑んだとしたら相当な策士」
だいたいこんな感じか。
 
階級差云々はともかく、スペンスのこれまでのタイトルマッチでもっとも健闘したことは間違いない。
 
序盤はリードするも、中盤から体力負けして11RKOに沈んだケル・ブルック。
なぜかスペンス相手にパワー勝負を挑み、逆にプレスで押し潰されて7RKOされたレイモント・ピーターソン。
ブルックと同じアプローチで挑むものの、根本的な能力差に屈して初回KOされたカルロス・オカンポ。
 
彼らがダメだったなどと言うつもりはないが、一度もダウンせずに12Rを走り抜けたマイキーのがんばりは賞賛されていいと思う。
 
とはいえ、このままウェルター級にとどまるよりも、今後は適正階級でのびのびやった方が得策な気はするが。
 
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マイキーがスペンスと真正面から打ち合ったのは驚いた。正対することを最初から諦めたケル・ブルックとは一味違う

表題の通りなのだが、今回のマイキーがすごかったのはスペンスと真正面から打ち合ったこと。
 
2017年のケル・ブルックは最初からスペンスとの正面衝突を避け、サイドに回りながらひたすらカウンターを被せる作戦を選択した。
 
1発目の右リードに合わせてサイドにステップ。
同時に左をカウンターで被せ、顔面に薄く当てる。
そして、スペンスが方向転換する前に再びサイドへ動き、反対側から右を打ち込む。
 
とにかくスペンスと正対しないことと、ひたすら右リードにカウンターを被せること。
この2つを徹底してポイントアウトを狙いにいく作戦である。
 
だが、今回のマイキーはちょっと違う。
 
リング中央に陣取り真正面で対峙し、スペンスの動きに合わせてリズムをとる。
1発目の右リードに左をぶち当てて叩き落とし、戻り際に距離を詰める。
そこからさらにスペンスの前足の外側に踏み込み、顔面に右を打ち込む。
 
正攻法というか正面突破というか。
角度や飛び込みのタイミングをいろいろと変えてはいたが、基本的には真っ向勝負。
自分のフィジカルとパンチングパワーを信じるマイキーのファイトはそれなりに心動かされるものがあった。
 
「スタッツをほじくり返してボクシングの都市伝説を検証する。12Rはみんながんばるから11Rにがんばるべき? 初回は身体が硬い?」
 

自分を信じ、スタイルを貫き通すマイキーはよかった。完敗ではあるが実力は証明した

また、とにかく自分のスタイルで突き進む姿勢もよかった。
 
4Rあたりから徐々に体力差が表面化し、マイキーが攻めあぐねるシーンが目立ったのだが、それでも完全にスペンスにペースを渡すことはない。
 
少し休んだ途端に距離を詰められ滅多打ちにされた9Rから、自分から強引に身体を寄せて腕を振りまくった10R。
11Rには再び押し込まれたものの、最終12Rは何とか持ちこたえてタイムアップ。
 
過去の試合を観る限り、スペンスとまともに勝負するには下がってはダメ。
2018年1月のレイモント・ピーターソンのように、中間距離で後退させられると一気に持っていかれてしまう。
 
思い切り足を使って動き回るか、真正面から受けて立つか。
スペンスの重いパンチに何度も身体を揺らされながらも、そのたびにマイキーはギリギリで持ちこたえる。
 
無謀な階級差マッチと言われた一戦だが、あのプレッシャーを正面から受け止めても12R立ち続けたことで、実力は十分に示したと言えるのではないか。
 
 
ちなみにだが、リアルタイムのヒット数ではスペンス345発に対しマイキーが75発(だったと思う)。マイキーは1発当てるごとに4.6発の被弾を許した計算になる。
 
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右リードを封じられると意外と手詰まりになるスペンス。実は打たれるのが嫌いだったり?


なお、勝利したスペンスについては多少「なるほど」と思うところもあった。
 
何となくだが、1発目の右リードを徹底的に封じられると、一気に手詰まり感を漂わせるイメージ。
 
2017年のケル・ブルック戦ではカウンターの左、今回のマイキー戦では徹底したパリング。
右リードが攻撃の起点となる分、そこを攻略された場合の次の手がない。まっすぐ後退して距離をとり、もう一度仕切り直そうとする動きが目立つ。
 
そして、実際にその瞬間を狙ってマイキーに懐に入られ、ロープ際まで下がらされるシーンが何度か見られた。
根本的なフィジカル差、リーチの長さ、長い足を使って前進を止めはしたが、これが同体格で踏み込みのレンジのある相手だったらどうなっていたか。
 
あとはアレだ。
この選手は打たれるのが嫌いなのか?
 
マイキーに密着されるのを嫌って両腕で押し返したり、遠い位置からボディを打ち込んだり。当初の予想では被弾を気にせずフィジカル差で押し潰すものだとばかり思っていたので、何とかしてマイキーを遠ざけようとする動きが多かったのも少し気になったかな。
 
まあ、それだけマイキーのパンチに威力があったのかもしれないが。
 
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どちらにしろ、今回はマイキーがスペンス相手に12R持ちこたえたことで、自身の株を爆上げした試合。個人的にマイキーがここまでがんばるとは思っていなかったし、申し上げたようにそこまで計算していたとすれば相当な策士と言える。
 
DAZNの大枚作戦を筆頭に各プロモーターや放送局が選手の引き抜き合戦を繰り広げる中、どこにも属さず自身の商品価値で勝負するマイキーの独自路線が功を奏した感じ。
 
プラットフォームが増えた分、体感として興味を引く組み合わせが目減りしたイメージなのだが、マイキーのような人気選手に限ってはこういう単発契約? で試合をこなしていくのもアリ? かも?
 
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