田中マー君、右肘の不安一蹴!! 圧巻の7回無失点8Kでレイズを支配。エース復活か(2015年4月18日(日本時間19日))【田中将大、今日の結果】

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野球試合イメージ

米大リーグニューヨーク・ヤンキースに所属するマー君こと田中将大投手が現地時間18日(日本時間19日)に敵地トロピカーナ・フィールドで行われたタンパベイ・レイズ戦に先発。7回を投げて85球無失点、被安打2、奪三振8無四球の好投で今シーズン2勝目を挙げた(2勝1敗 防御率3.94)。

試合は9-0でヤンキースが快勝し、過去2試合の内容を辛辣に評価してきた地元メディアも一転、田中投手の投球に賞賛の声を送っている。

田中マー君、今日はなかなかよかったですね。

正直、初回の投球を観たときは「今日もダメかも……」と思いました。先頭のデヘススにいきなりヒットを打たれましたし、大体6回100球4失点前後で交代ではないかと。

田中マー君、登板2戦目で今季初勝利。味方の大量援護に助けられる【MLB】

ですが、ありがたいことにその予想を大きく裏切ってくれました。もちろん今日の勝利だけで完全復活とは言えませんが、これからどんどん調子を上げていってもらいたいものです。

今日の田中はコントロールがいい。まっすぐにも力がある。二回り目以降はどうなる?

初回は何とか抑えたものの、内容的には前回のピッチングと同様コントロールがバラつき球の力も足りず、「今日もダメかも……」と思うような内容だった。

ところが2回以降。

まっすぐとスライダーが制球よくコーナー決まりだす。まっすぐにもベース板の上での力強さが感じられる。手元でグイッとくる最後のひと伸びで、打者を押し込むことができている。

球に力があるから右打者は内側のツーシームに腰を引くし、外側のカットボールにも思い切り踏み込めずに追いかける形になる。時折高めのまっすぐを見せてスプリットとのコンビネーションで高低での揺さぶりをかけるが、これも効果的に働いている。

特に追い込んでからの球には力が入っていた。

球速が1〜2マイル上がり、決め球のスプリットやスライダーのキレも一段増している。制球がいいのでツーシームが真ん中高めの半速球になることもない。

全体的なイメージとしてはスプリットとツーシームは前回登板よりも若干少なめ。スライダーとまっすぐを中心にコーナーワークでうまく攻めている印象か。もしかしたら去年までのスプリットを多投するイメージも残っていることを予想して、それを利用していた可能性もある。

だが問題は打線2回り目以降。この先はどうなるだろうか。

気迫のギアアップ!! これぞ田中将大の真骨頂

ヤンキースが6回表に先制して、2-0で迎えた6回裏。

先頭バッターは8番ガイヤー。

1球目ボール。

2球目ファール

3球目はボール。

引っ掛け気味の球が低めに外れる。

ちょっとおかしい。

この回、もしかしたら危ないかもしれない。

そう思った4球目。

低めのツーシームをガイヤーが思い切り引っ張る。

火の出るような鋭い当たりがレフト線を破る。

ツーベースヒットでノーアウト二塁。

ここまで15打者連続アウトを記録中だった田中が、この試合初めてのピンチを迎える。

だが今日の田中はここからが違う。ピンチでギアを一段上げる。

まずはラストバッターのリベラを外側まっすぐで三振に打ち取り、初回にヒットを打たれている1番デヘススを迎える。

1球目、2球目と渾身のスプリット。

初球は空振り、2球目は打者のだいぶ手前でバウンドしてカウント1-1。

3球目はこの日有効に使っているカーブが外角へ決まる。カウント1-2とデヘススを追い込む。

ここから長いサインの交換。5度首を振る田中。

そして投げた球は外角まっすぐ。この日最速の93マイル。うなりをあげる豪速球。ファール。

捕手マッキャンが田中に駆け寄って意思確認をする。うなずく田中。

5球目はスプリットをファール。

6球目。再び93マイルの外角まっすぐ。これもファール。

再度マッキャンが田中に駆け寄り意思確認。

この辺りを見るに、もしかしたら今年のスタイルを模索する上で捕手との意思疎通が完全にはとれていないのかもしれない。

7球目。左打者の外側ボールゾーンから切れ込むスライダー。通称バックドア。空振り三振!!

田中の勝ち。

続くソウザをサードゴロに打ち取り、小さくガッツポーズを作る田中。

最高の形でピンチを脱出する。

ヤンキースの猛攻。田中が呼び込んだ勢い

続く7回。

ヤンキース打線が爆発し、レイズの投手陣に襲いかかる。一気に7点を追加しスコアを9-0とする。

前の回の田中の気迫が呼び込んだ流れ。まさしく勝利を呼ぶピッチングである。

7回裏。

田中の投球が少し怪しくなる。

引っ掛けて低めに外れる球やハーフスピードで高めに抜ける球が目立ち始める。

これは若干危ないか?

そう思わせるピッチング。

だが試合の体勢が決まっていた状況も手伝い、田中はこの回も三人で終える。

そしてそのまま7回85球無失点でお役御免となる。

今日だけで「もう大丈夫!」とは言えないけど……

たまたまフォームのバランスがよかったのか、何かコツを掴んだのかはわかりませんが、とにかく今日のピッチングは素晴らしかったです。

追い込むまでは楽に投げて、ツーストライクから力を入れる。

ピンチではエンジン全開で豪速球とスプリットを投げ込んで相手をねじ伏せる。

このスタイルを続けられるなら、かなりいい成績を残せるのではないでしょうか。

ただ不安は依然としてあります。

「田中将大、タイガース戦に登板。勝敗つかずも7回途中1失点」

わずか85球で怪しくなってきたことや、捕手との呼吸がとれていない部分。その辺りを見るに、まだ万全とは言えないのかもしれません。

とはいえ、とにかく一試合ごとに周りが一喜一憂します。それも含めて次の登板もまた注目です。メジャーリーグ2015。どんどん楽しくなってきます。

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