八重樫の試合にイラつく…。テクアペトラ程度に激闘王って、ただの泥試合だろ。辛勝でタイトル防衛【結果】

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炎スピード
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2016年5月8日に東京・有明コロシアムで行われたIBF世界L・フライ級タイトルマッチ。王者八重樫東が同級11位の挑戦者マルティン・テクアペトラを2-1(113-115、115-113、116-113)の判定で下し、初防衛に成功した。

ジャッジ3人のうち2人が2ポイント差、そのうち1人が挑戦者につけるクロスゲームとなったこの試合。初挑戦の世界戦で惜しくもタイトル奪還を逃したテクアペトラは「自分が勝っていたと思う」と主張。「効いたパンチはほとんどない」「ノーダメージ。明日にでも再戦したい」と早くも再戦を望んでいる。

「井上がカルモナに大差判定で勝利!! 意外と苦戦? 拳を痛めて攻撃力が半減」

一方、好戦的な挑戦者に辛くも勝利してベルトを守った八重樫は試合後の会見に出席。3週間前に左肩を負傷して、痛み止めの麻酔を打って試合に臨んでいたことを明かした。「左肩肩甲下筋損傷、左肩関節唇損傷」と診断され、満足に練習ができない状態だったとのことである。

「【予想】サマートレック再び。八重樫東が8ヶ月ぶりに防衛戦に挑む。井上尚弥に善戦した強者とどう戦う?」

八重樫がこの相手にこれだけ苦戦するとは思わなかったな

この試合をご覧になった方は、今回の八重樫についてどのような感想をお持ちになっただろうか。
僕個人としては非常にストレスの溜まる試合だった。八重樫のファンの方には申し訳ないのだが。

前回も申し上げたが、今回のテクアペトラはかなりやりやすい相手だったと思う。

「八重樫vsテクアペトラ予想!! 激闘王の名にふさわしい戦いを見せて井上尚弥につなげ!!」

パワーと身体の強さはあるが、基本的にはそれだけ。スピードもなく、攻撃パターンは左右のフックを振り回しながら距離を詰めてくるのみ。しかも解説の川島氏も言っていたように、打ち終わりに大きく身体が流れる癖があり、その分隙もできやすい。

テクアペトラの過去の試合をいくつか見た印象は概ねこんなところだった。

「八重樫がサマートレックをパワーで圧倒!! あれ? 肉体改造でもしたか? ここまでパワフルにねじ伏せるとは」

全体的な評価としては、八重樫の出入りの速さと手数があれば問題なく勝てる相手。11位というランキングも、まあそんなもんだろう。はっきり言ってボーナスステージに近い挑戦者といってもいい。
試合前に八重樫陣営が「挑戦者の手数は要警戒」とのコメントを出していたが、どう考えてもそんなはずはない。「ウソをつくなww」と、適当に聞き流していた次第である。

「田口良一vs宮崎亮予想!! 物足りない世界戦? 全然そんなことはない。絶対おもしろい試合になるから」

そして、ゴングが鳴って実際の動きを見た上でも、その評価はほとんど変わらなかった。
悪い選手ではないが、世界チャンピオンになるほどではない。タイミングさえ合えばキャリアのうちに1度か2度、穴王者への挑戦権が巡ってくるかも。ぶっちゃけ、テクアペトラはそんな感じの選手ではないかと思う。

その選手を相手にあの大接戦である。
この日の八重樫は僕が観た中でもかなり悪い部類に入る出来だった。

「井上尚弥が拳を痛めないために? 井岡スタイルに変更すればいいんじゃない?」

持ち味の出入りもなく、左を被弾する姿に「おいおい」

まず、あんな中途半端な距離にとどまり続けている時点でおかしい。
序盤からテクアペトラの左を被弾し続けていたが、あの距離は完全に相手の距離である。自分よりリーチが長く、なおかつやや腰を落として構える挑戦者が腕を一番伸ばせる位置。その場所でノーガードで立っているのだ。「いや、あなた。そりゃあもらいますよ」という話である。

「安定王者へまっしぐら? ハスキンスがスチュアート・ホールに判定勝ち!! vs山中慎介観たい」

八重樫としてはあと半歩後ろに下がるか、もしくはもう一歩近づいて打ち合うかの位置取りをしなければ、自分に有利な展開に持ちこむことはできない。中盤以降は徐々に自分の距離で打ち合うことができていたが、試合序盤に棒立ちでパンチを被弾する姿にはかなりフラストレーションが溜まってしまった。

「村田諒太は日本を捨てちゃえよ? ペドロソをまったく問題にせず4RTKO勝ち」

さらに、いつものことながらガードが甘い。
調子が悪いというのは試合開始直後にわかったのだが、それでもガードを高く上げようという意識はどこにもないww
しかもリズムが出てくるとイキってノーガードを始める。そこで連打をもらって流れを止められるという王道パターンである。
持ち味の激しい出入りは失われてもガードの低さはきっちり失わない。悪いところはしっかりキープしたまま、自分のよさだけが消えるというちぐはぐさであるww

具志堅解説「メキシカンのパンチは伸びるんですよ」
いやいや、それ何十年言い続けてるんだよww

毎試合コンディションがあまりに違い過ぎて……

今回の試合もまた「おもしろかった」「八重樫の試合はやっぱり心打たれる」といった称賛の声が多く聞こえてきたが、僕個人としては本当にストレスの溜まる試合だった。

とにかくこの選手は安定感がなさ過ぎる。チャンピオンという地位にいる選手とは思えないくらい、毎試合好不調の波が激し過ぎる。

エドガル・ソーサ戦やロマゴン戦では絶好調。
再起を賭けたペドロ・ゲバラ戦は絶不調。
タイトル再獲得を果たしたハビエル・メンドサ戦は絶好調。
そして今回のテクアペトラ戦は絶不調。

これだけ毎回コロコロ別人になられると、さすがに「おいおい、いいかげんにせえよ」と思わずにいられない。

「八重樫vsハビエル・メンドサ!! 赤っ恥予想の言い訳をしていくぞww」

実際テクアペトラとのハンドスピードにはかなりの差があったし、打ち終わりにうまくカウンターをヒットする場面も多かったと思う。
八重樫が普通のコンディションでリングに上がることさえできれば問題ない相手だったはずだ。

まあこれだけ波が激しいと、どれが普通のコンディションなのかすらわからなくなってくるのだが。

3週間前に肩を負傷して、麻酔を打ってリングに上がっていたということだが、当然試合開始のゴングが鳴ればそんなことは関係ない。
ダメージの蓄積云々もあるだろうが、それは今回の不調とはまた別の話だ。もちろん遠因ではあるかもしれない。だが、最も大きな理由はどう考えても単純なコンディショニングだろう。

さらに、マスコミが「内山先輩の敗戦に奮起した」エピソードを美談にしようとしていたが、これまたあまりにしょーもなさ過ぎる。

じゃあ何か?
内山先輩の敗戦に奮い立ったから2-1の判定で勝てたのであれば、それがなければ負けてたとでもいうのか?
そんなことで勝敗が左右されるほど世界タイトルマッチってヌルいのか?
さすがに舐め過ぎじゃないのか?

まあ、八重樫が負けたら負けたで「今まで引っ張ってくれた内山先輩を元気づけることができなかった」的な方向に持っていくのだろうが。

「「モチベーション」とか「メンタル」とか笑わせんなよ。内山は実力でコラレスに負けたんだよ」

八重樫の終焉は近い? それよりケガは大丈夫なのか?

八重樫の今後だが、誰がどう見ても終わりは近いと思う。
今回だけでなく、こんな命を削るような戦いを毎試合繰り広げていれば勤続疲労も相当のはずである。ダメージの蓄積を考えても、後1、2試合できればいい方なのではないだろうか。

先日も申し上げたように、ペドロ・ゲバラにリベンジを果たして大団円というのが一番綺麗な終わり方な気がするが、どうだろうか。

「木村悠が1ヶ月休職の覚悟で挑んだ世界戦で逆転勝利!! ゲバラに判定勝ちで世界王座奪取!!」

というより、肩のケガは大丈夫なのか?
肩甲下筋と関節唇って相当やばくないか?

肩甲下筋を傷めたってことは、まともに腕を動かせないんじゃないのか?
しかも関節唇の損傷て。それ、プロ野球選手でいったら選手生命に関わるヤツだぞ?

「会長は八重樫について『9月の防衛戦は難しい』と慎重な姿勢を見せた」などと報道されていたが、そんなの当たり前だ。大みそかどころか復帰まで1年とか、そういうレベルのケガなんじゃないのか?

いや、今のところ具体的なことはまったくわからないのだが。

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