フランプトンvsクイッグ予想!! 英国人スター頂上決戦の行方は? マンチェスターで英雄2人が激突する!!
2016年2月27日(日本時間28日)にIBF世界バンタム級王者カール・フランプトンとWBA同級王者スコット・クイッグの統一戦が、英マンチェスター・アリーナで開催される。
「クイッグがフランプトンに敗れる!! 英国スター対決は凡戦の末にフランプトンに軍配」
ともに無敗でライバル同士の英国人スターによる頂上決戦。
何年も浮上しては立ち消えになっていたビッグマッチの実現である。
ボクシングファン待望のカードといっても過言ではない一戦がついに開催される。
また、ギジェルモ・リゴンドーや日本の和氣慎吾など、期待の選手が多数在籍する階級でもあるだけに、今後のS・バンタム級戦線を占う意味でも絶対に見逃せない一戦である。
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ついに実現したスター対決!! 予想はフランプトンの判定勝ち。でも楽しみでしょうがないぞ
2016年最初のビッグマッチ。英国の英雄同士の対決だ。
この試合はおもしろい。マジで楽しみだ。
正直に言って、どうなるかがまったくわからない。
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クイッグのボディがフランプトンに突き刺さるのか、右のカウンターが火を噴くのか。それともフランプトンがスピードと馬力でクイッグを追いつめるのか。
ともに無敗をキープし続け、本国で大人気の両者。年齢も近く、華もあって注目度も高い。
予想もいいが単純に楽しみな一戦である。できることなら激しく打ち合うスリリングな試合になることを期待する。
フランプトンはスピードと馬力、鋭い出足から繰り出すコンビネーションが持ち味のファイタータイプだ。小柄な身体とリーチの短さを溢れ出る馬力でカバーするスタイル。
左右の違いはあるが、イメージ的にはパッキャオに近いのではないかと思う。実は僕のおすすめボクサーの1人でもある。
「ケル・ブルックはウェルター級で最強に最も近いボクサーだという事実に異議はないはずだが?」
対するクイッグはカウンターとボディ打ちが得意な強打者。
173cmとこの階級では長身の部類に入り、リーチも長くこちらも打ち合いを得意としている。
防御は基本的に長い腕を高く上げてのブロッキングが中心で、重心を低く構えた覗き見スタイル。やや攻防分離気味ではあるがパンチ自体はスムーズで、強烈なボディから顔面につなぐフックが得意なKOパンチャーである。
繰り返しになるが、この試合は本当におもしろい。
どんな展開になるか読めないというより、両者がどんな戦いぶりを見せてくれるかが普通に楽しみである。
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一応予想記事なので申し上げておくと、フランプトンの12R判定勝利でいきたいと思う。
といっても、正直に申し上げてまったくわからない。
KO決着があるなら早いラウンドでクイッグ。判定までもつれればフランプトン。そんな感じがするが、どうだろうか。
スコット・クイッグを侮っていましたが、全然強いっす
実を言うと、僕はスコット・クイッグという選手をそこまでいいとは思っていなかった。スピードもパワーもテクニックも飛び抜けてすごいわけではなく、確かに強烈なボディとカウンターは持っているがそれ以外は防御も含めてどうってことはない。
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リゴンドー、サンタクルスと戦っても勝てるわけがないし、フランプトンと戦っても恐らく負ける。衰えが顕著なドネアとの試合も実現が難しい。
無理してビッグマッチを実現させるよりも、地元のリングに安パイな挑戦者を呼んで防衛を重ねているのが一番。
身の丈にあった現役生活を送っていればいいんじゃないの?
そんな感じで、そこまで注目していなかった選手だったのである。
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だが、最近その評価が僕の中で変わりつつある。
この選手の「負けなさっぷり」を見ているうちに、これはもう少しちゃんと見た方がいいかもしれないと思うようになったのだ。
スピード、パワー、テクニックや防御勘。基本的な能力に突出したものを感じないというのは変わっていない。
ただ、なぜか負けない。
このクイッグという選手は基本的にどんな相手とどんな局面になっても負けないのだ。
アウトボクシングが得意なタイプ、打ち合いが好きなインファイター、ミドルレンジの選手。どのタイプとぶつかっても何となく総合力で勝るのである。そして、結果的に得意のボディで何となくKO勝利をもぎ取るのである。
今回のフランプトン戦もそうだ。
両者の戦力を比較した場合、どちらかと言えばフランプトンが有利だとは思う。だが、クイッグがいつもの「何となく総合力で勝る負けなさっぷり」を発揮して勝利を収める可能性も十分にあり得ると思うのである。
まあ、なぜか負けないばかり言っていても仕方がないので、クイッグの強さについて少し考えてみる。
この選手のよさは意外と器用なところではないだろうか。
繰り返しになるが、スピードもパワーもテクニックもそこまでではない。ただ、すべての局面に対応できる器用さ、わずかずつ相手を上回るオールマイティさを持っているのである。
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基本的には外旋回軌道のフック系のパンチが中心ではあるが、コンパクトな左が打てないわけではない。まっすぐの軌道を見せておいてから外側からのフック。顔面に細かいパンチを当てておいて得意のボディへの強打。そういったバリエーションをきっちりと見せることができる。
さらにグイグイと前に出てくるインファイターとは正面からぶつからず、リングを回るように攻撃をいなすこともできる。
なんだかんだで引き出しが豊富なのである。
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そして、クイッグの一番の持ち味はどんな体勢からでも強いパンチが打てることだ。
そこまで飛び抜けた強打者だとは思わないが、どんな無理な体勢になってもパンチの強さが変わらないのだ。キコ・マルチネス戦のKO勝利などもそうで、たとえ奥足重心の状態からでも威力のあるパンチが打てるのである。
元来の下半身の強さに加えて低く構えたクラウチングスタイルによるものだと思うが、両腕に一撃必殺の発射台を備えたクイッグの危険度は実はかなりのものだ。
全方位的な対応力と相まって、フランプトンをマットに沈める可能性は十分あり得るだろう。
フランプトンはクイッグのボディとカウンターを警戒しつつ、思いきり踏み込むんだ
フランプトンがクイッグに勝つには、やはり得意の激しい動きを駆使しての出入りを意識するべきだ。鋭い踏み込みでリーチの差を一気に埋め、スピーディなコンビネーションを上下に打ち込んでクイッグを翻弄するのである。
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全局面に相応の対応力を見せるクイッグを崩すことができるのは、ある一点に突出した能力のある選手。その意味ではフランプトンのスピードと馬力はクイッグを苦しめる条件に合致している。
だがフランプトンの悪癖として、飛び込み際に若干ガードが下がるというのがあることを忘れてはいけない。
もしかしたら、この瞬間を狙ってクイッグにカウンターで迎撃されてしまうかもしれない。
いや、クイッグは確実にフランプトンのガードが下がる瞬間を狙うだろう。それも試合序盤。フランプトンがクイッグとの距離感を掴む前に一発いいパンチをヒットして、一気に試合の流れを自分に引き込もうとするはずだ。
フランプトンとしては、このカウンターをもらうことは絶対に避けなくてはならない。飛び込んで打ち合うことになるのは明白だが、絶対にガードを下げてはいけない。あのカウンターを顎にもらえば、いくらフランプトンでもそのまま試合が終わることもあり得る。
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さらに、フランプトンはクイッグのボディにも注意しながら戦うべきだろう。
クイッグの強烈なボディをもらい続ければ間違いなくフランプトンは踏み込みの鋭さが失われる。踏み込みが鈍ったところにクイッグのカウンターをもろに被弾して大の字。まるでパッキャオvsマルケスの第四戦の結末である。
直線的な動きだけではなく的を絞らせないように左右にも激しく動いてクイッグをかく乱するのだ。
ガードを意識しながらの踏み込み。
距離を詰めてスピーディーなコンビネーション。
左右へのステップ。
これらを意識しながら、なるべく早いラウンドでクイッグとの距離感を掴むのだ。そして試合の中盤から後半にかけてペースを握り、判定勝ちを収めるのである。
本物の王様はどっちだ? たまらん。楽しみ過ぎるぞこの試合
いや、本当にどうなるかはわからない。
不利な条件下でも一発逆転の可能性を秘めているのがクイッグ。試合を優位に進める中で、些細なミスですべてを失うリスクを背負っているのがフランプトン。そんな感じだろうか。
何度も言うが、本当に楽しみな一戦である。
フランプトンが言うように「何年もみんなが待ち望んでいたもの」。まさしくそのとおりの試合である。
「和氣慎吾世界前哨戦!! ワルド・サブってなんじゃこりゃ?」
2016年最初のビッグマッチ。
しかも日本人ボクサーにも十分チャンスがあるS・バンタム級である。
試合まではまだ少し時間があるが、今からワクワクが止まらない。