コバレフvsヤードは難しいですね。コバレフが圧勝しそうな気もするしヤードがふっ飛ばしそうな気もする。がんがれ僕のコバレフ【予想・展望】

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2019年8月24日(日本時間25日)、ロシア・チェリャビンスクで行われるWBO世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級王者セルゲイ・コバレフがランキング1位アンソニー・ヤードと対戦する。
 
「これが僕のコバレフ! ヤードに苦戦しつつも11RKO勝利で初防衛に成功。もうカッチョいい。最高にカッチョいいww」
 
2019年2月にエレイデル・アルバレスとの再戦を制し、WBO王座奪還に成功したコバレフ。今回は防衛戦の相手がなかなか決まらず一時期ミドル級王者カネロとの対戦交渉が報道されたりもしていた。だが粘り強い交渉の末、当初の予定通り18戦全勝17KOの倒し屋アンソニー・ヤードとの対戦が決まったとのこと。
 
 
かつて4団体統一まであと一歩のところまで迫ったコバレフだが、2016年11月にアンドレ・ウォードに敗れてトップ戦線から脱落。今回難敵ヤードに勝利し、再び最終目標に向けての歩みを進められるかに注目が集まる。
 
「ロマチェンコvsキャンベル予想。がんばれキャンベル。ちょこ~っとだけ期待してる。根拠はない」
 

アンソニー・ヤードやっばいな。今回こそコバレフのラストマッチの可能性も…?

L・ヘビー級の新旧剛腕対決が迫っている。
セルゲイ・コバレフvsアンソニー・ヤード。
 
一時期カネロvsコバレフ戦の交渉が行われるなど、正式発表までに二転三転した今回の一戦。
 
キャリアの大詰めでビッグファイトを望むコバレフと、ミドル級で目ぼしいライバルが見当たらないカネロ。お互いに利害が一致した階級差マッチということで、それなりに実現性があるとも言われていたとか。
 
ただ、最終的にコバレフはアンソニー・ヤードとの防衛戦を選択したとのこと。いきさつがよくわかっていないのだが、個人的には「まあ、そうだよな」という感じか。
 
「村田諒太はGGGかカネロ? いやいや、ブラントVol.3→返上→アンドラーデにしとけって。WBO王座があれば振り向いてくれるんじゃない?」
 
そして、僕は例によってアンソニー・ヤードという選手をまったく知らず
 
慌てて過去の試合を眺めてみたところ、ほほう……、これはなかなか……。
「L・ヘビー級の世代交代に一戦か?」と言われるだけあって、コバレフにとってはかなり危険な相手だなと。
 
以前から申し上げているように僕はセルゲイ・コバレフのファンである。なので、今回も当然コバレフ応援なのだが、これはちょっとヤバいかもしれない。
もしかしたら、今度こそコバレフのラストマッチになる可能性すらも? という程度には。
 
などなど。
アンソニー・ヤードの馬力にクソほどビビっている次第である。
 

ヤードは剛腕ファイターに見えるけど、実は見切りのいいカウンター使い

とりあえずアンソニー・ヤードの試合をいくつか観た印象だが、勝手なイメージとしては強化版ジャン・パスカル
 
ガードはやや低めでスタンスは広い。
基本的なスタイルは目のよさとスピードを活かしたカウンター使い。鞭のような左と破壊力で踏み込みを躊躇させ、シャープな右をぶち当てる流れを得意とする。
 
バックステップからリターンまでの動きもスムーズで、鋭い踏み込みに対応できるスピードもある。
また、パスカルほど激しい出入りを繰り返すわけでもなく、ステップは必要最小限。足場を決めて腕を振る分、1発のパンチ力はパスカルをはるかにしのぐ。
 
「再戦だろうなパスカルvsブラウン。引退撤回のジャン・パスカルが8年ぶり王座戴冠。前に出る勇気」
 
全盛期のパスカルにパンチ力とフィジカルをプラスし、前後の動きをやや引いた感じ。一見すると筋骨隆々のパワフルなファイターに思えるが、実は見切りとスピードで勝負するカウンター使いと言えるのではないか。
 

コバレフは前半爆発型。中間距離での絶対的な強さと中盤以降の脆さが同居する

対する王者コバレフについて。
 
中間距離での爆発力で数々の強敵をねじ伏せてきたコバレフだが、基本的には遠い位置から襲いかかるスタイルを得意とする。
 
間合いの外から大きく踏み込み、火力抜群の剛腕をぶん回す。
ガードの間からピンポイントで左をねじ込む緻密さも持ち合わせ、相手が怯んだところに“クラッシャー”の異名をとる殺傷力抜群の右を叩き込む。特に序盤の爆発力に関しては凄まじいものがある。
 
「アントニオ・オロスコvsバージル・オルティス、勅使河原弘晶vs大森将平感想。どちらもいい試合で大満足」
 
そして、この選手が苦手とするのが上半身の柔軟性を活かしたクネクネカウンター使い。
 
・2014年11月のバーナード・ホプキンス
・2016年7月のアイザック・チレンベ
・2016年11月/2017年6月のアンドレ・ウォード
 
間合いの外から飛び込む分復元力が若干低く、打ち終わりに顔面を無防備に晒す瞬間が目立つ。ホプキンスやチレンベにはそこを狙われ、自慢の攻撃力が大きく半減。また、2016年のアンドレ・ウォード戦ではそこからもう一歩踏み込まれ、執拗なボディ打ちによってインファイトでの脆さを露呈させられている。
 
そして、2018年8月のエレイデル・アルバレスVol.1では
・中盤からガクッと動きが落ちる
・ボディへの過剰な苦手意識
・インファイトの脆さ
という弱点をアルバレスにモロに突かれ、7Rに壮絶な逆転KO負けを喫してしまった。
 
 
クネクネカウンター使いに打ち終わりを狙われ、懐でボディを打たれる。その結果、中盤から後半にかけてスタミナ面とボディ打ちへの不安が噴出する。
中間距離では比類なき強さを発揮する反面、一度崩れると一気にガタガタになる脆さがコバレフという選手の特徴である。
 

コバレフが先に手を出してヤードがカウンターを狙う流れかな。アルバレス戦のアウトボクシングを再現できるか


とまあ、ここまで振り返った上で試合展開を想像してみるわけだが。
 
全体的な流れとしては、恐らくコバレフが先に手を出し、そこにヤードがカウンターを合わせる流れになるのかなと思う。
2015/2016年のパスカルvsコバレフ戦もだいたいそんな感じだったが、今回はあの試合よりもさらに拮抗すると予想している。
 
パスカルはカウンターの威力でコバレフの圧力を止めきれなかったが、ヤードのパンチ力、精度はパスカルをはるかに上回る。また、コバレフはパスカルの激しい出入りにバックステップ+リターンで対応したが、果たして今のコバレフにあれだけのアジリティが残っているか。
 
パスカルはコバレフの火力を警戒し過ぎて最後まで近場での勝負を避けたが、ヤードの身体の強さがあればそれも可能か?
 
何となくだが、両者が自分の得意分野でどれだけ優位性を確保できるかが勝負の分かれ目になりそうな気がする。両者の現在地というか、ヤードの対応力とコバレフのコンディションによってどちらにも振れる試合になるのではないか。
 
 
しかもアレか。
コバレフは前回のエレイデル・アルバレスVol.2で見事なアウトボクシングを展開している。
極力危険地帯に立ち入らず、遠い位置から軽いパンチを当て続けてのポイントアウト。カウンターが得意なヤード相手にあの試合を再現できるとは思えないが、少なくともコバレフが新境地を見せたことは確かだと思う。
 
「俺のコバレフが勝ったどー!! アルバレスの圧力を抑え込んで王座返り咲き。慎重な破壊神ってのもいいじゃないですかw」
 

勝敗予想はコバレフの判定勝利。拮抗するとは思うが、コバレフの経験値が上回ると予想(希望)

今回の勝敗予想だが、希望を込めてコバレフの判定勝利でいきたい。
 
左で距離を調整し、どこかで右ストレートを当てたいヤード。
それに対し、コバレフは遠い位置から細かいパンチを当て続けてヤードにカウンターの機会を与えない展開に持ち込みたい。
 
表題の通りなのだが、今回はかなり拮抗するのではないか。コバレフが圧勝しそうな気もするし、ヤードが中盤あたりでコバレフをKOしそうな気もする。もしかしたら、お互いがお互いを警戒して手が出なくなる退屈な試合というパティーンすらも……。
 
「井上尚弥vsドネア予想。ドネアはぶん回しの1発を当てるしかなさそうだけど…。開催地なんて日本以外ないのに何やってたんだろな」
 
そして、両者の実績や対戦相手のレベルを踏まえた上で、コバレフの経験値がヤードを超えると予想(希望)しておく。
 
まあ、僕はやっぱりセルゲイ・コバレフが好きなんでね。
コバレフにとってヤードは決して得意なタイプとは言えないと思うが、そこはベテランの老獪さをだな……。
 
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