ドネアvsバーネット感想。ロマンを捨てて実を取ったドネアと背中痛で棄権のバーネット。ここからだったのに。打倒ゾラニ・テテ?【結果・感想】
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2018年11月3日(日本時間4日)、英スコットランドのグラスゴーで行われたWBSSバンタム級1回戦およびWBAスーパー世界同級タイトルマッチ。
王者ライアン・バーネットと元5階級制覇王者ノニト・ドネアが対戦し、4R終了TKOでドネアが勝利。2011年以来のバンタム級王座に輝くとともに、WBSSトーナメント準決勝進出を決めた試合である。
Congratulations to"The Filipino Flash"! 🇵🇭⚡@filipinoflash
Great fighter, great sportsmanship 💪🙌#BurnettDonaire #WBSS2 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/azdbDOVtd3— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2018年11月3日
いつも通りトリッキーな動きで細かいパンチを当てていくバーネット。
対するドネアは、鋭いジャブを中心にじりじり前進してバーネットを追い詰める。
時おりバーネットにコーナーを背負わせるなど、好戦的な試合運びでペースを掴む。
積極的にジャブを出すドネアだが、バーネットも持ち前の防御勘でクリーンヒットを許さない。
一進一退のまま激しいペース争いが続き、試合は中盤へ。
ところが4R。
リング中央でアッパー気味の右を放ったバーネットが突然腰を抑えてうずくまる。
一度は立ち上がってラウンド終了まで戦い抜くが、直後に棄権。4Rの右アッパーで背中を痛めたとのことで、無念のTKO負けとなってしまった。
なお、久しぶりにバンタム級での戴冠を果たしたドネアは、来春開催予定の準決勝でWBO王者ゾラニ・テテとの対戦が決定している。
「ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つには? ドネアに勝ってほしいんだけど、井上尚弥が負ける要素が見当たらない件」
ドネア勝ったよ…。バーネット負傷という想定外の事態にオドレエタ。この先は日本開催が一番だと思うよ
ドネア勝利!!
バーネットの棄権により、2011年以来のバンタム級王座戴冠!!
この試合の結果はWBSSのTwitterで知ったのだが、いやびっくりした。
まさかドネアがバーネットに勝つとは。
こんなことを言うと怒られるのかもしれないが、そんな番狂わせが起きるなんて聞いてねえぞ(え?
「ドネアvsバーネット予想。ドネアvsフランプトン戦の焼き増しになりそうな…。井上尚弥に対抗できるとすればバーネット?」
バーネットの負傷棄権とのことだが、これも完全に予想外。
もはや事前予想が意味をなさないレベルで想定不能なことが起きまくる。
別に僕の予想が当たるなどとは思っていないが、ここまで真逆の結果が出るのはさすがに笑ってしまうww
まあ、それでも日本にファンが多いドネアが久しぶりの戴冠を果たしたのはよかったのかな?
次はゾラニ・テテとの準決勝とのことで、どちらも日本になじみのある選手。
普通に井上尚弥vsエマヌエル・ロドリゲス戦と抱き合わせで日本開催するのが一番ええんちゃうの?
え?
そうでもない?
いや、だってアレだぜ?
ロドリゲスvsモロニー戦の客入りを観るとアメリカ開催はキツいし、英国も頼みのバーネットが敗退した。
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める」
残るはモンスター井上と一番の対抗馬と言われるロドリゲス。
もう1つの準決勝はゾラニ・テテvsノニト・ドネア。
日本開催なら確実に注目を集められるし、一番儲かる。どう考えても準決勝、決勝ともに日本でやるべきだと思うのだが。
別人レベルでコンディションがよかったドネア。バンタム級は適正階級だし、全盛期の動きは無理でも開き直って実を取ればまだまだやれる
では、具体的な試合の感想を。
まず思ったのが、ドネアが思いっきり別人だったなと。
この日のドネアは明らかにコンディションがよく、随所に本来の超絶運動神経の片鱗が見られた(気がする)。
前後のステップやパンチのキレ、一瞬の反応など。
前回のカール・フランプトン戦に比べれば雲泥の差。
これだけ動けるのであれば、やはりベストはバンタム級なんだろうなと。
というか、「ドネアが減量苦により出場辞退」の怪情報が流れてきたけど、アレって結局何だったんすか?
あまりにもザックリし過ぎで取り上げる気にもならなかったけど。
小刻みに前後にステップを踏み、バーネットに踏み込みのタイミングを掴ませない。
鋭い左ジャブからの連打、力強い前進でバーネットを追い込み、時おりロープを背負わせる。
そして、ジャブで出足を鈍らせ、バックステップしながらの左フック。
前戦では全体的に動きが鈍く、遠い位置からフランプトンの連打を好き勝手に浴びたドネア。
だが、今回はまったくそんなことはなく。
軽快な動きでバーネットの先手を奪い、常に自ら試合を動かす能動的な展開。
うん、すごいねドネア。
フランプトンのジャブを山ほど被弾した前回とはマジで別人。
左フックに依存せずに先に手を出す分、1発のロマンは目減りしたが、完全にバーネットが攻めあぐんでいる。
しかも、ガードを上げてのっそり距離を詰めて逃げ場を奪うというバーネット攻略法も地味に見せてくれている。
正直、僕はバンタム級に戻したところで大して動きは変わらんだろと思っていたが、ここまで戻してきたのはやはりさすがだなと。
全盛期の超絶運動神経と反射神経を両立するのは難しくても、どちらか一方を重視すればまだまだ何とかなるということか。
すみませんドネアさん。
自分、あなたの底力を思いっきり侮っておりましたww
「やっばw プログレイスがレリクを顔面粉砕TKO。こんな一方的になるとは…。勝てるとしたらバランチェクの方が可能性高い?」
ドネアの動きがよく、思った以上に攻めあぐんだバーネット。ここからというラウンドでの負傷棄権は残念だった
対するライアン・バーネットについては、まあだいたいこんな感じかなと。
遠い位置から軽いワンツーを当て、すぐに距離をとって安全圏に退避。
極力ドネアと正対せず、得意の防御勘を活かして攻撃を防ぐ。
無理にKOは狙わずに、ヒット数と攻勢で判定勝利を拾う作戦。
何度も申し上げているように、前回のノニト・ドネアvsカール・フランプトン戦を踏襲したような試合運びである。
想定通りというか、vsドネアを考えればこうかな? という場所にそのまま着地した印象。
「ゾラニ・テテvsノニト・ドネア予想。さすがにテテが無難に勝つんじゃないの? ドネアがムザラネになれるとは思えないのが…」
そして、想定以上にドネアの動きがよく、思った通りに試合が進まないジレンマ。
前後に軽快に動くドネアに対し、左を出すタイミングが掴めず得意の出入りのボクシングが機能しない。
踏み込む瞬間を探しているうちに距離を詰められ、コーナーを背負わされる。
しかもドネアの連打が鋭く、上半身の見切りだけでは防御が間に合わない。
手を出すたびに打ち終わりを狙われ、なかなか回転数が上がらない。
3Rの後半に抜群の距離感でワンツーをヒットしてペースを掴みかけたが、すぐに反撃にあってチャラ。
前回の鈍重なドネアなら左を起点にいくらでもやりようがあったが、シェイプアップしてキレを取り戻したドネアにはうかつに近寄れない。
バーネットはフランプトンほどインファイトが得意ではなく、近場での対応はクリンチが中心。
これもドネアを調子づける要因になっていた感じ。
安全なポイントアウト狙いを選択した結果、逆にピンチを迎えてしまったという。
そういう意味でも、4Rでバーネットが負傷してしまったのは残念で仕方ない。
あのラウンドは両者がペース争いをしている真っ最中で、ここからどちらが抜け出すかというところだっただけに。
てか、バーネットのアレを仮病だと言っている人がいるのか。
別にどうでもいいけど、あそこでバーネットがわざと負けることに何かメリットがあるんだろうか。
無敗記録も王座も賞金も失い、階級最強の称号を得るチャンスもなくなる。
残ったのは、35歳のベテラン元王者に2011年以来の戴冠を許すという不名誉。
さすがに暴論だろとしか思わないのだが。
ましてやあれだけ低い構えでダッキングを多用するスタイルなら、いきなり腰や背中がピキッとなることも十分考えられる。
バーネットの仮病論については、いろいろ無理やり過ぎるなぁという感想しかない。
「ドグボエ完敗。新王者ナバレッテが天笠尚に見えたな。そして、長谷川穂積とかいうドグボエ大好きおじさん」
ドネアの奇跡に期待感。今日の調子ならもしかしたらゾラニ・テテにも…!! そして、決勝で井上相手に奇跡を
今回のドネア勝利によって、2019年春の準決勝ではゾラニ・テテvsノニト・ドネアの統一戦が決定したわけだが。
これまで僕は、ドネアが勝利するには奇跡を起こすしかないと思っていた。
ただ、トーナメントを制するには3回勝つ必要がある。
さすがに3回連続で奇跡なんぞが起きてたまるか。
めったに起きないから奇跡と呼ぶのであって、1年の間に何度もあっていいもんじゃない。
井上尚弥を倒すのはドネアのロマンしかないのでは? という意見もわかるが、そもそも決勝まで上がれねえだろ。
失礼極まりないのだが、こんな感じで考えていた次第である。
そして、今回の勝利によって微妙に考えが変わりつつあることを報告しておくww
割とガチで、ドネアがゾラニ・テテに勝てる可能性が少しだけ見えた気がするのだが。
仮にドネアが今回くらいのコンディションでリングに上がれば、テテの足に追いつく確率も少しはある。
なおかつテテの右リードに臆さずジャブが出れば、テテをKOできる確率もちょっとだけ上がる。
厳しい試合には違いないが、今のドネアなら勝率20~25%くらいはあるのかな? と思ったり。
「伊藤雅雪がディアスを下して王座戴冠。だから男は顔だとあれほど…w」
しかもこの試合でドネアが勝てば、決勝の井上戦まで奇跡をとっておけるww
3回の奇跡に期待するのは無謀だが、1回だけならマジでアリ。
それこそ4年? ぶりのフィリピ―ノ・フラッシュがモンスターのこめかみにぶっ刺さって、奇跡のKO勝利というね。
そんな結末があってもええんちゃう?
などと思っているのだが、どうだろうか。
今回思ったけど、やっぱりドネアってカッチョいいからな。
日本にファンが多いのもわかるよね。
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