比嘉大吾の魂を震わせるファイト。記憶に残るという意味では坂本博之を超えた。3度目の正直が叶わなかったら引退も仕方ない。アントニオ・バルガスが12Rにダウンを奪い返してドロー防衛【結果・感想】

比嘉大吾の魂を震わせるファイト。記憶に残るという意味では坂本博之を超えた。3度目の正直が叶わなかったら引退も仕方ない。アントニオ・バルガスが12Rにダウンを奪い返してドロー防衛【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2025年7月30日に神奈川県・横浜BUNTAIで開催された「U-NEXT BOXING.3」。
先日メインイベントのWBA/WBC世界フライ級タイトルマッチ、寺地拳四朗vsリカルド・サンドバル戦の感想を申し上げたが、今回はセミファイナルについて。
 
寺地拳四朗vsリカルド・サンドバル。拳四朗はL・フライ級時代の“デカくて動ける人”仕様のファイトが通用しなくなってる。ジャブにカウンターを合わせられるし足も動かない、研究もされた。いろいろなものが一気に“きた”よね
 
WBA世界バンタム級タイトルマッチ、王者アントニオ・バルガスに比嘉大吾が挑戦、バルガスが0-0(113-113、113-113、113-113)のドローで初防衛を果たした試合である。


3戦連続で世界戦のチャンスを得た比嘉大吾だが、またしても王座戴冠はならず。
試合後の会見で現役引退を表明している。


 

“バンタム級の”比嘉大吾には興味がなかったけど2023年末の試合を観て「お?」と思った

僕はもともと“バンタム級の”比嘉大吾には興味がわかなかったのだが、それが変わったのが2023年大みそか。ナワポン・カイカンハに4RKO勝利した試合を観て「あれ? ちょっとコツを掴んだか?」となった。
 
堤駿斗vsベンチャーラ、比嘉大吾vsナワポン。力強さが増した堤、バンタム級でのコツを掴んだ比嘉どっちもよかった。比嘉は世界戦のチャンスありますかね?
 
以前の比嘉はフライ級時代のファイトをそのままやろうとして苦労していた印象。
 
ガツガツ圧力をかけて近場で連打を浴びせる→嫌倒れさせるのが当時の勝ちパターンだったが、相手が自分よりも大きいバンタム級ではそれが通用しない。
フィジカル不足を補うために力みまくり、逆にグダグダになる試合が続いていた。
 
だが、上記のナワポン戦ではいい感じに力が抜けて出入りと強弱で翻弄するファイトができていた。
危険地帯に留まる時間を短く、スピードと連打でかき回しつつ得意の左フックを当てる。バンタム級における最適解にたどり着いた感じである。
 
この試合以降、“バンタム級の”比嘉大吾に興味が出たことをお伝えする。
 

比嘉よりも一回り大きく身体も強そうなアントニオ・バルガス

王者アントニオ・バルガスのことは事前に調べていなかったのだが、漠然と身体が強そうだな(小並感)と思っていた。
 
会見やフェイスオフを観ても比嘉よりも一回り大きく腕も長い。


またSNS等でも「バルガスはいい選手」という声が聞こえた。
 
展望としては、比嘉の出入りと回転力がどこまで機能するか、その前にバルガスが捕まえるかの勝負。バンタム級仕様の比嘉大吾が通用するかが見どころかなぁと。
 

いつも通りの比嘉大吾。最終ラウンドのダウンはもったいなかった…

本番もそんな感じで、いわゆる“いつも通りの”比嘉大吾の試合運びが続く。
 
出入りと回転力は比嘉の方がやや上。
身体の強さ、1発の威力はバルガスが上回る。
 
バルガスの左を被弾しながら前に出る比嘉。
近場で連打勝負に持ち込むが、バルガスもそこで打ち負けることはない。
 
あくまで比嘉の方が“やや上”なだけではっきりと優劣がつくわけでもなく。
局面によっては押し返されるシーンも見られる。
 
なるほど、この辺はやはり世界王者。
武居由樹や堤聖也ほど動き回るスタイルではなく基本は中間距離の選手だが、比嘉が打ち倒してきたソンセン ポーヤム、シリチャイ・タイイェン、ナワポン・カイカンハに比べれば一段も二段も上である(当たり前だけど)。
 
比嘉大吾vsソンセン・ポーヤム。比嘉は自分の間合いで勝負できればバンタム級でもやれる。陣営の相手選びがめちゃ重要。比嘉大吾vs栗原慶太とか観たいけどね
 
僕のフワッとした採点でも終盤まではわずかに比嘉のリード。
改めて最終ラウンドのダウンがもったいなかった。
 

比嘉はやっぱりバンタム級の選手じゃないよね。フィジカル不足がちょいちょい見える

こんなことを言うとアレだが、やはり比嘉大吾はバンタム級の選手ではないのだと思う。
 
確かにコツを掴んで以降はパフォーマンスがよくなったし、連打で嫌倒れさせるファイトから脱却→フックで刈り取るファイトにたどり着くまでには相当な苦労があったと想像する。
 
それを踏まえた上で。
バルガスのジャブで身体ごと揺らされたり、打たれっぱなしで亀になったり。
キワの部分でどうしてもフィジカル不足が見えてしまう。
 
 
さらにペース配分に関しては世界戦3戦とも似通っている。
 
序盤2Rはあまり手を出さずに様子見。
徐々にペースを上げて中盤から後半にかけて流れを掴む。
ところが終盤に失速して追いつかれる(武居戦では最終ラウンドにちぎられた)。
「序盤にリードを許す→中盤に逆転する→終盤に追いつかれる」のがお決まりのパターンとなっている。
 
武居由樹vs比嘉大吾感想。前半武居、後半比嘉の判定には納得かな。いい試合すぎて「どっちも負けんな」になった笑
 
細かく言えばラウンドごとの上げ下げもかなり極端。
調子よく攻めていたと思ったら、次のラウンドでは防戦一方になったりする。
 
スペック不足の中で無理やり帳尻を合わせる分、どうしても全力で動ける時間は限られる。
その上終盤にいくにつれて力みが増し、強引に腕を振り回すかつての比嘉に戻ってしまう。
 
限られたリソースで王者クラスと渡り合うにはよくも悪くもああいう偏った配分になるのだろうと。
 

Advertisement

 

引退は仕方ない。生命力を削ってデカいヤツらに挑む姿。記憶に残るという意味では坂本博之を超えた

試合後の会見で比嘉大吾が引退を表明したわけだが、これは仕方ないと思っている。
 
申し上げたように比嘉はバンタム級としては小柄でスペック不足。
そこを補うために持てる力を総動員してギリギリ持ちこたえてきた。
 
生命力の前借りというか、命を削ってデカいヤツらに挑む姿は問答無用で心を打つ。
 
だが、こんなファイトを続けていれば当然消耗も激しくなる。
あれだけやって3度目の正直が叶わないのであれば、もうしょうがない。
前回は「ここで辞めたらもったいない」と思ったが、同じパターンで3度阻まれたのなら諦めもつく。“バンタム級の”比嘉大吾は「そういう人」なのだろうと。
 
堤聖也vs比嘉大吾現地観戦。比嘉惜しかった、堤すごかった。年に何試合も生まれる「年間最高試合候補」の中でも筆頭だねw
 
僕は基本、スパッと辞めるよりもとことん現役にしがみつく選手が好きだが、比嘉に関しては別。本人が納得しているなら引退した方がいいかな? と思ってしまった。


比嘉大吾、改めてナイスファイト。
魂を震わせるファイター、記憶に残るという意味では坂本博之を超えた
 
 
 
まあ、僕は坂本博之をよく知らないんですけどね!!
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 
[THE MONEY TEAM] (ザ・マネーチーム) TMT 正規輸入品 MS104-2WK Tシャツ 白ベース×黒 フロイド・メイウェザー・ジュニアコレクション Tシャツ メンズ 半袖 ボクシング アメリカ
 
パーカー メンズ 長袖 スウェット Gennady Golovkin ゲンナジー・ゴロフキン プルオーバー ゆったり カジュアルおおきいサイズ 人気 服 四季 男女兼用 フード付き ベーシック グラフィックプリント
 
マニー パッキャオ (2)おしゃれ 多機能 弁当バック手提げ袋 軽量