激闘!! レオ・サンタクルスvsアブネル・マレス!! フェザー級注目の一戦の結果は期待通りの大熱戦!!
レオ・サンタクルスvsアブネル・マレスのフェザー級12回戦。
一瞬たりとも目を離せない激闘の末、結果は12R判定勝ちでレオ・サンタクルスの勝利!! WBC世界フェザー級ダイヤモンド王座、WBA世界同級スーパー王座を手に入れる。
「セルゲイ・コバレフはPFP最強?! ナジブ・モハメッディを破壊的KOで統一王座防衛に成功」
2015年8月29日(日本時間30日)にアメリカ・ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われたフェザー級12回戦。レオ・サンタクルスvsアブネル・マレスの一戦は両者一歩も引かない大激闘の末、サンタクルスが12R判定で勝利。WBC世界フェザー級ダイヤモンド王座、WBA世界同級スーパー王座を獲得した。
「ケル・ブルックvsディエゴ・チャベス予想!! ケル・ブルックの強さが世界に証明される試合になるぞ!!」
レオ・サンタクルス(31戦30勝17KO1分)
vs
アブネル・マレス(31戦29勝15KO1敗1分)
初回から前進するマレス。正面衝突でサンタクルスを押し込む!!
試合は初回からマレスが積極的に前に出て押し込み、サンタクルスが迎え撃つという展開。
マレスが頭を下げて左を出しながら前に出る。
身体を密着させ、ボディから大振りの右フックを振り回す。左肘を突っ張るようにサンタクルスをロープに押し込み、ラフな連打でサンタクルスに圧力をかける。
対するサンタクルス。
マレスが足を使ってくると予想していたか、面食らったような表情でラビットパンチのアピールを繰り返す。
構わず前に出続けるマレス。サンタクルスも応戦するが、パンチの回転力でやや分が悪い。
マレスがオーバーハンドの右をダブルで打ち込んだところでゴング。1R終了。
「クイッグがフランプトンに敗れる!! 英国スター対決は凡戦の末にフランプトンに軍配」
コーナーでセコンドの指示を聞くマレス。早くも肩で息をしている。
対するサンタクルスは案外余裕の表情。マレス、この戦い方は体力を使いそうだ。
2R。
開始直後、サンタクルスのワンツーが軽くマレスにヒットする。
構わず頭を下げて直線的に前に出るマレス。
ロープに詰まったサンタクルスがサイドにステップして身体を入れ替える。そして距離が開いたところで左ジャブ。これが長い!! マレスの顔面が弾ける。
マレスが飛び込む。ボディからフックの連打につなげる。サンタクルスも打ち返す。細かいパンチの交換。ロープ際からサンタクルスがサイドにステップして脱出!!
再びマレスが飛び込む。だがその瞬間、サンタクルスがノーモーションの左からのワンツーをヒットさせる。
このパンチでマレスの踏み込みに陰りが出る。
それを察知したサンタクルス。シャープな長い左を繰り出す。これが飛び込み際のマレスの顔面を的確に捉える。
「ブラッドリーvsリオス予想!! 危険なインファイターを迎え撃つブラッドリー」
ラウンド終盤、接近戦で打ち合う両者!!
マレスの飛び込み際、サンタクルスがフックをカウンター気味にヒットさせる。
マレスも構わずに打ち返すが、ここではサンタクルスが打ち勝つ!!
回転力はマレス。ボディワークと正確性でサンタクルス。
すげえ。サンタクルスすげえ!!
マレスの距離感を掴むサンタクルス。シャープなパンチが次々マレスを捉える
3R。
このラウンド辺りから、サンタクルスがマレスの距離感を掌握する。
マレスが飛び込む瞬間、同時に一歩下がってマレスの射程距離から離れる。
身体を密着させて打ち合いたいマレスに迷いが見える。
サンタクルスが左ジャブを出す。マレスはこのパンチを避けられない!! ことごとく被弾して顔が弾ける。
マレスの飛び込み際にサンタクルスがバックステップ。これによってマレスのパンチは届かなくなる。そしてこれ以上飛び込めない。逆にサンタクルスのジャブをことごとく被弾する。マレス、これはヤバい。
それでも意を決して飛び込むマレス。
その瞬間サンタクルスが一歩下がり、左右のフックを的確にヒットさせる。
被弾しながらも強引に前に出て身体を密着させるマレス。
回転力を活かしたボディを連打する。だが、サンタクルスも打ち負けない。ボディから顔面へパンチを返しながら、時折サイドにステップして身体を入れ替える。離れ際マレスの打ち終わりにフックをヒットさせる。
ど迫力の至近距離での打ち合い。だが、局面局面で一歩ずつサンタクルスが上をいっている。
「キース・サーマンvsショーン・ポーター予想!! ハイスピードバトルを生き残るのはどちらだ?」
直線的に前に出るマレス。うまくサイドへのボディワークを使っていなすサンタクルス。回転力ではマレスがやや上だが、サンタクルスのボディワークとパンチの正確性がマレスのアドバンテージを上回っている。
フリッカー気味の長いジャブでマレスの顔面を確実にヒットするサンタクルス。マレスは徐々に足が出なくなる。
接近戦での打ち合いで優位に立てないマレス。
直線的なマレスの出足を完全に読んだサンタクルス。
どちらがペースを掴んでいるかは一目瞭然だ。
お互いに大振りのフック。距離の長いサンタクルスのフックがマレスの顔面を捉える。ここでゴング。3R終了。
サンタクルスすげえ。
「ケル・ブルックはウェルター級で最強に最も近いボクサーだという事実に異議はないはずだが?」
4R。
マレスの出足が完全に止まる。
これを見たサンタクルスが前進しながらフックを振るう。
マレスも必死に応戦するが、パンチの距離に歴然とした差がある。どうしても距離の長いサンタクルスのパンチが先に当たる。
ロープ際での打ち合い。
マレスのパンチもヒットするが、やはりサンタクルスのパンチの方が正確性が高い。マレスのパンチは回転速度は速いのだが、あまり当て勘がよくない。しかも射程距離が短い上に飛び込みも直線的で、距離感を掴んだサンタクルスは余裕を持ってガードできてしまう。
このラウンドも終止サンタクルスが支配したままゴング。
5R。
思い切って前に出られないマレス。
的確なワンツーをヒットさせるサンタクルス。
回転力のあるパンチでどうにか応戦するマレス。だが当たらない。上半身をすっぽりと覆うようなサンタクルスのガードを突き破ることができない。逆に打ち終わりにサンタクルスのフックをもらってしまう。
このラウンドもサンタクルスか。
6R。
開始早々、肩で押し込むようにマレスがサンタクルスをロープに詰める。
しかしサンタクルスはクリーンヒットを許さない。うまくサイドにステップして身体を入れ替えて距離をとる。
肘を突っ張るようにサンタクルスを押し込むマレス。このラウンドで流れを変えようというマレスの覚悟が見える。
だが、ラウンド後半に入るとマレスの前進が止まる。
その途端、待ち構えていたようにサンタクルスの的確なワンツーがマレスの顔面を捉える。左の差し合いで圧倒的な差がある両者。この差を埋められないマレスは本当にキツい。
懸命に飛び込むマレスをサイドステップでいなすサンタクルス。マレスが頭を下げてサンタクルスの左をガードしたところでゴング。微妙なラウンドだが、パンチの正確性でサンタクルスだろうか。
7R。
開始直後はマレスが前進して身体を密着させる。近距離での打ち合い。サンタクルスも細かいボディの連打で応戦する。ラフなパンチを打ち返すマレス。ただ、ここで圧倒できないのが厳しい。そして、ほどなく出足が止まる。
リング中央で再び対峙する両者。
マレスが飛び込む。だが出足が鈍い!!
サンタクルスが下がりながら左を合わせる!! これがマレスの顔面にヒット!!
そして密着しての打ち合い。離れ際にサンタクルスの左がさらにヒット。
後退するマレス。
前に出るサンタクルス。
再び飛び込むマレス。
サンタクルスは下がりながらの左のカウンター。マレスの顔面が弾ける。
いや、これは厳しい。
ついにサンタクルスがマレスの飛び込み際にカウンターを合わせてきた。
距離感を掴まれたのもあるが、何よりマレスの出足が鈍ったのが大きい。
またマレスが飛び込む。
そう、今日のマレスはこれしかないのだ。ここまできたら前に出続けるしかないのである。
打ち合う両者。
サンタクルスの左右フックが立て続けにヒット!!
後退するマレス。そこにもう一発サンタクルスのフック。
ここでゴング。
あ〜、キツい。
苦しいマレス。
近づいてもサンタクルス。
離れてもサンタクルス。
打ち合ってもサンタクルス。
そして疲れたマレス。
完全にサンタクルスのペースだ。
出足が鈍ったマレスと、さすがに疲れたサンタクルス。決着は判定へ
8R。
完全に出足の鈍ったマレス。
パンチは出し続けるのだが、下半身がついていかない。こうなると、サンタクルスのカウンターの格好の餌食になってしまう。
ロープ際で押し込もうとするのだが、足に力が入らないのであっさりと身体を入れ替えられ、逆にロープを背負う展開に追い込まれる。その場で激しく打ち合うものの、ことごとく打ち負ける。これは完全に手詰まりか。
逆にこの展開であれば、サンタクルスはダウンの一つも奪いたい。
9R。
ラウンド前半、強引に前に出るマレス。
これを続けられればいいのだが、どうしても中盤以降サンタクルスのパワーに押し返されてしまう。
案の定出足が鈍るマレス。強引に飛び込んで接近戦に持ち込むのだが、飛び込み際のカウンターを避けることができない。やむなく中間距離で打ち合うものの、パンチの距離感に圧倒的な差があるためにサンタクルスのパンチだけが当たる。
ただ、このラウンドのサンタクルスはカウンターの精度に陰りが見える。初回からマレスの突進を受け止め続けてきたのだ。さすがにサンタクルスも疲れてきたのだろう。
10R。
ついにマレスの出足が止まる。
踏み込みにまったくスピードがない。力感も感じられない。
サンタクルスも疲れているが、マレスほどではない。
マレスの踏み込みに合わせて一歩下がり、左のフックをカウンターでヒットさせる。深い懐を利用してマレスのパンチを空転させ、被せの右をマレスの左頬にヒット。
必死に前に出るマレス。だがリング中央からサンタクルスを押し込むことができない。
コーナーでのもみ合い。マレスはここから連打を出したいところだが、逆にサンタクルスが肩で押し返す。そしてスペースが開いた瞬間身体を入れ替えて脱出。両者が中間距離で対峙したところでゴング。
マレス疲れた。
サンタクルスも疲れたが、マレスの疲労感ほどじゃない。
がんばれ両者。
底力を見せろマレス。
11R。
開始早々、細かいジャブをトリプルで出すサンタクルス。マレスの前進が鈍った分、スペースができたのだろう。
だが、ここからマレスが一気に前に出る!!
サンタクルスのジャブをかいくぐり、懐に飛び込む!
サンタクルスもカウンターで応戦するが、バックステップのスピードにやや陰りが見える。
もみ合いからマレスのオーバーハンドの右フックを強引に振り回す。圧力に負けたか、サンタクルスが後退する。
すげえ!! この局面での反撃か!!
力を振り絞って攻めるマレス。
サンタクルスは圧されて後退する。
リング中央で足を止めての打ち合い。ややサンタクルスが打ち勝つ。ここでゴング。
いや、すごいラウンドだった。ここでマレスが勝負を賭けてきた。
微妙なところだが、どちらかに振り分けるならマレスだろう。
コーナーで指示を聞くサンタクルス。さすがに疲れた表情を隠せない。
死闘だ。まさしく死闘だ。
12R。
リング中央で、足を止めて打ち合う両者。どちらも最後の力を振り絞る。スペースが空いた瞬間にサンタクルスの左がヒットする。的確さはやはりサンタクルス。
マレスも下がらない。身体を密着させて左右のパンチを振り回す。
サンタクルスの左右フックがヒット!! それでもマレスが打ち返す。
死闘だ。これぞデスマッチ。
細かいパンチの交錯。マレスが顔面を弾けさせながら前進。サンタクルスもさすがにカウンターを取ることができない。それでも後退しながらパンチを出す。
倒れ込むようにロープにもたれかかるサンタクルス。追うマレス。身体を入れ替えるサンタクルス。
再びリング中央。
至近距離で打ち合う両者。
盛り上がる観客。怒号のような大歓声。
打ち合う、打ち合う。
両者のパンチが当たる。両者の顔面が弾ける。
地鳴りのような大歓声。今日一番の盛り上がり。
打ち合う、打ち合う。
ここでゴング。
試合終了!!
決着は判定へ。
すごい試合だった。
一瞬たりとも目の離せない好ファイトだった。
ビッグマッチにふさわしい、どちらも死力を尽くした激戦だった。
だからボクシングはおもしろい。
スコアは117-111、117-111、114-114の2-0でサンタクルスの勝利!!
文句なし!!
文句なしでサンタクルスの勝利だ!!
って、ん?
2-0?
114-1114のドロー?
僕の見た限り、マレスに振り分けてもいいというラウンドは1、2Rと11、12R。あとは6Rくらいかと思ったが。このラウンドをすべてマレスに振り分けたとしてもドローにはならないと思うのだが。
まあいい。
その辺りは僕がどうこう言っても仕方のないことだ。
とにかくおもしろかった。
最高の試合だった。
豪快に予想を外しました。清々しいくらいに大恥です
とりあえず、今回の結果に関しては全力で謝罪したいと思う。
あまりに豪快に予想を外し過ぎて、逆に清々しい気持ちすら沸いてくる。そして自分の見る目のなさを改めて実感した次第である。
「両者ともに決め手を欠いて、退屈な試合になる」
僕は何を言っているのだ。
そして「マレスの判定勝ちを予想」。
これも見事に真逆の結果になった。情けなさを通り越して笑えてくる。
予想外だったのは、やはりマレスが接近戦を選択したことだ。
てっきり足を使っての出入り、左右のステップでサンタクルスを空転させる作戦でいくと思っていたのだが。まさか正面衝突で押し切る作戦に出るとは。
前回のフェザー級一戦目、ややパワー不足を露呈したサンタクルス。
マレスからしてみれば、足を使って打ち終わりのカウンターを狙うよりも接近戦の方が分があると踏んだのだろうか。サンタクルス相手なら、自分の回転力と突進力の方が上との判断だったということか。
確かに対峙した両者を見ると、胸の厚みなど身体のゴツさではマレスが勝っていたように感じた。身長が高いサンタクルスだが、どこかひ弱な印象は拭えなかった。
しかし、マレス自身も純粋なフェザー級ではなく下の階級から上がってきたボクサーだ。あの正面衝突を12R続ける作戦はちょっと無理があったのではないだろうか。
なおかつ、正面衝突の打ち合いで優位に立てなかった時点で、第二の作戦を用意していなかったのも痛い。恐らくこの試合に向けて接近戦の練習ばかりしてきたのだろう。もはや足を使うという選択肢は、存在すらなかったように思える。
もう少しサイドへステップしてアングルを変えるなどの工夫があってもよかったと思うが、そこら辺の柔軟性にも欠けていた。
作戦失敗とまでは言わないが、もう少し流れを変える余地はあったのではないだろうか。
サンタクルスに関して言うと、ここまでの対応力の高さは予想外であった。
あれだけの突進に落ち着いて対処し、よもやカウンターを取るほどの器用さを持ち合わせているとは思わなかった。しかもマレスの回転力にも打ち負けしない連打とボディワーク。何よりあれだけ激しい打ち合いの中でも失わない正確性。そして防御勘。
パンチの距離感は言うまでもないが、これだけの対応力を持っているとは思わなかった。
僕の中でのサンタクルスというボクサーは、「自分の得意な距離で打ち合えば強いがややパワー不足で決め手に欠ける」という評価であった。そのイメージ自体は大きく変わらないのだが、さらに危機回避能力に秀でた器用なボクサーであることがわかった試合であった。
今後、サンタクルスはどうするのだろうか。
保持するスーパーバンタムの王座を返上するらしいので、フェザー級でのさらなるビッグマッチを模索していくということだろうか。
確かリゴンドーとの試合を望んでいるという話を耳にしたが。個人的にリゴンドーは大嫌いなので、できれば無視して欲しいところなのだが。
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