田中将大登板結果。今季16本目の本塁打を浴びるも6回3失点で今シーズン8勝目

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青い海岸イメージ
田中将大、6回3失点で8勝目。今季16本目の本塁打を浴び、昨年の被本塁打数を上回る。

ヤンキースの田中将大投手が4日(日本時間5日)に本拠地ヤンキースタジアムで行われたレッドソックス戦に先発。6回0/3を投げて88球、5安打3失点で今シーズン8勝目をマークした。

「マー君、乱調で4敗目。制球に苦しみレンジャーズ打線につかまり連勝ストップ」

「全体的に手応えがあった」との本人の言葉通り、レッドソックス打線を4回まで1安打に抑えるなど今日の田中のフォーシームには球威があり、快調なピッチングを披露した。だがサンドバルにホームランを打たれての降板ということもあり、「この内容ではここ一番を任せてもらえない」と語るなど、課題も多い登板となった。

快調な立ち上がり。フォーシームがビシビシ決まる

今日の田中は序盤から素晴らしかった。

初回をわずか7球で三者凡退に仕留めた田中。しかもそのうち4球がフォーシームである。ベース版の上での伸びも感じる。うん、今日はちょっと期待できるかもしれない。

ツーシームも斜め下に加速するように落ちているし、80マイル後半のスプリットも鋭く落ちている。フォーシームの球速も95マイル。
いいぞ。今日の田中はいい。

「甲子園で肩の酷使を許すな議論に俺が終止符を打ってやんよ」

2回1アウトから迎えた5番サンドバル。
95マイルのフォーシームを見せた後、89マイルのスプリットで三振!! おお、すげえ。

味方のまずい守備で2アウトランナー2塁としたが、後続を打ち取り2回を無難に切り抜ける田中。
フォーシームを軸に展開するピッチングは観ていて頼もしい。左打者の外側からストライクになるスライダーもいい。こういう田中は久しぶりではないだろうか。

3回は左打者が3人続いたが、内へ外へ自由自在に投げ分けあっさりと三者凡退に切ってとる。やはり今日の田中はいい。

順調に飛ばす田中。相手に付け入る隙を与えない

4回。
この回も田中は快調だ。
先頭の2番ボガーツには内側のツーシームを見せてから外いっぱいのスライダーで外野フライ。素晴らしい。

2アウトで迎えた4番のハンリー・ラミレスには首を振ってのフォーシーム。この辺りにも調子のよさがうかがえる。

ただ、これはいつも言っているのだが、ちょっと低めに投げることを意識し過ぎではないだろうか。あまりに低め低めばかりで、回が進むと低めへの変化球の軌道を読まれて余裕を持って見逃されることが多い。どこかで高めに1球見せて打者を惑わせることができれば、もっと楽に打ちとれるはずなのだ。今日のようにフォーシームが走っている日は特にである。我ながらいいかげんしつこいが、どうか一度試してもらいたい。

「ヤンキース田中将大、完璧な投球で5勝目!! 今季初めて100球を超える」

とはいえ4回まで1安打。それも味方のまずい守備でツーベースが記録された1本のみ。最高である。

5回。
1アウトから打席には7番ナポリ。
カウント2-1から投じたスプリットをレフト戦へのツーベースを打たれる。
どうも田中はこのナポリを苦手にしているフシがある。恐らく、ややアッパー気味でインサイドアウトのスイング軌道と、田中の沈む系の球が合ってしまうのだ。

その後、カスティーヨの送りバントを処理しそこねて1、3塁としてしまった田中。
8番スワイハートに外側のスライダーをちょこんと合わされる。打球はレフト前にポトリと落ち、3塁ランナーが生還。1-1の同点に追いつかれる。

なおも1アウト2、3塁で打席には9番ブラッドリー。
スクイズも予想される中、フルカウントから投じた外側高め95マイルのフォーシーム。この球をブラッドリーがレフトへ打ち上げる。3塁ランナーがタッチアップで生還。犠牲フライとなって得点1-2。
後続を打ち取った田中だが、この回逆転を許してしまう。

多少バタバタしたが、まともに打たれたヒットはナポリのツーベースのみである。わずかに歯車の噛み合わせが悪かったという程度で、そこまで心配するものでもないだろう。ややもったいなかったが、このままの調子を維持してもらいたい。

6回。この回も田中は順調だ。
フォーシームを軸にスプリット、スライダー、カッターを自在に投げ分け、レッドソックスの上位打線を封じ込める。
3番オルティスにフォアボールを出したものの、まともにスイングできる球は1球もなかった。
4番のハンリー・ラミレスには速球系を内側へ3球続け、2-1から投じたツーシームがピッチャーライナーとなったがこれを田中がキャッチ!! 素早くファーストに送球してゲッツー。ナイスキャッチだ。
内側を見せ過ぎたせいで捉えられたが、結果オーライということにしておこう。

打たれて悔いあり? 熱のこもった真っ向勝負

ヤンキースが4-2と逆転して迎えた7回。
6回までの球数が80球と、ここまではまあまあのペースできている。ぜひとも7回までは投げきりたいところである。

打席にはこの回先頭の5番サンドバル。
1球目。真ん中やや外寄りのツーシームが決まって1ストライク。
2球目。内側高めへのカットボール。この球をサンドバルが思い切り引っ張る。痛烈な打球は一塁側観客席へ。ファールでカウント0-2。
3球目。真ん中高めへの93マイルのフォーシーム。サンドバルが強振。やや振り遅れのファール。おお! いい球。すげえ気合いだ。
4球目。外側低めへ93マイルのフォーシーム。サンドバル、またもや振り遅れでファール。いいぞ、押してる押してる。
5球目。外側低めへ89マイルのスプリット。サンドバルがこれを楽々見送る。ああ、やっぱり配球を読まれてるな。同じコースから落とすスプリット。確かにこのパターンは何度も見ている。
6球目。ど真ん中のスライダー。あ! 甘い! そう思った瞬間サンドバルがバットを振り抜く。しかし打球はバックネットを超えるファール。危ない。完全に打ち損じだ。これは助かった。
7球目。5球目と同じコースへ88マイルのスプリット。サンドバル、手を伸ばして何とかファールにする。うおおぉぉ、見応えある勝負だ。
サインに一度、二度首を振る田中。そして8球目。足を上げてモーションに入る。放たれた球は94マイルのフォーシーム。コースは真ん中高めへ。
サンドバルが腰を回転させて鋭く振り抜く!!
バシッ!!
強烈な炸裂音を残して打球はぐんぐん伸びる。右中間スタンドへ一直線。ホームラン!!!
うわ〜、打たれた。得点4-3。グラブを叩いて悔しがる田中。
あ〜、最後の最後にど真ん中に来ちゃったな。まあ、でもおもしろい勝負だった。田中の調子が悪くて打たれたわけでもないし、これに関してはそこまで悲観することもないだろう。

球数が88球となり、監督のジラルディがベンチを出る。田中将大、ここで降板。6回0/3 被安打5 奪三振3 四球1 失点3の結果で、防御率は3.84となった。

試合はその裏にヤンキース打線が爆発して一挙に9点を挙げ、田中に8勝目(4敗)が記録された。

シーズンはこれから佳境へ。田中の登板も結果と内容両方が求められる時期に

もう一度言うが、今日の田中はかなりよかった。
3失点ではあるが、内容的には不運が重なったものだったし、ホームランに関しては目一杯真っ向勝負した結果なのでそこまで悲観するものではない。それよりも、今日のフォーシームのキレについてはある程度自信を持っていいのではないだろうか。

ここ最近の田中はいわゆるギアチェンジと呼ばれるペースの上げ下げをあまりしなくなっている。長丁場のシーズンと自身の肘の状態を鑑みてのことなのか、一度のビッグピッチよりも毎試合のQSをより重視している。そして、とにかくストライクを先行させて球数を減らすピッチング。この二つを特に意識しているのが見受けられる。

だが、このスタイルだとどうしても防御率は悪くなりがちだ。
ストライク先行を意識したピッチング、田中に無理をさせないベンチの方針。つまりホームランを打たれやすい組み立て+早めの降板。この2つのおかげでどうしても防御率は下がりにくくなるのだ。

自身の身体がシーズンを通じて持ち堪えられて、なおかつメジャーの強打者を抑えられる力の入れ方。二律背反の要素をギリギリ両立できる力の配分が今のピッチングなのだろう。そして、少しのズレが生じれば相手に捉えられてしまう諸刃の剣なのだ。

日本時代の田中将大を知っている者が観ると物足りなく感じるのかもしれないが、これが田中自身が2年目のシーズンで出した答えなのである。

途中1ヶ月の離脱もありながら、何だかんだで8勝4敗。二桁勝利は間違いないとして、後はどこまでチームに貯金を作るピッチングができるかである。
シーズンも勝負どころに差し掛かる8月。田中のピッチングの重要性がいよいよ増してくる時期にきた。

「田中将大、2本のソロ本塁打に泣き今季5敗目。なぜ今年は被本塁打が増えたのだろうか」

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