ミゲール・コットがダニエル・ギールを4R TKOで撃破!!【WBC世界ミドル級タイトルマッチ】激戦のミドル級戦線から目を離すな
4階級制覇でWBC世界ミドル級王者ミゲール・コットが、挑戦者にダニエル・ギールを迎えた初防衛戦が、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨークで現地時間の6月6日(日本時間6月7日)に行われた。
このタイトルマッチはミドル級のリミットよりも3ポンド軽い157ポンドのキャッチウェイトで行われ、挑戦者のダニエル・ギールは「こんなに苦しい減量は初めてだ」とのコメントを残している。対する王者コットは元々スーパーライト級からキャリアをスタートさせたボクサーで、身体に負担をかけない減量であったことがうかがえる。
コットにとっては今後対戦が噂されるゲンナジー・ゴロフキンやサウル・アルバレスとのビッグマッチに向けての試金石とも言える試合で、どういった勝ち方をするかにも注目が集まる一戦になるだろう。
WBC世界ミドル級王者ミゲール・コット(43戦39勝(32KO)4敗)
昨年6月にセルヒオ・マルティネスを10回TKOに下してWBC世界ミドル級タイトルを奪取して以来、ちょうど1年ぶりの試合。
挑戦者ダニエル・ギール(34戦31勝(16KO)3敗)
昨年7月にミドル級最強のゲンナジー・ゴロフキンに3RでKO負けを喫し、同年12月にジャレッド・フレッチャーに12R判定勝ちして以来の試合。身体の強さと折れないハートが持ち味のボクサー。
試合開始!! 対峙した瞬間の身体の違いに驚く
1R。
両者が対峙した瞬間、ギールの身体がコットよりも一回り大きい。
元々スーパーライト級から階級を上げたコットと、純粋なミドル級のギール。キャッチウェイトとはいえフィジカルの差は歴然か。王者コット、これはかなり危険な試合になるか。
いつも通りのガードを上げたオーソドックスな構えのコット。
フリッカー気味のジャブとストレート、ボディブローのコンビネーションで攻める。
対するギールは力強い左右のパンチ、ストレートで応戦する。
両者のパンチがともにガードの上から当たるが、打撃音がまったく違う。
「ドスン、ドスン」
ギールのパンチの威力がコットのそれと比べて雲泥の差があることがわかる。
リング中央で両者のコンビネーションが交錯する。
コットの得意な左フックがカウンター気味にギールを捉える。コットのこの左は当たりそうだ。
左ボディから右フック。コットのパンチがギールを的確に捉える。ギールの顔面が弾ける。
1R終了のゴング。
スピードやパンチの精度、ボクシングの技術はコットの方が数段上か。
しかしパワーでは明らかにギールに分がある。
明確な差はなかったが、どちらかと言えばコットのラウンドといっていいだろうか。
コットが正確性とスピードでギールを圧倒!! 体重差をものともしない前進
2R。
リング中央で対峙する両者。
コットが先に手を出し、ギールが迎え撃つ展開。
ギールの右にコットが左を合わせる!
かろうじてガードするギール。しかし一瞬動きが止まる。
ガードの上からでも少し効いたか。それとも、不用意な前進は危険だと感じたか。
ガードを上げて距離をとるギール。コットは無理に追わない。
しばしの停滞。高まる緊張感。
再びリング中央で向かい合う両者。
またしてもコットが先に仕掛ける!
ギールの応戦!!
コンビネーションの打ち合い!
的確に当たるコットのパンチ。空転するギール。
スピードに差が出てきたか。
右フックを打つギール。
コットが左を合わせる!! カウンターでギールを捉える!!!
前のめりに倒れるギール!!
ダウン!!
いや、スリップ!!
カウントは入らない。
それでも今のパンチは効いている!!
ギールのパワーに手数と的確さで対抗するコット。
おもしろい。この試合もおもしろい。
3R。
相変わらず力強いパンチを振るいながら前に出るギール。
コットはパンチの的確さと手数、そして身体の全パワーを使ってギールの前進を受け止める。
長いラウンドになると、コットがキツくなるか。
勝負を急ぎたいコット。
とにかく左のジャブ、フックがよく当たる。
ギールのパンチをバックステップと固いガード、そしてダッキングで防ぐ。
中間距離での左の差しあい。コットの左が先に当たる。
やはりパンチの精度には雲泥の差がある。
両者の距離がやや縮まる。
そしてコットの左ボディ!!
後退するギール!!
1Rから打ち続けてきたボディが徐々に効き始めている!!
ギールのガードが下がる。
これはさらに左が当たりやすくなるかコット!!
3R終盤。
コットが左右の連打で前に出る。
ギールがガードを上げて下がる!!
コットがロープ際にギールを追いつめる!!
苦しそうなギール。明らかにボディを嫌がっている。
会場が沸く。
ボディ、ボディ!!
さらに会場が沸く。
ここでゴング!!
コット、このラウンドで完全にペースを掴んだか。
圧勝!! さすがのコット。打ち合ったギールもよかった。ものすごい試合だった
4R。
ラウンド前半からコットが積極的に前に出る。
上下左右。フックからボディ。
左右の切れ味鋭いコンビネーションがギールを捉える!!
下がりながら応戦するギール。
だが、ペースは完全にコット。
20秒過ぎ。
ギールの左にコットが得意の左フックを合わせる!!
ドシュッ!!
ものすごい炸裂音とともにギールがロープ際に吹っ飛ぶ!!
ダウン!!
仰向けに倒れるギール。
頭が半分リングからはみ出すほどの凄まじいダウン。
すぐに立ち上がるギール。
カウントが進む。
焦点が合わない。
これはチャンス。コットのチャンス。
試合再開。
足下がおぼつかないギール。
コットが左右のフックを振るう。
ギールはガードするが、足に力が入らない。たまらずロープに寄りかかる。
コットの左フックがカウンター気味に入る。
ロープづたいに左に逃げるギール。
追いかけるコット。
コーナーに追いつめ、連打、連打!!
ギールも力を振り絞って応戦!!
だが、コットのパンチが次々とギールを捉える。
たまらずギールダウン。
2度目のダウン!!
すぐに立ち上がるギール。
カウントが進む。
レフェリーがギールの表情を覗き込む。
虚ろな表情のギール。
レフェリーが両手を交差し、試合終了を宣告!!
4R1分27秒、コットのTKO勝ち!!
おもしろい。
最高の試合。
これはおもしろい。
コット素晴らしい!!
そして、キャッチウェイトを受け入れ、果敢に打ち合ったギールにも拍手を送りたい。
ナイスファイト。
ナイスガッツ。
目の離せないミドル級戦線。今後の展開に注目
正直言って、この結果は予想外だった。
キャッチウェイトとはいえ、ここまでコットが圧勝するとは。
コットがミドル級で防衛戦をやると聞いたときは、率直に「厳しいのではないか」と思った。
しかしここまでギールに何もさせないとは。
やはり、全盛期のパッキャオと大激闘を繰り広げ、メイウェザーを本気にさせたコット。多少ウェイトが違う相手でも、ギール程度なら相手にならないということだろうか。
「サウル・“カネロ”・アルバレスが豪打のジェームス・カークランドをカウンター一閃」
個人的にゴロフキン、アルバレス戦線にコットが加わるのはちょっと無理があると思っていた。だが、この試合で一気に楽しみになった。体格差をものともしないコットの正確性とスピード。そしてハートの強さ。ミドル級でも十分やれることを証明した試合だと言えるのではないだろうか。
今後どうなるんだろう。
ゴロフキンvsアルバレス、その勝者とコット。
そういう図式も楽しみだ。
「コットvs“カネロ”・アルバレス予想!! ミドル級究極対決。2015年最後のビッグマッチを制するのはどっちだ?」
アンディ・リーやピーター・クィリンも絡むミドル級戦線、今後の展開からますます目が離せない。
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