「お伝えしたいことがあります」

屋号名義で銀行口座を申請したところ「審査結果が出るまで一週間ほどかかります」とのことだった。
おお、なるほど。そのくらい審査期間があるのか。
「審査」。
うん、緊張感が高まる言葉である。誰かに自分の価値を査定してもらうという行為はやはりストレスが尋常じゃない。ノミの心臓には定評のある自分には耐えがたい。
そして、こんな緊張感が向こう一週間も続くのか。果たして耐えきれるのだろうか。精神崩壊しないだろうか。そんなしょうもないことを考えながら家路に着いた次第である。
次の日。
ふと携帯に着信があることに気づく。
見慣れない番号からの着信である。そして留守電。
「お世話になっております。三井住友銀行○○支点の××でございます。佐藤様の携帯電話でよろしかったでしょうか。お伝えしたいことがありますので、また後日こちらからご連絡させていただきます。では失礼します」
え?
何?
何よ「お伝えしたいこと」って?
確か審査までは一週間だよね。
昨日の今日だよね。
何があった?
もう結論が出たってことなのか。そしてこんなに早く結論が出るってことはよくない知らせなのか。
何だ何だ。
何かの失態を犯したのか。それとも過去の悪事が白日の下に晒されたのか。ってか悪事って何だ?
手が震える。
携帯を握った手が汗でびっしょりだった。
試しにここ数年の自分の行動を思い返してみる。
無理。
わからない。まったくわけがわからない。
いったい何の用件だというのだ。
時計を見る。すでに18:30。
とっくに銀行の営業時間は過ぎている。
しかも明日は土曜日。次に電話ができるのは月曜日。
地獄の週末の到来。
ああぁぁ!!!
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