UFC女子、僕のベストバウト3選。第2位は最強女王対決がまさかの決着となったあの試合。アイツが負けるとは思わなかった
先日からスタートした「UFC女子、僕のベストバウト3選」。
MMAのゆる〜〜いファンである僕が、これまでUFCで観た女子の試合の中でのベストバウト3選を発表しているわけだが、今回はその続き。
ちなみに前回の記事はこちら。
UFC女子、僕のベストバウト3選。第3位は女子MMAを次のステージに押し上げたあの試合
第3位の発表に加え、僕がなぜUFCでは女子の方が好きなのかについても述べたりしている。
まあ、前置きが長くなってもアレなので、さっそくいってみたいと思う。
UFC女子、僕のベストバウト3選:第2位
○アマンダ・ヌネスvsクリス・サイボーグ×(UFC232)
2018年12月のUFC232で行われたUFC世界女子フェザー級タイトルマッチ。同級王者クリス・サイボーグとバンタム級王者アマンダ・ヌネスが対戦し、1R59秒KOでヌネスが勝利した一戦である。
この試合はもはや、僕の中では一つの事件と言っても過言ではない。
2016年5月にUFC初参戦を果たしたクリス・サイボーグだが、初戦のレスリー・スミス戦を観る限り負ける姿はまったく思い浮かばなかった。
パワフルな前進と的確で強烈な打撃、金網際でのグランドなど。ロンダ・ラウジーのそれとは比べ物にならないほど洗練されたスタイルには度肝を抜かれるばかり。
はっきり言って、このまま永遠に勝ち続けるのではないかと思わせるくらいの圧倒的なパフォーマンスだった(気がする)。
案の定、2戦目以降も順調に勝ち星を重ね、2017年末には「唯一勝ち目があるのでは?」と言われていたホリー・ホルム戦にも3-0の判定勝利。序盤はホルムのフットワークを持て余したものの、中盤からしっかり対応して最後はきっちり逆転してみせた。
こうなるともう、UFCでやることはバンタム級王者アマンダ・ヌネスとの最強女王対決しか残っていない。
一方アマンダ・ヌネスは2016年7月のミーシャ・テイト戦でのバンタム級タイトル戴冠以降、ロンダ・ラウジー、ヴァレンティーナ・シェフチェンコ、ラケル・ペニントンを相手に順調に防衛を重ねていたが、期待されるクリス・サイボーグ戦には消極的だったと聞く。
2018年末についに両者の一騎打ちが決まった際も、サイボーグ有利の声の方が多かった記憶がある。
もちろん僕もサイボーグ勝利を予想していた人間で、圧力の違いでヌネスが押し切られてしまうのではないかと思っていた。
格闘技イベントの入場で使われたらテンション爆上がり曲Best5。すでに使用してる選手がいたら一瞬でファンになりますがそれが何か?
過去の試合を観直すと、両者はファイトスタイルがかなり似通っている(ように思えた)。
スタンドでの的確な打撃が得意で、パワフルな前進と強烈な連打で相手をねじ伏せるスタイル。
やや外旋回のスイングが目立つヌネスに対し、サイボーグの打撃はまっすぐ最短距離を通って相手に到達する。
もともとの階級が違うことを考えると、身体の大きいサイボーグが有利なのではないか。僕の中でクリス・サイボーグに対する無敵の幻想がどんどん広がっていたこともあり、中盤くらいでサイボーグがKO勝利するかなぁ? というのが予想だった。
絶対負けないだろと思っていた女王がまさかの陥落。こんなことってあるんだな。文句なしのベストバウトでしたね
ところが、蓋を開けてみればまさかの結果に。
開始15秒過ぎにサイボーグの右にヌネスがカウンターで左をヒット。
さらに25秒あたりでヌネスの右ローでサイボーグがバランスを崩し、態勢が整う前に返しの右を側頭部に被弾する。
恐らくこの2発で冷静さを失ったのだと思うが、ここからサイボーグが強引に前に出て腕を振りまくる。
一気にヌネスに金網を背負わせ、追撃の右を振り抜こうとしたその瞬間。
ヌネスの左フックがカウンターでサイボーグを捉える!!
これでサイボーグが腰をガクッと落とすと、そこからヌネスが一気にペースアップ。
何とかピンチを凌ごうと身体を寄せるサイボーグの顔面に続けざまにカウンターをヒットし、逆に後退させる。
そして、金網際でサイボーグの左の内側を右のカウンターで打ち抜き、豪快にダウンを奪う。
どうにか立ち上がったサイボーグだが、すでに反撃の力はなく。
金網を背負ったままヌネスの猛攻を浴び、もう1発右フックを被弾し前のめりにダウン。
このダウンでレフェリーが試合をストップし、アマンダ・ヌネスの2階級制覇が決定した。
いや〜、何と言うか……。
改めて観ても、とんでもない試合としか言いようがない。
両者のパワー、体格にははっきりとした差があり、正面衝突では明らかにサイボーグがヌネスを上回っていた。
だが、開始直後の差し合いでいきなり2発のヒットを許したサイボーグが冷静さを失い、顔面がら空きのまま強引に前に出る。
対するヌネスはサイボーグの圧力に後退させられたものの、金網を背負った状況からのカウンターで一気に流れを変える。
焦りとダメージでスイングが大振りになったサイボーグの内側からカウンターを通しまくり、あっという間に勝負を決めてしまった。
2018年末と言えば日本ではRIZINでフロイド・メイウェザーJr.vs那須川天心戦が開催され、井岡一翔がドニー・ニエテスとのハイレベルな技巧対決に敗れた時期。
その他、堀口恭司がダリオン・コールドウェルに勝利するなど、注目試合が山ほど行われた。
だが、僕の中でのベストバウトは文句なしにアマンダ・ヌネスvsクリス・サイボーグ戦。
いろいろあったけどアマンダ・ヌネスvsクリス・サイボーグが2018年末ベストバウトで異論ないよな? 山本美憂vs長野美香もよかったぞ
このまま永遠に勝ち続けるのでは? と思うほどの強さを見せた最強女王の秒殺陥落は、2015年11月のホリー・ホルムvsロンダ・ラウジー戦以上のインパクトがあった。
会心の勝利で迎えた次戦もこれまた…。激しい制空権争いからの一瞬の決着
会心の勝利で2階級制覇を達成したアマンダ・ヌネスは2019年7月のUFC239でホリー・ホルムの挑戦を受けるわけだが、この試合もまた……。
両者が間合いの半歩外で対峙し、お互いに踏み込みのタイミングを測る。
時おりサイドキックで膝を狙うホルムに対し、ヌネスは右ローや左リードで牽制。カウンターのプレッシャーでホルムを射程に入れさせない。
得意のパンチが打てる距離に入りたいホルムだが、真正面からヌネスと打ち合うのはあまりに危険。
対するヌネスもホルムのパンチを警戒しつつ、連打→ハイキックの必勝パターンに入る瞬間のカウンターを狙う。
制空権の取り合いというか、お互いがお互いの間合いを奪い合う緊張感が凄まじい。
そして、残り1分を切ったところでホルムが仕掛ける。
遠い位置から左ストレートを見せ、そのままガードを上げてもう一歩近づく。
だが、ヌネスはこれをバックステップでかわし、すぐさま右のカウンターの態勢に。
このフェイントにホルムが一瞬動きを止め、ヌネスの踏み込みに合わせてカウンターのサイドキックを放つ。
と思った瞬間、ヌネスがさらにハイキックを合わせる!!
しかも一度ホルムに下を警戒させ、軌道を変えて顔面に。
これでホルムがダウンを喫し、追撃に入ったヌネスをレフェリーが静止して試合終了。
1R4分10秒KOという短い試合ではあったが、内容自体は凄まじいほど濃密。ロンダ・ラウジーが無双していたころとは一味違う、トータルファイター同士の高度な試合運びだった(気がする)。
UFC女子、僕のベストバウト3選。第1位は女子史上最高? の打ち合いが生まれたあの試合。日本人にも希望が持てる一戦
何度か申しげているが、僕はアマンダ・ヌネス姐さんの笑顔が大好きである。
Thank you very much for your support @revividsport ?? Muito obrigada pelo suporte @revividsport ? pic.twitter.com/wUNlnHa3Nl
— Amanda Nunes (@Amanda_Leoa) April 22, 2020
UFC250プロモーションキター!!!
クッソ楽しみにしておる。
最高すぐる。
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