クマンドーイ応援でRISE現地観戦。YURAの強さに戦慄。野性的な宇佐美秀メイソン。会心の勝利で希望を見せた那須川龍心。直後にトリンダーデに絶望する【RISE ELDORADO2025感想】

クマンドーイ応援でRISE現地観戦。YURAの強さに戦慄。野性的な宇佐美秀メイソン。会心の勝利で希望を見せた那須川龍心。直後にトリンダーデに絶望する【RISE ELDORADO2025感想】

2025年3月29日に東京・両国国技館で開催された「RISE ELDORADO 2025」を現地観戦してきた。


お目当ては第10試合の那須川龍心vsクマンドーイ・ペッティンディーアカデミー戦
 
結果は計3度のダウンを奪った龍心が2R2分38秒KO勝利。
不利予想が多かった相手に龍心がアップセットを起こしたわけだが。
 
実を言うと僕はクマンドーイを応援しており、この結果はかなり残念だった笑
龍心のKO勝利には「うおおおお!!」となったものの、同時にクマンドーイの敗戦に「ああ……」と。
 
というわけで今回は那須川龍心vsクマンドーイ戦のほか、印象に残った試合の感想を。
観戦後の熱が冷めないうちにあれこれ言っていく。
 
 
なおこの日の客入りはパッと見7割弱くらい。
座席の4分の1が閉鎖されていたので総観客数は6000人前後だろうか。
 
2024年末の横浜武道館(キャパ4000人超?)で開催されたKockOutがほぼ満員だったので、現状キックの大イベントは5000人あたりが目安なのかもしれない。
 
中島玲、渡部太基、森岡悠樹、壱・センチャイジムみんなすげえ。KNOCK OUTすげえ。キックすげえ。斜陽なんて嘘だろ? 熱狂しかあれへん
 

○YURAvs山口裕人×(1R1分53秒KO)

まずは第2試合のオープンフィンガーマッチ、YURAvs山口裕人戦である。
 
山口裕人については2023年11月のFIGHT CLUBで西谷大成にTKO負けを喫した試合を観たことがある。
 
朝倉未来vsYA-MAN感想。試合後のゴタゴタがアレすぎる件。インパクトのデカさに本人のキャラが追いついてない。これなら予定調和の3Rドローでよかったろ
 
その試合を含めて近年はダメージが溜まっており、今回も相当厳しいのでは? と言われていたとか。
一方のYURAはどこかで名前を見たっけ? 程度。
実はBDの出身で「ユラ」ではなく「ユーラ」と読むことも初めて知った。
 
要するに予備知識ほぼゼロでの観戦である。
 
 
感想としては、YURAがめちゃくちゃ強い
 
槍のような左ジャブが最短距離を通過し山口の顔を跳ね上げる。
開始早々このジャブでダウンを奪うと、その後も山口を寄せ付けることなく最後はワンツーでKO。
 
ゴング直前に自コーナーで何気なく出したジャブが凄まじいキレで「あ、こりゃヤベえぞ」となったのだが、その通りの強さ。
1発の正確性、スピードが山口とは段違いで観ていて背筋が寒くなるほどだった。
 
山口裕人はダメージの蓄積で打たれ弱くなっているという話だが、正直そこは関係ないのでは? と思うくらいの実力差だった気がする。
 
 
笑いながら何かしゃべっとるやんけw

 
YURAもつられて笑っちゃってるしw

 
僕はBD出身の人間がちょくちょく見せる格闘家としてのプライド(笑)が大嫌いなのだが、それはそれとして。
この選手のファイトは文句なしにすごかった。


なおここから先、RISEのオープンフィンガーマッチに広がりがあるのかは知らん。
 


 

○宇佐美秀メイソンvsジェラルド・ヴィーラーデ×(2R1分41秒KO)

YURAvs山口戦の余韻が残ったままスタートしたこの試合。
こちらは宇佐美秀メイソンのわかりやすい強さに「おお!! すげえ」となった次第である。
 
宇佐美秀メイソンはMMAファイターの宇佐美正パトリックの弟だが、パンチ主体でゴツゴツした兄とは真逆の野性的な動きが特徴。
リングの半分からでも届きそうな蹴りやパンチ、見切り中心の上体反らしと全身を目いっぱい使ったファイトが目を引く。
 


 
しかもキックを始めたのは2022年12月とのこと。
そこから約2年でRISEの王者になっていることを考えると相当な才能の持ち主なのだろうと。
 
確かに全身がバネのようなファイトは若い頃の大雅やKnockOutの栗秋祥梧等、才能とセンスを全面に出して戦う選手を彷彿とさせる。
今は怖いもの知らずの勢いで相手をなぎ倒している段階だと思うが、この勢いがどこまで続くか。
 
倉本一真、大沢文也が参戦。KNOCK OUT-UNLIMITEDとかいう謎ルール。ストライカー寄りのMMAファイター、組みのできる立ち技選手に適正?
 
セコンドに武尊おったわ。

インターバルのときにやたらとダボっとしたヤツが出てくるなと思っていたが、アレが武尊だったわけね笑
 
なるほど。
宇佐美秀メイソンは武尊のチームなのか。
 

○那須川龍心vsクマンドーイ・ペッティンディーアカデミー×(2R2分38秒KO)

そしてお待ちかね、第10試合の那須川龍心vsクマンドーイ戦である。
 
まず僕はこの試合を目当てに現地観戦を決めたと申し上げたが、実は直前まで迷っていたことを告白する。
で、たまたま下記の動画を見つけて「よし、行くか」と。

プロレスリング・ノアの拳王とのコラボ。
もともとプロレス好きなのもあって楽しく視聴した次第である。
 
と言いつつ、この動画を観たあとでも応援するのは断然クマンドーイですが笑
 
 
那須川龍心の入場。

天心とそっくりでござる。
 
 
開始直後に思ったのが、龍心が強い
 
いきなりダイナミックな回し蹴りを見せたクマンドーイだったがそこからなかなか攻撃が当たらない。
龍心の見切り、ダッキングやウィービングでギリギリかわされる。
 
逆に龍心の攻撃はそのつどクマンドーイの顔面を捉える。
踏み込みの鋭さ、思い切りのよさのせいか、クマンドーイが押し込まれてロープを背負うシーンが目立つ。
 
おいおい、何だよこれは。
クマンドーイ優位って話だったじゃねえか笑
 
龍心クッソつええぞ
どうなってやがんだ。
 
実際、クマンドーイの動きは相当よかったと思う。
攻防のつなぎもスピーディで身体の力強さも感じる。
 
ただ、それ以上に龍心がヤバい。
意味不明なスピードのフックに加えて相打ちを恐れない度胸、打たれても怯まず出続ける気迫。
マジでこの試合に賭けてリングに上がったのだろうと。
 


 
2度目のダウンを奪った後はクマンドーイにだいぶ打ち返されていたが、龍心に休む気配はいっさいない。
 
そしてついに。
クマンドーイをコーナーに追い詰めラッシュ→ガックリと膝をつかせたところで勝負あり。

 
場内もこの日一番の盛り上がり。
僕も龍心の会心の勝利に感動するとともにクマンドーイが踏み台にされたことに「うわあ……」となった。


すげえなしかし。
 
那須川龍心は現在18歳。
RISEの選手やファンによるとすでに同時期の天心を超えているとか。
確かに天心がKOできなかったクマンドーイを「適正階級で」ぶっ倒した実績は文句のつけようがない。
時期を見て階級アップすると思うが、もしかしたら近い将来-55kgで最強になれるのでは? と。
 
それだけに田丸辰のMMA転向(?)は残念である。


まあ、MMAファンとしては楽しみなんですが笑
 

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○ミゲール・トリンダーデvsYA-MAN×(3R43秒KO)

ラストはメインイベントのミゲール・トリンダーデvsYA-MAN戦(オープンフィンガーマッチ)。
第2試合でYURAがYA-MANの名前を出したこともあり、僕の中で注目度が爆上がりした試合である。
 
下馬評ではYA-MAN絶対不利、トリンダーデが強すぎて相手にならないと言われていたが、僕の中では「もしかしたら」という思いもあった。
 
OFGは普通のキックよりも距離が近くなおかつYA-MANは近場の打ち合いが得意。キックよりも離れた間合いで戦うMMAでもちゃんと中で勝負できている。
 
そう考えるとトリンダーデが慣れる前に中に入ればチャンスがあるのではないか。
というか、本人もそこしか狙っていないと想像する。
 
そんな感じでYA-MANの(序盤の)爆発を期待しつつ開始のゴングを聞いたわけだが……。
 
甘かった。
全っ然甘かったっす。
 
 
試合が始まってすぐに思ったのが、トリンダーデが長い
 
両腕を前に掲げた構え、そこから飛んでくるハイキック、パンチ、などなど。射程とスピードがYA-MANとは段違い。
出だしこそやや戸惑いもあったがすぐに間合いの設定? を完了。遠間からガシガシ削っていく流れに。
 
さらに時間が経つにつれて左フックのタイミングが合い始め、このパンチが再三YA-MANを捉える。
YA-MANが入ってくる瞬間、モーションに入った瞬間に後ろ重心のままスパッと打ち込む左フックが精度、威力ともに凄まじい。
 


 
気づくとYA-MANは顔面がボコボコ、口も半開き状態に。
恐らくこの1発で唇? 口の中? が切れたのだと思うが、冗談抜きで「格下をフルボッコ」という表現がピッタリの試合だった。

 
可能性があったとすれば3Rに右をぶち込んだところか。
あそこでもう一歩前に出れば何かを起こせたかもしれないが、それをやったことでKOが早まったとも言える。
 
行かなければ地獄だが、行ったら行ったでもっと酷い地獄が待っている。
YA-MANががんばればがんばるほどトリンダーデのヤバさが際立つ絶望感である。
 
「“キックボクサー”YA-MANは実はそこまでではない」
「RISEの中では“中の上”くらいでトップを争うほどの実力者とは言えない」
という話は僕も聞いていたが、それを踏まえた上で。
 
いわゆる世界のトップはこんなヤツらばかりなのかと。
原口健飛や白鳥大珠はコイツらに勝たないと“世界一”を名乗れないのかと。
 
那須川龍心に希望を見せてもらった直後に現実を見せられたことをお伝えする。

「MMAファイターとしてはいい選手なのかもしれないが、キックボクサーとしてはまだまだだと思っている」

「プランはただ叩きのめすだけ。やるのみだった」

「左フックでダウンが取れるなと試合中に思ったので左で取った。特に狙いがあったわけではなく、その場で直感的に出したんだ」

「【RISE】YA-MANをKOしたトリンダーデ、左フックは「直感的に出した」YA-MANのタフさには「別に驚きはなかったね」」
 
アカン。
完全に舐められとる。
 
「MMAファイターとしてはいい選手だけどキックボクサーとしてはまだまだ」
「プランは叩きのめすだけ」
「左フックは直感的に出した」
本人に悪気がないのが余計にタチが悪い……。
 
原口健飛、チャド・コリンズがトリンダーデに1RKO負け。そのトリンダーデがペッチに惜敗。意味不明&尋常じゃない絶望感のRISE-65kgトーナメント
 
メリットの少ない試合を引き受けてくれたトリンダーデには感謝しかないが、頂上の高さを見せつけられたという意味ではとんでもない絶望感である。
と同時に心折れずにコイツらとの再戦を望む日本人選手は改めて尊敬する。
 

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