42 世界を変えた男感想。困難に立ち向かう俺は1人じゃない。自分が変われば周りが変わる。大谷翔平の二刀流とそっくりじゃねえか【映画】

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野球場イメージ
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映画「42 世界を変えた男」を観た。
 
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「42 世界を変えた男」(2013年米)
 
毎年4月15日、MLBでは選手全員が背番号「42」のユニフォームでプレーする。
 
 
1947年。
ジャッキー・ロビンソンは、モーゼス・フリート・ウォーカー以来2人目のアフリカ系アメリカ人としてメジャーデビューを果たした。
激しい批判、人種差別に晒されながらも真摯にプレーを続け、同年の新人王を受賞。
ロビンソンの功績を称え、彼の背番号「42」はMLB全チームで唯一の永久欠番に指定されている。
 
 
1947年。
ブルックリン・ドジャースのGMブランチ・リッキーは、黒人リーグでプレーしていたジャッキー・ロビンソンをチームに入団させることを決める。
 
だが、当時のメジャーリーグは白人だけのもの。
ロビンソンの入団は大きな波紋を呼び、同じチームメイトですらロビンソンとのプレーを拒む者が続出する。
 
それでもロビンソンは志を捨てず、相手球団やファンからの罵倒、危険球に耐えながらプレーを続ける。すると、その姿が徐々に周囲の意識、態度に変化をもたらすのであった。
 
「俺は野球がしたい。それがすべてだ」
 
 
2013年に公開、3日間での売り上げが約27億円という野球映画史上最高のオープニング記録を打ち立てた作品である。
 
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「42 世界を変えた男」はやべえ。自分の歴代トップ3入りする可能性もあるくらいすごい映画だった

前から気になっていた映画「42 世界を変えた男」を観たので、その感想を。
 
まず、何より最高だった
 
ここ最近観た映画では2004年「ミリオン・ダラー・ベイビー」、2011年「最強のふたり」が衝撃的だったのだが、今作はそれに勝るとも劣らない。
もしかしたら「ターミネーター2」「エイリアン2」「遊びの時間は終わらない」のMy歴代トップ3が入れ替わる可能性すら……。
 
「ミリオンダラー・ベイビー感想。最高の映画との出会いに感謝。キュートな笑顔のマギーと老トレーナー、フランキーの疑似父娘物語」
 
いやまあ、そんなことは自分の中で消化しておけという話なのだが、それほど今回の「42 世界を変えた男」は最高だった。
 
 
もしお時間があれば、ぜひ一度鑑賞していただければと思う。
 
特に、何かに挑戦中だけどなかなかうまく結果につながらない方。
明日への活力を得られるというか、きっと背中を押してくれるはず。
 
「自分の進む道は間違いじゃない」
「自分は1人じゃない」
「自分が変われば周りが変わる」
いろいろなものを思い出させてくれる2時間になること請け合いである。
 
「ターミネーター:ニュー・フェイトで俺たちのサラ・コナーが帰ってくるぞw 28年ぶりの正当な続編だってさ」
 

大谷翔平の二刀流挑戦を思い出したよね。不可能だと言われ続け、その声を結果でねじ伏せた

とまあ、しょーもないご託はともかく。
 
この映画を観て僕が思ったのが、
「これ、大谷翔平の二刀流そのまんまじゃねえか」
 
大谷翔平。
野手、投手兼任の二刀流選手として2013年、北海道日本ハムファイターズに入団。
この前代未聞の挑戦には多くの批判、否定的な意見が渦巻き、大谷の母校花巻東高校でも苦情の電話が鳴り響いたという。
 
ところが2年目の2014年に11勝、10HRの成績を残し、NPB史上初となる「2桁勝利・2桁本塁打」を達成。その後も投打の主力としてチームをけん引し、2016年にはリーグ優勝、日本一に大きく貢献する。
 
その過程で二刀流への批判は徐々に沈静化し、応援の声へと変わる。と同時に、二刀流に反対していた球界OBや現役選手の声も小さくなっていった。
 
 
何度か申し上げているが、僕は2013年当初から大谷翔平の二刀流には大賛成だった人間である。
そして、18歳のルーキーに対して「プロ野球をなめるな」「成功してほしくない」とほざいた野村克也を今でも軽蔑している。
 
「大谷翔平2016!! 二刀流に大賛成の僕が今さらだけどその理由を語ってみる。マジで二刀流でメジャーに行っちゃえよ大谷」
 
他にも多くのOB、現役選手が投手派(ダルビッシュ、桑田真澄など)、打者派(清原和博、江川卓など)に分かれて「なぜプロ野球、MLBで二刀流は不可能か」についての持論を述べていた記憶がある。
 
これ、当時はホントに不思議だった。
歴代のそうそうたるメンバーが「投手で」「いや打者で」と口々に喚き散らす状況。
要するに、大谷の才能がずば抜けているせいでどちらか一方を選べない。
 
投手では高校3年時点で160km。
打者としてもプロ関係者が「本物の天才」「飛距離がすごい」と口々に言う。
 
いや、だったら両方やるしかねえじゃねえか
それが自然の流れとしか思えなかったのだが。
 
恐らくだが、二刀流挑戦に対する拒絶反応の根本にあるのは「野球界の常識」
プロでは投打どちらかに専念するべきという「常識」。自分たちを含め、これまでのプロ野球選手が当然のように享受してきたルート。そこから逸れた存在が許せないということ。
 
野球界に長くいればいるほどその「常識」に深く染まり、新しいスタイルを受け入れられない。
「老害」と言えばそれまでだが、大谷翔平と日ハムが歩んだ5年間は想像以上に険しかったのではないか。
 
「映画「忍びの国」が予想の2倍よかった話。大野智(嵐)ファンなら特に。石原さとみとかいう最高にめんどくさい女」
 

白人社会のMLBに飛び込んだジャッキー・ロビンソンは、困難を乗り越えるたびに味方を増やし、最後は世界を変えた

そして、今作のジャッキー・ロビンソンの軌跡は大谷翔平の二刀流挑戦とまったく同じ。
 
白人至上主義のMLBの中、数々の誹謗中傷や妨害を受けながらも真摯にプレーを続け、球団関係者や監督、チームメイト、ファンと、徐々にロビンソンを応援する声が広がっていく。
 
栗山監督を中心に、チームをあげて二刀流のルーティーンを確立した日ハム。また、その期待に満点のパフォーマンスで答えた大谷。
GMのリッキーに見出され、勇気と決意を持って白人社会に飛び込み結果を出し続けたロビンソン。
 
日本とアメリカ、二刀流と人種差別などの違いはあるが、凝り固まった「常識」に抗い前に進み続けた男たち。その姿はもちろん、彼らに影響されて徐々に変わっていく周囲の状況には胸を打たれるものがある。
 
「人生の特等席感想。データvs感覚じゃないんだよ。両方「ほどよく」取り入れるんだよ。隙のない女が心を開くところにグッとくる」
 
相手監督の罵声、誹謗中傷に傷つき爆発しそうになるロビンソン。
 
「やり返さない勇気を持て」
自分に負けそうになったとき、ロビンソンは必ずリッキーの言葉を思い出す。
 
嫌われてもいい。
敬意を払われなくても構わない。
でも、自分に負けたくない
 
ひたむきなプレーを続けるロビンソンの姿に、チームメイトも彼を1人の野球選手として認める。
小さな困難を乗り越えるたび、1人、また1人とロビンソンに仲間が増えていく。
 
 
イニング間の守備練習中、 ショートのピー・ウィー・リースが突然ロビンソンのもとに駆け寄る。
 
そのままロビンソンの肩に手を回し、
「君に礼を言う」
「彼らに見てもらえる」
「俺がどういう人間かを」
 
そして、ニヤリと笑ってひと言。
「全員42番を着れば違いがわからない」
 
「イチロー引退。スカした言動と態度とは裏腹に人一倍暑苦しくて泥臭いヒットマン。競技性orエンタメなんていう議論が全部不毛に思える」
 
医務室で治療を受けるロビンソンの前に現れたリッキーは、白人の少年がロビンソンのものまねをしていたことを嬉しそうに語る。
 
 
俺は1人じゃない。
自分が変われば周りが変わる。
 
最後にこの世界が変わった。
 
「「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を映画化してはダメだった理由。ドラマ版は最高だったのに」
 
あとはまあ、リッキー役のハリソン・フォードのインタビューもめちゃくちゃよかったよね。

1:41〜役作りについて聞かれ、「ハリソン・フォードでありたくなかった」「私の過去の作品の影響を受けて欲しくなかった」「私と関連づけることなく純粋に」と答えるハリソン。
 
なるほど。
確かに今回は一瞬ハリソン・フォードだとわからないくらいの憑依力だったな。
 
さらに3:43〜、リッキーがロビンソンに「あえて闘わない勇気を持ったプレイヤーが欲しい」と語ったシーンについては、「これは一個人に左右されていいような些細なことではない」「自分の感情や苦しみを押さえ、大義の美徳を優先しなければならない」とのこと。
 
先日、生徒から挑発された高校教諭がその生徒に体罰を加えたことが大きな問題となっていたが、うん、何かアレだね。
 
「手を出したら負け? わからないヤツは殴ってもいい? 学校での体罰は是か非か」
 

DeNAの南場智子パイセンのインタビューを思い出した。ロジカルな思考はすばらしい。でも、時代を変える「うねり」は生まれない


さらにもう一つ。
今作を観て僕が思い出したのが下記。


株式会社ディー・エヌ・エーの代表取締役会長南場智子氏のインタビュー記事だが、その中にある「合理性やロジカルさだけでは、未来は切り開けない」という件。
 
組織は多様な個性が集まった方が強い。
DeNAも意識してそういう人材を集めているが、総体としてはかなりロジカル寄り。どんなことも感覚ではなくロジカルで合理的な判断が優先される。
 
これは決して悪いことではないし、成功の確率を1%でも上げるためには重要なこと。
 
ただ、それだけでは時代を切り開くような「驚き」を起こすことは難しい。
独特の感覚や人の心をつかむ術に長けた人、おもしろいアイディアの持ち主など。数字や論理だけでなく、これからはそういう飛躍した人材が活躍できる会社にしていきたいとのこと。
 
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いやもう、すっげえわかる。
さすがは南場の姐さん。
 
そうなんだよな。
 
理詰めや効率重視の思考は問答無用ですばらしい。
1+1=2という答えを導くための最短経路であることは間違いない。
 
だが、そういうロジカルな思考からは大きな「うねり」は生まれない。
 
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黒人リーグが存在するのに、わざわざ白人至上主義のMLBに飛び込む必要はない。
 
白人と同じトイレが使えない。
同じホテルに泊まれない。
だったら、そこに近寄らなくてもいいんじゃねえか?
 
自らのコミュニティに閉じこもって、波風立てずにやり過ごすのも一つの手。
ベストではないが、ベター。
差別はよくないけど、あるもんは仕方がない。
 
ロジカルな思考に基づけば、無理して白人社会と関わらない方が吉と判断することは決して間違いではない。
 

結局、何かを生み出すのはバカにされるのを承知で挑戦できるヤツ。大谷翔平もロビンソンも自分を信じて突き進んだ結果、ベースボールそのものが変わった

ところが、ロビンソンやリッキーはあえてその困難に立ち向かった。
差別、妨害にめげず、自分自身と仲間、家族を信じて前に進み続けた。
 
大谷翔平は「プロ野球で二刀流なんぞできっこない」と言われる中、自分とチームを信じてバットを振り、ボールを投げ続けた。
 
その結果、ベースボールは黒人選手を受け入れ、二刀流という新たなジャンルが生まれた。
 
 
2002年のオークランド・アスレチックスはセイバーメトリクスを活用したデータ野球を推進したがうまくいかず、GMのビリー・ビーンが選手と対話の場を持つようになってから快進撃がスタートした。
 
そして、ポリシーを曲げて球場に足を運んだその試合で、ビーン自らがスカウトしたハッテバーグが代打逆転ホームランを放つ。
 
データに基づいたID野球と「勝負の嗅覚」が高いレベルで融合し、本人たちですら想像しなかった奇跡が起きる。
スポーツの世界では、それを「勝利の女神がほほ笑んだ」と言う。
 
「【感想】マネーボール全否定? 2002年アスレチックスは弱くなかった? ビリー・ビーンのマネジメント能力と打線萌え」
 
合理的に考えれば、月に行こうなどというバカげた思考に至ることはない。
地球にいれば普通に酸素を吸って二酸化炭素を吐いて生活できるから。
 
だが、◯◯万分の1のぶっ飛んだ人間が月に行きたいと本気で考え取り組んだ。
その結果、「人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ」という名言が生まれた。
 
 
何かを作り出し、1+1を10にも100にもするのはバカにされるのを承知で挑戦できるヤツ
人種差別云々、アイデンティティ云々も大事だが、僕が今作を観て一番感じた部分はここかなと。
 
僕自身は別に大それた何かを生み出すような人間ではない。だが、少なくとも挑戦する人間を頭ごなしに否定するのは絶対に止めておこうというのは改めて思った次第である。
 
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