スペンスがピーターソンを圧倒してギブアップ防衛。ボコボコやねピーターソン。スペンスは階級アップした方がよくね?【結果・感想】

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2018年1月20日(日本時間21日)、米・ニューヨーク州ブルックリンで行われたIBF世界ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者エロール・スペンスJr.に、元WBA世界同級王者レイモント・ピーターソンが挑んだ一戦は、エロール・スペンスの7R終了TKO勝利。ピーターソン陣営のギブアップにより、初防衛に成功した試合である。
 
 
ガードを上げて前に出るピーターソンに対し、スペンスは得意の鋭い右リードで迎撃。ピーターソンの防御を突き破るように強烈なパンチをヒットしていく。
 
「マティセ圧勝すげえ! テワ・キラムに何もさせずに8RKO勝利。レベルが違い過ぎたかな。ここまで圧倒するとは」
 
近距離で打ち合いたいピーターソンだが、スペンスのジャブで突き放されてうまく流れを作れない。強引に近づいても、左右ボディで出足を止められてしまう。
 
5Rにはガードの外側から左右フックをテンプルに浴びてダウン。
全力で打ち合いに応じるが、パワーと正確性の差でどんどん追い詰められていく。
 
そして、最後は盛大に顔面を腫らしてのギブアップ。
エロール・スペンスの7R終了TKO勝利が決定した。
 

そりゃそうだよ。ピーターソンがスペンスに勝てるわけないんだよ

スペンス圧勝!!
ピーターソンをギブアップに追い込み、初防衛に成功!!
 
字面だけを見れば華々しいが、「そりゃそうだよね」としか言いようがない。
 
予想記事でも申し上げたように、レイモント・ピーターソンがエロール・スペンスに対抗できるとはとてもじゃないが思えない。高確率でスペンスの残酷ゲームになるんじゃないか?
 
「絶望的挑戦? スペンスvsピーターソン予想。ピーターソンがスペンスを攻略する方法ってある? 奇跡でも起きない限り厳しいと思うけど」
 
綿密な作戦を立てて、なおかつ相当の覚悟を持ってリングに上がったとして勝率1割。普通に向かっていったのでは勝機もクソもない。
 
そんな感じでスペンスの圧勝を予想していたのだが、結果的にはマジでその通りになってしまった。
 
「カーン復帰戦にブローナー? 可能性は低いけど期待しちゃうじゃねえかww 2年半くらい前にも似たようなことがあったっけ」
 
ガードの上から強烈なリードを浴び、身体が流れたところで鋭い右で隙間を通される。
まともに近づくこともできず、遠い位置から削られ続けてダメージが蓄積。
タイミングのいいボディカウンターで出足を止められ、サイドに回ろうとすれば右のボディで進行方向を塞がれる。
正面に立たざるを得ない状況を作られ、ワンツーをもろに被弾する。
 
うん。
こりゃアカン。
 
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw 村田vsカネロもこんな感じ?」
 
ピーターソンのフィジカルやスピードでアレをやっても、スペンスに通用するわけがない。
最初の2Rでだいたいの結末が見えた感じか。
 
「比嘉大吾vsフエンテス予想。寒がりフエンテスさんが沖縄上陸。比嘉は凱旋防衛戦で連続KO継続なるか」
 

ケル・ブルックが教えてくれたスペンス対策。ピーターソンのアレは無謀だったとしか言いようがない

以前にも申し上げたように、エロール・スペンスをもっとも苦しめたのは2017年5月のケル・ブルック。
そして、ケル・ブルックの実行した作戦こそが、打倒スペンスの1つの答えでもある。
 
「スペンス圧勝!! ケル・ブルックを一方的にコントロールしてウェルター級最強対決に勝利。試合後にキース・サーマンへ対戦を呼びかける」
 
スペンスの攻撃は基本、右のリードを起点にスタートする。
鋭い右で相手との距離を測り、左のストレートにつなぐ。
間合いが近づけば、強烈な左右のボディをカウンター気味に叩き込んでスペースを確保する。
 
「ま~た誰得マッチww サンダースvsマーティン・マレー。痛いの大っ嫌い。絶望的に退屈で平和な試合」
 
切れ味抜群な右リードで相手をたじろがせ、自分の得意な間合いをキープしたまま攻撃につなげる。
ウェルター級屈指のフィジカルと直線的でパワフルなパンチ、高いガードを活かした超攻撃型のスタイルである。
 
そして、この右リードにカウンターの左を被せまくったのがケル・ブルック。
 
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利」
 
スペンスの右に合わせて自分も踏み込み、上から左を被せる。
すぐさま小さくサイドステップして正面を外し、スペンスが方向転換する前にもう1発。
 
「イースターってこんなヤツなんだ。フォルトゥナに2-1で辛勝。顔が嫌いで観てなかったけど、インファイトしちゃうんだね」
 
攻撃の起点となる右リードを封じ、追撃の左や左右ボディを出す機会を奪う。極力スペンスと正対せず、自分のペースに引き込んでみせたブルックは本当にさすがとしか言いようがない。
 
「ティーラチャイはいいね!! マティセと空位王座を巡って激突。タイ選手のウェルター級王者誕生してほしいぞ」
 
それに対し、今回のピーターソンはガードを上げて距離を詰める作戦。
攻防分離というか、スペンスにガードの上を叩かせてから自分のターンに移行するスタイルである。
 
「期待のライアン・ガルシアを観たのでその印象を。キラキラ七三プロスペクトはデラホーヤさんの大のお気に入り?」
 
まあ、無謀だったなと。
 
ピーターソンのフィジカルでアレをやっても、スペンスにとっては絶好の的になるだけ。
恐らく懐に入って接近戦で勝負するしかないと考えたのだと思うが、ピーターソンがスペンスと正面衝突してどうにかできるわけがない。
 
「アローヨvsクアドラスはKOか判定で逃げ切るかの2択だよな。アローヨに勝ってほしいけど。そして岡田隆志とかいう隠れ名選手」
 
案の定、右リードで山ほど削られ、強烈なワンツーの餌食である。
といっても、足を使って動いてもスペンスから逃げ切れたとも思えないが。
 
どちらにしろ、レイモント・ピーターソンでは勝てる見込みはほとんどなかった。
あのまま続けていたらケル・ブルックのように眼窩底骨折させられてただろうし、あそこでのギブアップは完全に正解だった。
 
「バルデスvsクイッグ!? またおもしろそうな試合を組みやがって…。今回ばかりはバルデス大ピンチじゃない? クイッグ王座返り咲きなるか」
 

エロール・スペンス対策? あの長い足が邪魔なんですよね。そして、ウェルター級に中間距離でスペンスに対抗できそうな選手は見当たらない

上述のように、スペンスの右リードを封じるというケル・ブルックの作戦は間違いではない(と思う)。
得意の追撃を封じられたスペンスはめちゃくちゃやりにくそうだったし、手を出すたびにカウンターが飛んでくるというのも面倒くさい。
 
「やっべえw 巨人ムンギアがアリを爆撃。ムンギアなんだコイツ。プロレスラーみたいだな。は? これでもハードの方がデカいの?」
 
ただ、ケル・ブルックが中盤から失速していたのを見ると、アレをやり続けるのは凄まじい体力と根気を要することがわかる。
 
特にスペンスは足が長くスタンスも広い。頭も小さい。
ブルックは身体を目一杯伸ばしてカウンターを打っていたし、今回のピーターソンもつんのめるようにパンチを出す動きが見られた。見た目以上にスペンスの頭の位置は遠く感じるのだと思う。
 
「ロドリゲスvsバトラー!! この試合に注目しないとは何たることぞw 激闘必至の好カードちゃいます?」
 
長い足を広げ、頭の位置を極力遠ざける。
鋭い右リードと強靭なフィジカルで相手との間合いを一定にキープ。
 
これによって、スペンスはスタンスをほとんど崩すことなく、前後の体重移動のみで攻防の切り替えが可能になる。
ブルックのカウンター作戦にもスタンスを崩さず、威力を保ったまま右リードを打ち続けた結果、ブルックの消耗を呼び込んでの勝利。
 
「リー・セルビーvsジョシュ・ウォーリントン! 名勝負の予感がしますよコレは。フランプトンvsドネアなんか比じゃないほどに」
 
恐らくだが、エロール・スペンスを倒すには得意の右リードを封じるだけでなく、あの構えを崩すことが必要なのだと思う。
 
スペンスの右に気圧されずにカウンターを返せるフィジカルと、一足飛びで距離を詰められる踏み込み。さらに、スペンスを超えるハンドスピード。もしかしたら、オーソドックスよりもサウスポーの方がいいかもしれない。
 
「最強クロフォードがホーンに圧勝で3階級制覇。ん? 最強? いやいや、クロフォードに勝てそうなヤツが1人いるんだが」
 
そんな選手が左右に動いて芯を外しながら、スペンスの右リードにカウンターを被せまくる。
タイミングを測って懐に踏み込み、至近距離での回転力で圧倒する。
スペンスに勝つとすれば、こんな感じかなと想像している。
 
そして、現在のウェルター級にそれができそうな選手は見当たらない。
 
「感動しちゃったよシーサケットvsエストラーダ。引き出しの多いエストラーダをシーサケットがテーブルごとひっくり返した」
 
強いて言うならコンディションのいいときのパッキャオくらいか。
現在のパッキャオには望むべくもないが。
 
「ジェフ・ホーン圧勝!! パッキャオ議員に力技で勝利し人生の厳しさを教える!! 作戦勝ちかな。フィジカル面も差があったよな」
 
何年か前に「エイドリアン・ブローナーをスパーリングでボコボコにした」という都市伝説が出回ったが、確かにわからないでもない。ブローナーにとってのスペンスはあまり相性がいいとは言えないし、パワー面で圧倒された場合は悲惨な結果になりそうな気配がプンプンする。
 
「こんなん予想できるかww ジャーメル・チャーロが怪童ルビンをワンパンKO!! まさかの1R決着で注目の対決を制す」
 

やっぱりスペンスは階級を上げた方がいい。サーマン? クロフォード? あまり興味がわかんのですよ

そう考えると、エロール・スペンスはさっさと階級を上げた方がいい。
フィジカルに余裕があり過ぎる現状、ウェルター級ではまともな相手が見つからない。
 
チャーロ弟やジャレット・ハードなど、S・ウェルター級のフィジカルモンスター相手に同じことができるか、スタイルチェンジして延命するのかという方がよっぽど興味がある。
 
というか、すでに僕の中ではケル・ブルック戦に勝利した時点でウェルター級最強対決は終わっている。
 
「ガルシアvsサーマン感想!! 才能の塊キース・サーマンがパワーでダニー・ガルシアを置き去りにする。まあそうなるよな」
 
キース・サーマン、テレンス・クロフォードとのビッグマッチもいいが、正直あまりテンションが上がらない。
 
「リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?」
 
確かにこの2人ならスペンスに勝てる可能性はある。
だが、盛り上がる試合になるとはとても思えない。
 
「意外と楽しみなアンドレ・ベルトvsデボン・アレクサンダー。どっちが勝ってもスペンスには歯が立ちそうにないけど」
 
特にキース・サーマンvsエロール・スペンスなど、鬼ごっこにしかならないのは目に見えている。
テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスなら多少は期待できる気はする。だが、それでもクロフォードの持久走を12R見せられるだけじゃないの? という思いが強い。
 
「アレクサンダー勝てんかった…。オルティスとの元王者対決にドローで復帰戦を飾れず。やっぱり階級が合ってないような…」
 
しかも、調整試合やら指名試合で実現はまだ先になるのでは? という状況。気づいたら「2018年もスペンスは1試合だけでした」とならないとも限らない。
 
だったら、さっさとハイレベルなS・ウェルター級に行って、パワーの限界に挑戦してほしい。
 
「ジャレット・ハードの理不尽フィジカルがトラウトを粉砕する。ダメだトラウト…。パンチがまったく効かない地獄」
 
とりあえずS・ウェルター級で僕が観たいのはジョン・ジャクソン戦だろうか。
チャーロ弟を苦戦させたジョン・ジャクソンに勝てれば、S・ウェルター級でも相当期待できる。
 
「ゾラニ・テテvsミーシャ・アロイヤン予想。WBSS準々決勝で長身サウスポーとトップアマの塩マッチ?」
 
まあ、フィジカルの余裕を保って無双し続けるなら、ウェルター級に留まるのが大正解だけど。それじゃ本人もつまらんでしょというね。
 
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