内山vsウォータース予想!! 実現なるか? 日本のKOダイナマイト内山高志とニコラス・ウォータースの試合を好き勝手に予想する

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日本が誇るKOダイナマイト・内山高志の海外進出。
内山高志vsニコラス・ウォータース。

ボクシングファンの間で今最も関心度の高い話題ではないだろうか。

一部報道ではすでに具体的な交渉に入っているという話だが、果たしてどこまで信用できるのか。

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ウォータースが「内山と戦ってもいい」と言ったとか、「トップランク社のボブ・アラムが内山とウォータースの試合を示唆した」とか、「パッキャオvsブラッドリーのアンダーカードに組み込まれる」とか、憶測とも真実ともつかない情報はいくつも聞こえてくるものの、なかなか確度の高い話が見えてこない現状。

2015年末の試合後に渡辺会長が言った「期待してください」という言葉。今のところファンとしてはあの威勢のいい言葉にすがるしかないというのが実情である。

内山高志の海外進出ならびにニコラス・ウォータース戦の実現は2016年の日本ボクシング界にとって最重要事項の一つと言っても過言ではない。

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注目される井上尚弥vsローマン・ゴンサレス戦もそうだが、個人的には内山高志vsニコラス・ウォータース戦の方に注目している。
というより、内山の年齢を考えれば、この試合は是が非でも実現しなくてはいけない。ジムのドル箱スターを危険にさらしたくない気持ちはわかるが、そんなことを言っている場合ではないほどに猶予は少ない。

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そこで今回は、まだ決まってもいない内山高志vsニコラス・ウォータース戦の実現を見越して、この試合の行方を好き勝手に予想してみたいと思う。

「「モチベーション」とか「メンタル」とかホント好きだよな。笑わせんなよ。内山は実力でコラレスに負けたんだよ」

ウォータースのファンである僕の偏見に満ちた予想になることは間違いないが、興味があればおつき合いいただきたい。

力み過ぎのウォータース。階級アップが原因か?

まず両者の体格とスタイルを比較すると、スピードと距離はややウォータースに分がある。

ウォータースはこれまで、持ち前のフィジカルで相手を圧倒することで勝利をもぎ取ってきたボクサーである。今回の内山戦も、ウォータースがいかに今までどおり前に出るスタイルで戦えるかが勝利へのカギとなるのではないだろうか。

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階級アップによる影響はどの程度なのか。
相手の耐久力も上がるS・フェザー級で今までどおりのスタイルを貫けるのか。
殺人的な強打を持つ内山相手に前に出てパンチを振り回すことができるのか。
ドネア戦で見せたような思いきった打ち合いを内山相手にできるのか。

このあたりが見どころになるのではないかと思う。

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懸念材料はいくつかあるが、1つ挙げるとすればウォータースのこれまでの対戦相手の中で、強敵と呼べる選手はいずれも自分よりもサイズの小さい選手ばかりということだろう。

・ビック・ダルチニャン
・ノニト・ドネア
・ミゲール・マリアガ

彼らは確かにいい選手ではあるが、最終的にはウォータースがサイズとフィジカルの差を見せつけて押し切った感が強い。
特に体重超過を犯したマリアガ戦などは、リングで対峙した2人を見た瞬間に「ウォータースでけえ!!」と叫んでしまったほどである。

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S・フェザーへの転級によってサイズの差が活かしにくくなる状況の中、内山を相手に果たしてウォータースがどの程度のポテンシャルを発揮できるものか。

事実、前回のジェイソン・ソーサ戦では階級アップの影響からか、今までのようにフィジカルの差を見せつけてグイグイ前に出るといったスタイルにやや陰りが見えていた。

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しかも相手の圧力に対抗しようという気持ちが強すぎるのか、やたらと力んで空回りする場面が目立ったのである。

以前にも申し上げたが、ここ最近のウォータースは肩に力が入り過ぎだ。
恐らく階級アップが微妙に影響しているのだろう。足を踏ん張って相手の勢いを受け止めようという気持ちが強すぎるのである。

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フィジカルの強さに陰りが見えたとはいったが、決して押されていたわけではない。S・フェザー級でもウォータースのフィジカルは十分通用するレベルにある。変に相手の圧力を意識せずにリラックスすれば、本来の「アックスマン」が戻ってくるはずだ。

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これは僕の想像だが、2014年のドネア戦の出来がよすぎたことがウォータースのボクシングをわずかに狂わせているのではないだろうか。
あの試合は間違いなくウォータースのベストバウトだし、キャリアを通じても最高の出来といっても過言ではない。
だが、あれだけ豪快なKO勝利を飾ったせいで、そのKOのイメージを引きずってしまっているように感じるのだ。

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長いリーチを活かしたストレートの軌道を見せておいてからのアッパーやフック。これがウォータースの必勝パターンのはずなのだが、ドネア戦以降その動きがめっきり影を潜めている。豪快なKOを意識するあまりに肩に力が入り過ぎて、得意のアッパーやフックが出にくくなっているのである。

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横の軌道にはめっぽう強いが、ガードの真ん中を打たれるぞ

防御の面で言うと、ウォータースが警戒すべきは内山の左と離れ際の右。そして左ボディだ。

ガードを上げると上半身がすっぽり隠れるほどの長いリーチがあるので、基本的に横から飛んでくるフック系のパンチには滅法強い。しかもベルトラインがかなり高い位置にあり、内山のボディを危険なタイミングでもらうことはないように思える。

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ただ、ウォータースのガードは横の軌道に強い反面、真ん中を割られやすいという弱点もある。腕を大きく広げたハの字型のガードなので、どうしても真ん中が開きやすいのだ。マリアガとの試合でも、ガードの間からジャブを被弾するシーンが幾度となく見られた。

そして、ウォータースの防御面で最も目立つのが膝の固さである。
黒人特有の野性的な動きで相手を追い詰めるイメージのあるウォータースだが、実はかなり膝が固い。
そのため、下半身の柔軟性を使って相手のパンチを吸収することができないのだ。ドネアのフック一発でダウン寸前まで追い詰められたシーンなどはその典型である。あの尋常じゃない慌て方はウォータースがそこまで打たれ強くはないことの証明ではないだろうか。

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そう考えると、内山のパンチが一発でも入ればその時点で試合が終わる可能性は高い。

内山はドネアのような野生的なカウンターを持っているわけではない。あくまで相手との戦力を冷静に分析して戦い方を決めるタイプである。ドネアの稲妻のようなカウンターが炸裂することはないだろうが、一度のミスが致命傷になる可能性ははるかに高いと言えるだろう。

内山が狙うのは右。カウンターのクロスでウォータースを沈めろ

内山が狙うとすれば右のクロス。
ガードの間を打ち抜く左ジャブでウォータースを後退させ、まっすぐ下がったところでオーバーハンドの右。このパンチをウォータースのガードの外側から打ち込むこめば、間違いなくその瞬間に試合は終わる。

問題は内山が、この展開に持ち込むために自分の距離で打ち合うことができるかである。
最初に言ったとおり、両者の距離を比べるとややウォータースの方が長い。つまり、内山が自分の距離で戦うには若干近づく必要があるというわけである。

ただ、ウォータースは基本的に前に出てリズムを作る選手なので、待っていれば距離は勝手に詰まる。
一発目二発目の鋭い踏み込みからのパンチを防ぐことさえできれば、ウォータースが自分から飛び込んできてくれるはずである。

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ウォータースのワンツーをブロック。もみ合いになったところで左ボディをピンポイントで突き刺す。ウォータースがひるんで後退した瞬間にガードの間を打ち抜く左ジャブ。さらにウォータースがまっすぐ後退したところに踏み込んでの右をクロスで叩き込む。このパターンさえ決まればあっという間に試合終了である。

だが、ウォータースのカウンターにはくれぐれも要注意だ。ウォータースは常に打ち終わりを狙っているので、不用意に踏み込んでしまうと右のカウンターの餌食になる可能性は高い。

距離は詰めたいが、自分から前に出ると危ない。
ウォータースが踏み込んできた一瞬。内山にとってはそこが勝負になるだろう。

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ウォータースが勝つには序盤。試合開始直後からペースを掴め

ウォータースが試合を有利に進めるには、どう考えても試合序盤。試合開始直後からペースを掴むことが何より重要だ。

強打者のイメージが強い内山だが、実は相手への対応力、学習能力がずば抜けて高い。
試合が進むにつれて徐々に相手の動きに対応し、いつの間にか自分の距離での打ち合いに持ち込む。相手の力量を推し量る能力にひときわ優れているのである。

相手の射程のわずか外側にポジションをとる絶妙なバックステップ。相手に的を絞らせない左右への動き。相手の突進をほんの少し右に動いていなすバランス。サイドへ回ってのボディ打ち。

繰り返すが、内山の強さは強打だけではない。この突出した距離感や学習能力があってこその強打なのである。
これは相手がウォータースだろうと関係ない。試合の中盤から後半、内山は間違いなくウォータースの距離とスピードに対応する。

つまり、ウォータースとしては内山が自分の動きに慣れる前、5~6Rのうちにペースを掌握しなくてはならない。試合中盤までフルマークでポイントを取るくらい優勢に進めて、できればダウンを1度奪うくらいの状況を作っておく。そうすれば後半追い上げられたとしても、僅差の判定勝利で逃げ切れる可能性は高い。

そのためには、とにかく内山を下がらせることである。
左を出しながら前進、内山のジャブの打ち終わりを狙って右。上に注意を向けさせたとろで得意の左ボディ。自分の距離を保ちながらチャンスを待つのである。

一発いいパンチが入ればそこが勝負だ。
左を出しながら一気に踏み込んでの右のストレートを思いきり顔面に叩き込むのである。

見ているとわかると思うが、実は内山はグイグイ前に出てくるタイプの選手が苦手だ。しかもバッティングなどのダーティなスタイルの選手を極端に嫌う傾向がある。
安パイと思われながら意外な苦戦を見せた2013年の金子戦などがそうで、上背とリーチ、そしてフィジカルの強い金子のジャブを何発も顔面にもらうなど、あの手のタイプを苦手としていることは明らかだった。

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まあ、これは僕の想像だが、あの試合の内山は右手を故障していたのではないかと思う。右腕か右拳かわからないが、明らかに右の数が少なかった。もし内山が万全であれば、もっと簡単に終わった試合だったのかもしれない。

ダウンを奪っても冷静に。強引に倒しにいくとしっぺ返しを食うぞ

何度も言うが、ウォータースが勝つにはとにかく序盤。鋭い踏み込みとフリッカー気味の左で、内山が距離感を掴む前にポイントをごっそり奪うのである。

ジャブでペースを掴み、内山をまっすぐ下がらせることができればウォータースの強打がまともに内山の顎を捉える可能性もある。そうすれば、金子戦の10Rでのダウンのようなシーンが見られるかもしれない。

だが、たとえダウンを奪ったとしても、そこで強引に倒しにいくのは止めた方がいい。
殺人的な強打、対応力の高さ。それに加えてどんな状況でも動じない冷静さというのも内山の大きな強みである。
たとえ大きなダメージを負っても、相手の動きをよく見て致命打を許さず冷静に対応してみせる。のらりくらりとかわしながら回復を待つことができるのである。
経験の蓄積が半端ではないのだろう。自分の状態を客観視する能力に長けているのだ。

ただ、もしかしたら内山の高い対応力と冷静さこそが、ウォータースにとって最大のチャンスなのかもしれない。

あのアッパーさえ打てれば。

ストレートの軌道に合わせている内山は恐らくウォータースのアッパーには対応できない。ストレート系をたっぷり見せたところで、いきなり縦の軌道のアッパー。この得意のパンチさえ打てれば間違いなく当たる。ひょっとしたらダルチニャン戦の再現があるかもしれない。

まあ、今の力み返ったウォータースにそれができるかは疑問だが。

今回の内山戦、ウォータースが勝利を掴むには、

・左ジャブの差し合いで負けないこと
・内山の打ち終わりを狙う右カウンター
・左ボディにつなげるコンビネーション
・鋭い踏み込みからの右ストレート
・強打の内山相手に前に出る勇気
・フィジカルで優位に立てるか

これがカギになるのではないだろうか。

防御面では、

・左のジャブに注意
・右フックのクロスは絶対にもらってはいけない
・たとえダウンを奪っても強引に倒しにいかないこと
・自分の距離で戦うこと。あまり近づき過ぎないこと
・内山のボディには要注意

こんなところだろうか。

ある程度距離を保ちながら圧力をかけ、スピードと手数で翻弄する。
果たしてこんなことができるのかはわからないが、ウォータースが勝つとしたらそんな感じではないだろうか。

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勝敗予想は内山の7〜10RでのKO勝ち。でも応援するのはウォータース

う〜ん、マジでどちらが勝つかわからない。
結局フィジカルで上回った方が勝つのか?
ウォータースがこれまでどおり前に出られるか、それとも内山が押し返すのか。

序盤はウォータースのペースで試合が進み、ウォータースの動きに対応した内山が中盤以降に盛り返して9〜11RあたりにKO勝ち。

もしくは、
序盤はウォータースのペースで試合が進み、ウォータースの動きに対応した内山が中盤以降に盛り返すが、ウォータースが前半のリードを守りきって判定勝ち。

ウォータースが勝つとすれば判定。
ちょっとでもウォータースがミスをしたら内山のKO。

そんな感じだろうか。
でも内山がポイントで逃げきるようにも思えるし……。
ホントに難しい。

よし、決めた。
思いきって内山の7〜10RでのKO勝ち予想でいく。
内山の右がクロス気味にウォータースの顔面を捉えてのノックアウト。
これでいきたいと思う。

もう一度申し上げるが、僕はウォータースのファンである。この試合が実現したら応援するのは断然ウォータースである。今回の記事も完全にウォータース寄りの目線で書いている。

ウォータースを目一杯ひいきした上で、それでもなお内山有利と言わざるを得ない。それくらい今の内山先輩のゴリラっぷりは抜きん出ていると思う。

だからアレだ。
負けるなウォータース!!

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