内山がフローレスを粉砕!! 誰がゴリラをリングに上げていいって言ったよww 悶絶ボディ一発で3R衝撃のTKO勝利!! 実現なるか? ウォータース戦!!【結果】
2015年12月31日に東京・大田区体育館で行われたWBA世界S・フェザー級タイトルマッチ。スーパー王者の内山高志が同級6位の挑戦者オリバー・フローレスを3R1分47秒でTKOに沈め、防衛に成功した。
これで内山の防衛回数は通算11度となり、具志堅用高氏の持つ13度にあと2回と迫った。今後は噂される海外のリングに打って出るのか、それとも国内で防衛戦を続けて記録更新を狙うのか。2016年の内山からも目が離せない。
日常生活の一環として相手をKOする内山さん
「ボディが空いていたのが見えたので、打ったら終わっちゃいました。ははは」
彼はいったい何を言っているのでしょうか。
内山高志のパンチがおかしい。
ホントにおかしい。
「そうか、ベルデホアカンか。オリバー・フローレスを持て余してタイトルマッチに不安を残す」
彼、S・フェザーの選手ですよね?
どちらかというと軽量級の方ですよね。
何ですかあれ?
誰がゴリラをリングに上げていいって言ったんですか?
いや、本当にビックリした。
そして笑った。
「田口がデラローサを9Rでストップ!! 採点でリードを許すも中盤以降に流れを変えて勝利を手繰り寄せる!!」
ゲスト席に座っていた後輩の八重樫東が「風呂上がりみたいな涼しい顔」と言っていたが、まさしくそのとおりだと思う。
「内山vsコラレスを予想する!! 4月27日の大田区総合体育館でトリプル世界戦開催!」
2015年12月29日にKO防衛で見事に復帰を果たした井上尚弥の衝撃とは少し違う。
相手をねじふせようというオーラを全身からみなぎらせ、若さと勢いで向かっていく井上に対し、内山は本当に淡々と、まるで作業をするかのごとく相手を撲殺する。
朝起きて、顔を洗ってご飯を食べる。車で会場に向かって相手をKOした後に風呂に入り、友だちと夕飯を食べてから帰って寝る。
1日の予定表の中におかしなスケジュールがしれっと紛れ込んでいても誰も気がつかない。日々のルーティーンをこなすように平然と相手を悶絶させるのである。
「ちょっとジュース買ってくる」
これを
「ちょっとフローレスKOしてくる」
に言いかえてもまったく違和感がない。
コンビニに行く最中に道ばたの小石を蹴るように、目の前を飛び回るハエを振り払うように、ゴミ拾いでもするかのような感覚で相手をKOする。
ほんのささいなできごとを連想させるような日常感が内山の試合にはあるのだ。
「クラッシャー(破壊王)コバレフ見参!! パスカルとの再戦を予想!」
思ったよりもはるかに対応が早かった内山の距離感
前回の予想記事でも申し上げたが、フローレスは小型版三浦隆司。攻撃のパターンは右のリードからの左ストレート。ほぼこれだけである。
「内山vsフローレス予想!! 日本のKOダイナマイト内山はフローレスを相手に11度目の防衛を達成できるか?」
三浦に比べて距離が若干遠いのと、頭を細かく振って的を絞らせないように動くので、やや捉えにくい部分があること。そして三浦ほどの圧力や追い足がないこと。わかっていてももらってしまうような規格外の左があるわけではないこと。
それらを加味した上で、序盤は内山の左とフローレスの右、リードの差し合いとなった末に、徐々に距離感を掴んだ内山が試合中盤にKOするのではないかと予想していた。
「三浦vsバルガス壮絶決着!! 最強挑戦者フランシスコ・バルガスに三浦隆司がTKOで敗れて王座陥落!!」
だが、実際は僕の想定よりも内山の対応は早く、わずか2Rでフローレスの距離感を掴んでしまった。
内山本人も言っていたように、試合序盤は確かにフローレスとの距離感をやや持て余していた。だが、懐の深さと抜群の対応力であっさりと攻略してみせたのである。
フローレスと内山には差があり過ぎたと言ってしまえばそれまでだが、対戦相手をライナーで吹き飛ばすようなパワフルなボディはこの階級においてどう考えても桁外れである。
井上尚弥は会場を熱狂させる華のあるパンチを打つが、内山というボクサーのパンチは観る者の背筋を凍らせる。生まれてきたことを後悔するような絶望感を与えるパンチである。
「井上尚弥強し!! パレナスをまったく寄せ付けずに2RでのKO勝利!!」
僕はフローレスという人間をまったく知らないが、内山のボディでこの男が悶絶する姿を目の当たりにして、なぜか彼の人生のフラッシュバックが見えた気がしてしまった。
「怪物」の異名は内山にこそふさわしい。
「海外挑戦にはインパクトのあるきっかけが必要なのかね? NHK BS1「あの負けで私は強くなった「ボクシング・長谷川穂積」」を観て」
強打だけじゃないぞ。とどめの一発に持っていくまでのプロセスがさすがなんですよ
左をダブルで突き、左足をフローレスの右足の外側に踏み込んで右を打ち下ろす。今日の内山(いつもか?)は特にこの右がよかったと思う。
「内山vsフォルトゥナ? WBAからの指令でファン激怒!!」
頭を大きく左に傾けてパンチを避けるフローレスの側頭部をこの伸びる右が再三捉えていた。そしてこの右を意識させることによって、最後の左ボディにつなげることができたのである。
強打にばかり目が行きがちだが、内山の理詰めのボクシングはやはりすばらしい。
1、2Rのうちはやや持て余し気味にガードの上を叩かせていたフローレスの右をバックステップで避けるなど、内山は3Rには相手との距離感を完全に掴んでいた。打ち終わりを狙った右がフローレスの顔面を捉えるシーンも見られ、確かにメガトンパンチが炸裂するのは時間の問題だったのだ。
「内山がフォルトゥナに勝てるかを予想する。WBA統一戦に勝利し、さらなるビッグマッチに進むのはどっちだ?」
3Rの1分過ぎあたりで、実は一度ボディにメガトンパンチを叩き込むタイミングがあった。
左に大きく身体を傾けたフローレスの右側に内山が回り込み、がら空きのボディを目の前にする瞬間があったのだが、そこでは強打ではなくあえて軽い左のショートを出してパッと離れたのである。
あの瞬間にフローレスのボディががら空きになるタイミングを掴み、そこに強打を打ち込めば倒せるという確信を得たのだろう。
一度目は強打ではなくあえて軽いショートでタイミングを計る冷静さ。そしてそれができるほどの余裕と実力差。この瞬間が実質、試合の勝負を決めたと言っても過言ではない。
そして1分半が過ぎる頃に見せた右ボディ。ガードの上から左ジャブを打っておいての右である。この試合初めての意表をついた右ボディで一瞬フローレスの顔が歪む。
さらにフック気味の左を見せてからの右ストレートを2発。試合開始直後からよく当たっていたパンチだ。
これで右のガードに注意を向けておいて、とどめは左側に踏み込んでのボディ。
ドシュッ!!
人の身体から鳴ってはいけない炸裂音。
一瞬遅れてフローレスが身体をくの字に折り曲げて倒れる。
カウントは必要なし。
3R1分47秒TKOで内山の勝利!!
倒れ方を見た瞬間、内山の勝利は確定していた。
それくらいえげつない角度とタイミングで突き刺さったパンチだった。
「村田vsガストン・アレハンドロ・ベガ予想!! 上海での村田諒太のプロ9戦目」
2016年の飛躍に期待!! ぜひとも内山にビッグマッチを
衝撃的なKOで2015年を締めくくった内山。
こうなると、期待されるのは内山の海外進出、そして注目のニコラス・ウォータースとの激突である。
日本国内に敵なし、日本で開催する防衛戦に呼べるような選手では完全に役不足の内山高志。どう考えても海外のリングにおいて強豪とのマッチメークを見たいというのがファンの心理だろう。
注目のウォータース戦、そして一部報道で見られたユリオルキス・ガンボアの名前。ボクシングファンなら誰もが知るであろうビッグネームがずらずらと出てくる景気のいい話に、期待感も膨らむばかりである。
まあ、期待が大きい分、それが実現しなかったときの落胆も比例して大きくなってしまうのだが。
実際に実現可能な雰囲気になるまで対戦予想は控えておくが、前回も言ったように内山vsウォータースならひいき目なしで内山有利ではないかと思う。
「金子大樹引退?! マジでか。内山引退→しゃーない。三浦引退→ワカル。山中陥落→完敗だね。てか会長老害過ぎワロタww 金子引退→は?」
当たれば倒れる強打はもちろんのこと、何より内山にはリーチがある。
ウォータースのサイズが身長170cmでリーチが185cm。これに対して内山は身長が172cmでリーチが182cmである。
比較的低く構えるウォータースと背筋を伸ばして構える内山。2cmの身長差はほぼないと考えてよさそうだし、これだけ懐を深く使える選手を相手にすれば、ウォータースもかなり攻めあぐねるのではないだろうか。
本当にどうなるかはわからないが、どこかで内山の殺人ゴリラパンチがウォータースに炸裂する可能性は高いと思う。
まあ、僕はウォータースのファンなので応援するのはウォータースなのだが。
「ウォータースがソーサにまさかのドロー!! S・フェザー級転向初戦で連勝ストップ」
どちらにしても、僕は内山が国内でやることは5年前に終わっていると思っている。ぜひとも2016年を飛躍の年として欲しいと願うばかりである。
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