ラグビー日本代表2025年(僕の適当)総括。バンド1の中でもフランスなら辛うじて可能性がある? 決定力不足の解消とキックの精度向上が最重要かな

ラグビー日本代表2025年(僕の適当)総括。バンド1の中でもフランスなら辛うじて可能性がある? 決定力不足の解消とキックの精度向上が最重要かな

12月3日に「ラグビーワールドカップ2027オーストラリア大会」の抽選がシドニーで行われ、日本はフランス、アメリカ、サモアと同組のプールEに入ることが決まった。
 
今季最終戦で勝利した日本は世界ランク12位となり第2グループの「バンド2」を死守。南アフリカやニュージーランドといった強豪国との同グループは避けられている。
 
だが目標とするベスト4に入るには1位通過が理想で、それには格上のフランス戦が重要になる。
 
 
そんな感じで今回はエディー・ジョーンズHCのコメントや2025年のテストマッチを観た上での感想をあれこれ言っていく。


 

組み合わせはぼちぼちいいんじゃない? バンド2を死守したのは大きかった

まず日本はぼちぼちの組に入ったと思う。
 
バンド1のチームは下記。
・南アフリカ
・ニュージーランド
・イングランド
・アイルランド
・フランス
・アルゼンチン
 
テストマッチを観る限り南アフリカは無理ゲー、ニュージーランド、イングランド、アイルランドも奇跡が起きない限りアップセットは難しい。
 
日本10-41アイルランド。今の日本がアイルランドに勝つならあれしかない。ラストの失速も本気でジャイアントキリングを狙いにいった結果だよね
 
その中で辛うじて可能性があるのがフランスとアルゼンチン。
どちらか選べと言われればアルゼンチンだが、フランス相手でもチャンスがないことはない。
 
本番は2年先&現状を完全に把握しているわけではないのでアレだが、先日ジョージアに勝ってランキング12位にとどまったのは改めて大きかった。
 

“超速ラグビー”がある程度形になりつつある。最初はどうなるかと思ったけど

ではここからはエディー・ジョーンズHCのコメントについて。
 
エディー体制の目玉? である“超速ラグビー”だが、下記の通り一定の手ごたえがあるとのこと。

「まず今年強化できたのがアタックの中で適応していくところ。1年目から超速ラグビーは体現できたが、20分しか持たなかった。しかし、今年は試合によって、違うスタイルに持ち込むことをできた」

これは確かにその通り。
1年目は「開始直後からフルスロットルで走り回る→敵陣でパスミス、キャッチミスが多発してチャンスを潰しまくる→前半の真ん中あたりでに足が止まる」パターンが目についた。
 
“超速”を重視するあまり
「しっかりボールを掴む」
「相手を見て投げる」
「まずはちゃんと当たる」
等の当たり前のプレーがおろそかになり、無駄に体力を消耗する悪循環。
 
それに対して僕は再三「”超速”はいいけどメリハリが必要」「80分間を全力で走りきるなど不可能」「燃費が悪い上にプレーが軽すぎる」と喚き散らしてきた。
 
これがエディーの言う「20分しか持たなかった」につながるわけだが、改善の兆しが見えたのが去年のラスト1試合(vsイングランド)。
 
超速ラグビーの現在地。イングランドとの2試合で何が変わったか。スタッツを見ると少しだけ希望が出る? エディー・ジョーンズのコメントも納得できるよね
 
それまでに比べてスタッツが改善、後半に入っても足が止まることもない。
点数こそ14-59とボロ負けだが、言われているほど悪くない。ようやく「“超速ラグビー”のスタートに立てた」と感じた次第である。
 

肝心の決定力が…。FWのオプションがあれば戦術の幅が広がりそうだけど

実際、2025年のテストマッチでは前半だけで使い切る、後半から防戦一方になる試合はなかったはず。
 
センターライン付近では基本プレーを忠実に、敵陣深くに攻め込んだところで“超速”を発動する。
先日のジョージア戦で申し上げた通り攻撃の形はある程度できつつあるのだろうと。
 
日本25-23ジョージア。ギリッギリ及第点かな。日本の方が攻撃の形ができてたけど外勝負は最悪手だったね。ジョージアは荒削りで狡猾さが足りない。でも伸び代は感じたよ
 
だが肝心の決定力が……。
10月から続いた強豪国との対戦ではオーストラリア戦、ウェールズ戦での2トライが最多。
足が止まることはなくなったが、勝負どころでポロポロしてチャンスを潰すパターンは相変わらずである。
 
 
何となくだが、今の日本にはFWのオプションが必要なのではないか。
 
“超速ラグビー”のフレーズからもわかるようにエディーの方針は極力コンタクトを減らすこと。
スピーディなパス回し、ラン勝負が基本になるわけだが、さすがにそればかりではワンパターンすぎる。
 
先日のジョージア戦でも「ここで縦突進すれば」と思うシーンは何度もあった。
フェーズを重ねた局面からの縦突破はバリエーションとして持っておきたい。
 

SH齋藤直人のキックが機能したのはめちゃくちゃ大きい。今後はここに注目ですね

またキックについてもエディーのコメント通り。

「現代ラグビーでは空中戦が1試合平均30回行われるようになった。キックしてから再獲得するダブルポゼッションが今の戦い方には重要。それはデータからも見て取れる」

「2027年の大会を考えると、ルール変更がない限り、かなりキックが重要視される大会になると思う。効果的なキックを蹴って、それを再獲得し、素早く攻めていくことがキーポイントになる」

「我々のクリーンキャッチの確率は30%、今後ディフェンスシステムを確立してその数字をもっと上げていかなければいけない」

去年から今年にかけて日本はこの部分が本当にダメで、もっとも顕著だったのがSHのキックの精度。
 
南アフリカなどはSH陣がギリギリ競れる位置に落とす、もしくは相手に取らせて着地の瞬間にタックルに入るプレーを得意とする。
おかげでハイパントで攻撃の起点を作る→スピーディな外展開で相手を疲弊させることが可能。
 
日本7-61南アフリカ。9トライを奪われ完敗。でも今回は仕方ない。南アフリカが強すぎた。これに勝てるチームが地球上に存在するの? ってくらい。実は日本も悪くなかったしね
 
日本もそれをやろうとしていたものの、肝心のキックの精度が低くなかなかうまくいかない。相手に渡してしまうケースが多発し自分で自分の首を絞めていた。
 
だが先日のジョージア戦ではSH齋藤直人のハイパントが機能し攻撃を継続できた。
決定力のなさは相変わらずだが、キックに関してはめちゃくちゃ前向き。これを続けていけばクリーンキャッチ率も上がっていくのではないか。
 

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ディフェンスは決定力が上がれば自然と向上する? 日本も前に進んでるけど上位国の進化が早すぎて…

ディフェンス面に関しても、決定力が上がれば自然と向上するのでは? と思っている。

「ディフェンスも強化していきたい。選手たちはどの国に対してもディフェンスできるという手応えと自信を感じていると思う」

バラバラだった去年に比べて組織力は上がっている(と思う)し、今は攻撃に力を使いすぎてそっちに手が回らない状態。
ここを解消できればチーム全体が一気に上向くのではないか。
 
南アフリカを止めるのは難しいとしてもフランス相手なら何とかなる気がする(バンド1の他チームに比べれば)。
 
日本vsオーストラリア、15-19で惜敗。オーストラリアはそこまで強くはなかったけど日本は一定の成果は得られたのでは? 去年のイングランド戦で「“超速ラグビー”に少し希望が見えた」って言ったけど
 
先日も申し上げた通り日本は少しずつだが進歩はしている。
エディー続投が決まった際に「最初は絶対苦労する」「このやり方は時間がかかる」と喚き散らしたが、2年弱でぼちぼちのところまできた印象。
 
だが、上位チームの進化が早すぎて戦力差自体は広がっている。
南アフリカ戦などは「これは無理、さっさと次に行こう」と思ったほど。
 
その中で辛うじて可能性があるのがフランスとアルゼンチン。
エディーの言う通り“超速ラグビー”の完成度(決定力不足の解消)とキックの精度向上が最重要課題と言えそうである。
 

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