サンウルブズこりゃキツいな…。ストーマーズに勝利するにはどうすれば? 相当の奇跡が起きない限り勝つのは難しい【スーパーラグビー12節予想】
ラグビー日本チーム・サンウルブズが参戦しているスーパーラグビー2016。5月14日に第12節が行われ、2勝目を目指すサンウルブズは南アフリカの強豪ストーマーズと激突する。
なお、この両チームは第7節でも対戦しており、そのときは7トライを挙げたストーマーズが46-19でサンウルブズを下している。
前節のフォース戦の敗戦によりスーパーラグビー負け越しが決定したサンウルブズだが、歴史的な2勝目を強豪チームから奪うことができるだろうか。
なおこの試合は、2016年5月14日(土)20:50からBS日テレで中継される。
ストーマーズは走力を活かした強豪チーム。サンウルブズが苦手なスタイル……
スーパーラグビー2勝目を目指して、サンウルブズがシンガポールに殴りこみである。
「サンウルブズがまさかのストーマーズ戦引き分け!! マジすげえ!! 結成以来のベストゲームでしょ?」
対戦相手のストーマーズは広いスペースを活かして縦横無尽に走り回るスタイル。グランドを広く使ったランを得意とした展開ラグビーが身上のチームといえるだろう。
フォワードは基本、勢いをつけて相手のディフェンスの間をめがけて突進する。その際、必ず味方を1人引き連れて2人がかりで突進してくるのでボールキャリアが孤立することがない。
バックスは外側にスピードのあるプレイヤーを配置したオーソドックスなスタイル。
ウィング、アウトサイドセンターの外側2人が深めにポジショニングすることで相手とのスペースを作る。そのため、自分たちの走力がより活かしやすくなる。
そこにフルバックがアングルをつけて走り込むことによって、ゲインを切りさくというパターンである。
複雑なサインプレーで相手を撹乱するというより、攻め自体は非常にオーソドックス。1対1のコンタクトに負けないことを意識したチームである。
特にセンター陣の縦突進は鋭い。
一発目のコンタクトでうまく相手のゲインラインを突破することで、攻撃に継続性を持たせることができるのである。
また、どのプレイヤーもトップスピードでボールをもらうこと、アングルをつけて相手とコンタクトするという基本が徹底されているのが大きい。そのため、一発目の攻撃でゲインラインを突破する確率が非常に高いのである。
全体的な印象としては、基本を忠実に守りながら走力を最大限に活かした攻撃型のチームといったところだろうか。
ディフェンス面については、基本的には待ちのスタイルといえるのではないかと思う。
外に走る相手を半身で追いかけつつ、縦への突進を2人がかりで止めにいく。
1人目がボールキャリアの横から足にしがみつくようにタックルする。間髪いれずに2人目が外側から抱え込むようにボールの動きを封じにいく。半マークずらしながら1人の選手を両サイドから挟むディフェンスである。
密集サイドのディフェンスはかなり鍛えられていて、相手がボールを持った瞬間に1人目が低いタックルを仕掛けることが徹底されている。
密集の近くでは前に出るタックル、外側を走られた場合は相手を外に追い出すスタイル。ディフェンス面に関しても、自分たちの走力をうまく活かしたチームだと言えるのではないだろうか。
ニワカwな僕が思うに、サンウルブズがストーマーズに勝つのは難しい
先日も申し上げたように、僕は今シーズンのスーパーラグビーをほとんど観ていない。サンウルブズがチーターズに歴史的大敗を喫したと聞いて「こりゃいかん」と思い、慌ててチェックし始めたニワカwである。
「サンウルブズがなぜ勝てないかだって? 弱いからでしょ。戦力と準備、全部が不足してる」
そのニワカwな僕が見たところ、次節でサンウルブズがストーマーズに勝つのは相当難しい。
南アフリカで行われた第7節では46-19で大敗を喫しているとのことだが、得点経過を見ると奪われたトライは計7つ。前後半通してまんべんなく奪われ続けていることがわかる。
試合を観たわけではないので何とも言えないのだが、恐らく最初の接点でことごとく当たり負け、外のスペースを自由に走られたのだろうと想像する。
2015年のW杯時と比べて1人目のタックルの甘さは気になっていたところである。ファーストコンタクトでことごとくディフェンスの間を割られ、その部分で相当苦戦したのではないだろうか。
やはり一発目で間を割られて裏に出られてしまうのはかなりキツい。ディフェンスは必然的に後手になり、後ろから追いかける時間帯が長くなる。
当たり前だが、追いかけるディフェンスというのは前に出るディフェンスに比べて体力の消耗が激しい。
相手を後ろから追いかけているうちに足が止まり、一発目のコンタクトでますます当たり負ける。さらに相手との間にスペースができやすくなり、外を自由に走られる。
ディフェンスばかりでは当然気持ち的にも沈むし、試合の流れを掴みようがない。
逆に相手は攻め続けることでどんどん調子づく。
ラグビーにおいて、一発目のコンタクトで当たり負けるというのは全局面において悪影響を及ぼすのである。
第7節のハイライト動画を見てみたが、だいたい思った通りの展開で負けているようである。
また、オフェンス面で言うと、サンウルブズのオフェンスラインの浅さはずっと気になっていたところだ。先日のフォース戦でも2度のインターセプトが直接失点につながるなど、早急に改善すべき点ではないかと思う。
ストーマーズのディフェンスはそこまで前には出てこないスタイルなので、縦への突進が少ないサンウルブズのオフェンスとはあまり相性がいいとはいえない。近場で一発インパクトを与えられるオプションがあればいいのだが、それもなかなか難しい。フィルヨーンと山田のランだけではちょっと弱い。
サンウルブズが勝利を掴むには?
今回のサンウルブズvsストーマーズ戦、率直に申し上げてサンウルブズが勝つのはかなり難しいと思う。もちろん相手が強豪チームというのもあるが、スタイル的な相性はかなり悪い。
ただ、単純に「無理」と言いきってしまうのはあまりに味気ない。せっかくなので、どこかにサンウルブズが勝利する可能性はないかを考えてみようと思う。
「サンウルブズ勝利!! やればできるじゃねえかww ジャガーズに逆転勝ち」
まず第7節でサンウルブズが喫した失点が46。そして得点が19である。
サンウルブズのオフェンスとストーマーズのディフェンスを比較すると、残念ながらサンウルブズの得点が爆発的に増えることはない。
相当がんばったとして最大で4トライ、ゴールキックをすべて決めて28点。そこにペナルティゴールのチャンスが1、2本あると仮定して、サンウルブズの得点はMAXで30点前後といったところではないだろうか。
もちろんすべてがうまくいくはずはないので、誤差も含めてだいたい15~25点前後に落ち着くのではないかと予想する。要は前回の19点と大きな差はないということである。
つまり、サンウルブズがストーマーズに勝つにはどれだけ失点を減らせるか。46失点という数字をいかに小さくできるかにかかっている。
これには何といっても一発目のタックルしかない。
一発目の接点でいかに相手の突進を前で止められるか。ゲインラインを切られずに相手の攻撃を寸断できるか。それがほぼすべてといっても過言ではない。もう明白すぎるほど明白な答えである。
前述のとおり、ストーマーズは1人目のプレイヤーがディフェンスの間に走り込んで攻撃の起点を作る。その際、味方を引き連れて突進することによって素早いボール出しを実現している。
サンウルブズとしては、この1人目のプレイヤーをいかに前で止めるか。いかにゲインラインを突破させないかが勝利へのカギとなる。
相手がスピードに乗る前に1人目が低くタックルに入る。間髪入れずに2人目が上半身を抱え込んで自由を奪う。
一発目のタックルでボールの動きを止め、外側に数的有利な状況を作らせない。
イーブン状態のラックを形成し、相手の球出しをできるだけ遅らせる。あわよくばターンオーバーでボールを獲得する。
とにかくストーマーズの流れでラグビーをさせないことが重要だ。
密集から素早い球出しを許してしまうと、必然的にストーマーズ得意のラン攻撃に持ち込まれる。
サンウルブズとしては、できるだけイーブン状態のラックを長引かせることである。ゆっくりとした展開に引きずり込んで、ディフェンスラインを形成する時間を確保するのだ。
そして繰り返しになるが、その展開に持ち込むにはやはり一発目のタックルをどれだけクリーンヒットできるか。2015年のW杯で見せた全員タックルのスタイルをどこまで取り戻せるかである。
「日本がサモアに勝利!! ラグビー日本の歴史を塗り変える!!【結果】」
今回の試合を迎えるにあたってストーマーズの試合をいくつか観たが、このチームは後半になるとプレーが雑になる傾向がある。1人目のプレイヤーを止める展開を作ることでその時間帯を早めることも可能なはずだ。
僅差をキープしたまま後半に持ち込み、相手のプレーがダレてきたところで一気に攻め落とす。走力のある外側のプレイヤーにボールを渡して勝負を賭ける。
ギリギリのロースコアで我慢を続け、後半の後半に一気にまくる。これがサンウルブズが勝利する確率が最も高い展開ではないだろうか。
当たり前だが、ラインアウトやスクラムなどのセットプレーは確実にキープするのというのは大前提である。ここでミスを連発してしまうと流れが相手に渡ってしまう。ラインアウトの獲得率は最低でも85%前後は必須だ。
いや~、やっぱり無理かなぁ……。勝てないだろうなぁ……
どうだろうか。
サンウルブズがストーマーズに勝つ可能性をダラダラと考えてきたが、実際勝てる可能性はあるだろうか。
いろいろ考えてみたものの、やはり勝つのは難しいとしか言いようがない。一周回って結局同じところに戻ってきてしまったが、事実難しいのだから仕方がない。
縦突進からのラン攻撃を防ぐために、2015年W杯並みの全員タックル。
ディフェンスラインを切り裂くための縦へのインパクトプレー。
史上最低レベルのお笑いラインアウトの改善。
ポイントへの集散を相手より速く。
これらの課題を一週間で達成できるかといったら、答えは「No」ではないだろうか。
しかも会場は秩父宮ではなくシンガーポールで、ホームの後押しも望めない。なおかつ片道8時間弱のフライトという長旅である。コンディション面でのアドバンテージも享受できない中、チーム状態を劇的に改善するのは無理というのが僕の結論だ。
本当に何とも言えないのだが、第7節での46-19と同じような結果が待っているような気がする。
見どころは、例によって山田のトライ数のみ。五郎丸不在のイケメン枠に抜擢された山田の活躍くらいしか楽しみな部分が思いつかない。厳しい話だが。
とはいえ、この試合もBS日テレで中継されるのは非常にありがたい。
何だかんだで楽しみにしているので、ぜひともがんばっていただきたいと思う。
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