大谷翔平8勝目&40号。これで100K&100投球回&100安打以上のトリプル100も達成。いや、でも今日は完投させなきゃダメな日だったよ…
2021年8月18日(日本時間19日)、米・大リーグLAエンゼルスの大谷翔平が敵地コメリカ・パークでデトロイト・タイガース戦に1番・投手で先発出場。8回90球を投げて6安打1失点の好投で今季8勝目を挙げた。
また打者としては8回の4打席目で両リーグ最速となる40号ソロを放ち、本塁打王争いで2位につけるブルージェイズのゲレーロJr.との差を5本としている。
なお下記の記事によると、今シーズンの大谷はこの日8回を投げたことで投球回が100に到達し、奪三振数120、安打数110と合わせて「トリプル100」を達成したとのこと。
【MLB】大谷翔平、独走40号直後に「トリプル100」達成 100K&100投球回&100安打以上#ShoTime #mlbjphttps://t.co/mfSC9dtOi8
— Full-Count(フルカウント) (@Fullcountc2) August 19, 2021
二刀流大谷翔平、MVPは間違いなさそうですね。議論の必要すら感じないほどに
二刀流の大谷翔平が相変わらずすごい。
この日放った40号ホームランにより、左打者としてはレジー・ジャクソンを抜いてエンゼルス史上最多本塁打数とを更新したとのこと。
大谷翔平40号 レジー・ジャクソン抜きエンゼルス左打者最多本塁打 #mlbjp #MLB #エンゼルス #大谷翔平 #レジー・ジャクソンhttps://t.co/wPnIVw5MtX
— 日刊スポーツ (@nikkansports) August 19, 2021
また40本塁打到達は球団4人目+球団史上最速記録となり、122試合での40本塁打、18盗塁はマリナーズのケン・グリフィーJr.が1998年にマークした117試合での40本、15盗塁に次ぐ史上2番目のスピード記録でもあるらしい。
諸々の活躍を加味した上で今シーズンの大谷はMVP受賞が確実と言われており、僕もその意見には大賛成である。
歴代日本人未踏どころか球団記録を楽々と更新しているのだからこれは当然の話。あとはどこまで記録を伸ばすかだけ。
そもそもレジー・ジャクソンなど教科書に載るレベルのレジェンドだし、トラウトやプホルスといった名選手とも肩を並べつつあるのだから文句をつける余地はどこにもない。
4⃣0⃣ FOR SHOHEI OHTANI. pic.twitter.com/pADVlnTLMO
— MLB (@MLB) August 19, 2021
しかも一方でエース級の成績を残しながらそれをやっていることを考えれば議論の必要すらない。
日本人だからとか、応援しているからとかではなく。今シーズンの大谷翔平はそういう次元を完全に超越している。
投手大谷の洗練っぷりに改めて驚く。ダルビッシュが6年かかった道のりを3年で
そして、僕が特に注目しているのが“投手大谷”の方。
7回を投げて5安打2失点で今シーズン4勝目を挙げたのが現地時間7月6日。
その際に「投手大谷が洗練されすぎていてビビった」と申し上げているのだが、それ以降の登板では6回無失点、7回1失点、6回1失点、6回2失点と安定した投球が続いている。
投手大谷翔平の洗練されっぷりに驚いた。打者大谷翔平はよーわからん。コイツのせいで野球のルールを変えなアカン? やっぱりモノが違うってあるんやね
で、この日は8回を投げて6安打8奪三振無四球1失点。球数も90球ということで、いかに効率よくアウトを重ねたかがわかる内容である。
マジな話、投手大谷の成長っぷり、洗練されっぷりには心底驚かされる。
前回申し上げたようにスライダーを高速化してスラッター化したこと、適度な抜き方を覚えて制球が安定したことが主な要因だと思っているが、この短期間にここまで成長するとは正直思わなかった。
少なくとも今シーズンの初めは「投げてる球はすごいけど再現性が低くて安定感がない」「投げてみなきゃわからない」ピッチングだったことは確か。
僕も「いつまでタッチの上杉達也みたいなピッチングを続けるつもりだよ」と思ったし、あまりの脳筋っぷりに大谷への興味が若干薄れ始めていたところ。
大谷翔平はいつまでタッチの上杉達也みたいなピッチングを続けるんだろうな。
トミージョン手術のせいで経験値がリセットされた感もあるし。
現状、藤浪晋太郎の方が完成度は上ですからね。
「マンガの世界!」「無限の可能性」とか言われたままピークアウトしちゃうパティーンまであるぞこれ。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) April 22, 2021
だが、そこからわずか1ヶ月弱であっという間に“MLBの主戦級投手”レベルまで成長してしまうのだから、この人の器用さ、勤勉さは計り知れない。
ダルビッシュ有が6年かかった道のりを(打者と両立しながら)3年でクリアしたと考えれば、いかに大谷翔平が異次元かが伝わるのではないか。
誇張でも何でもなく今シーズンの大谷の躍動はスポーツ界全体の歴史に残るものだし、今後100年語り継がれる可能性もあると思う。
この日はスプリットがよかったよね。最近はスライダーの高速化に伴ってスプリットの精度が落ちてたけど
中でもよかったのがスプリットの精度。
この日の投球配分は
ストレート:40%
スライダー:31%
スプリット:16%
カッター(スラッター):10%
カーブ:3%
となっており、スプリットの割合は前回の10%から大幅に増加している。
ここ最近の大谷はスプリットの精度がガクッと落ちていて、左打者の外側で空振りを取るパターンが使えず苦労するシーンが目についていた。
スライダーの精度が上がって対右打者の安定感、安心感が飛躍的に向上したが、逆に対左打者でのモタモタが目立っていたというか。
恐らくスライダーを高速化したことでフォームが横振りになり、縦変化がうまく投げられなくなったのだと想像するが、当面の課題はスライダーを高速化させたままいかにスプリットの精度を戻すかだと思っていたところ。
ところがこの日はスプリット、スライダーともに安定しており、おかげで8個の三振を奪いながらも8回90球という省エネピッチングを実現してみせた。
スラッターとスプリットという逆方向に沈む2種類の球を両立することで省エネ+効率的なピッチングが可能になる。
長いシーズンでいかに安定した成績を残すかを追求すると、どんな投手も最終的にはここに行き着くことになるのだろうと。
Shohei Ohtani ALSO struck out 8 and lowered his ERA to 2.79. ? pic.twitter.com/b7hbMhwnNb
— MLB (@MLB) August 19, 2021
ちなみに6回裏2アウトからミゲル・カブレラを3球三振で打ち取った場面がこの日のベストピッチでしたね。
85マイルのスライダー、98マイルの内側ストレートの2球でファールを打たせて追い込み、最後は外側に鋭く落ちる89マイルのスプリットで空振り三振。
Shohei is dialed in. pic.twitter.com/hs9UTsOzXm
— MLB (@MLB) August 19, 2021
マイクから雄叫びが聞こえるほどの全力投球は凄まじい躍動感だった。
でも、今日は完投させなきゃダメな日だったよ。野球がエンタメであるなら。エンゼルスの見どころは大谷しかないんだから
とは言え、この日は完投させなくてはならない試合だったと思う。
申し上げたように今回の大谷は8回を投げて90球。
6回以降はかなり力を入れて腕を振っていた印象で、試合後のインタビューでも「どこまで投げるかわからない状況で投げていた」とコメントしている。
【#大谷と一問一答】「最後は全部三振を取るつもりだった」 節目の40号には「あまり気負うことなく」― #スポニチ Sponichi Annex 野球 https://t.co/Orsoae5yXB
— スポニチ記者ツイート 野球 (@sponichiyakyuu) August 19, 2021
8回を投げたところで結構ギリギリだったことも確かで、仮に最終回にマウンドに上がってもすんなり終われていたかはわからない。
だが、そこは投げさせておけよという話。
もちろん明日以降も野手としての出場が待っているわけで、疲労の蓄積を避けるためにもあの降板は正しかったのかもしれない。
それでも野球がエンターテイメントであることを考えれば迷いなく行くべきだった(と思う)。
エンゼルスは現在61勝61敗でア・リーグ西地区4位でプレーオフの可能性も薄れつつある状況。
孤軍奮闘する大谷こそが唯一の見どころと言っても過言ではなく、観客の関心をつなぎとめるには大谷を全面に出すしかない。
42 世界を変えた男感想。困難に立ち向かう俺は1人じゃない。自分が変われば周りが変わる。大谷翔平の二刀流とそっくりじゃねえか
しかも9回には500号に大手をかけたタイガースのミゲル・カブレラに打席が回る。
メジャー初完投のかかった大谷と500号本塁打に大手をかけたカブレラの最終回の対決。
タイガースも58勝64敗でア・リーグ中地区3位と低迷中で、この対決こそが唯一最大の見せ場とも言える。
大谷が「完投するにはここしかない」くらいの好投を見せていた分、あの交代はちょっとガッカリだった。
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