大崎オーソルvs豊田合成現地観戦感想。ハイレベル過ぎる首位攻防戦を堪能。でもスポーツイベントとしてはちょっと…【2021.11.23ハンドボール】
2021年11月23日に和光市総合体育館で行われた第46回日本ハンドボールリーグ第13週、大崎オーソルvs豊田合成ブルーファルコン戦を現地観戦してきました。
結果は26-22で豊田合成ブルーファルコンが勝利。シーズン1位と2位の直接対決を制し、戦績を12勝1敗とした試合です。
ハンドボールの現地観戦は今年の2月が初めてだったのですが、そこでめちゃくちゃおもしろいことを知って以降何度か会場に足を運んでいます。
そして今回、埼玉県の和光市で試合が開催されることを知り「それじゃあ」ということで行ってきた次第です。
ちなみに会場の和光市総合体育館は和光市駅から約1.8km。徒歩だとだいたい20分ほどかかります。
ただ、道自体はほぼ一本道なので迷うことはないかと。それなりに気合いは必要ですが笑
というわけで、今回はこの試合の感想を撮った写真を載せつつあれこれ言っていこうと思います。
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チケットは当日券2000円。和光市総合体育館は全体的にちょっと古いかな
まず現地に到着して3階に上がり、受付けで当日券を購入(2000円、自由席)して場内に入ります。
中はこんな感じ。
結構綺麗ですが、全体的に古いですね。
座席はコレ。
ケツが痛くなるほどではないですが、決して座り心地がいいとは言えないです。
現在13:10。
14:00試合開始なのでまだ割と時間があります。
場内では両チームがアップ中&アリーナDJが選手のリクエストした曲を紹介しております。
しばらく選手のアップを眺めていると、徐々に客席も埋まり始め……。
いよいよ両チームの選手入場です。
まずはアウェイの豊田合成から。
続いてホームの大崎オーソル。
こちらは選手1人1人が大々的に紹介されての入場となります。
照明が古いせいか、ライトアップなどの演出はなしです。
通算600得点を達成した25番元木選手が表彰されます。
選手紹介、試合前セレモニーも終わり時間も14:00に。ついに試合スタートです。
豊田合成のヨアン・バラスケス選手がチームにフィット。視野が広がって一気に覚醒した?
まず開始直後に思ったのが、豊田合成のヨアン・バラスケス選手がめちゃくちゃチームにフィットしていたこと。
この選手は今年2月のvsジークスター東京戦、3月の日本選手権でも観たのですが、正直そこまでピンとくるものはなく。
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ジャンプ力はすごい。
滞空時間も長い。
スピードもある。
シュートの威力も凄まじい。
根本的なフィジカル、身体能力は化け物級。
でも、プレーが単調で読みやすいというのが(クソ素人の)僕の率直な印象でした。
パスを受けてもひたすら全力でシュートを狙うばかりで効果的なプレーができているとは言い難い。
もう少し空中でパスを出したりなどのプレーの幅や視野の広さが身につけば。
どちらにしろ現時点ではそこまでの驚異は感じないというか、バスケで言うところのシックスマン的な存在かな? などとクソ素人ながら思った記憶があります。
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ところが、約半年ぶりに観たバラスケス選手は……。
持ち前の滞空時間の長いジャンプを活かし、シュートの態勢からクルッと向きを変えて味方にパスを出す。ディフェンスを自分に引きつけてギャップを作り、そこに味方を走らせる。
いわゆる“くさび”となるプレーを身につけ、見事に成長? 変貌? を遂げておりました。
申し上げたようにバラスケス選手はもともとの身体能力、フィジカルは凄まじいものがある。
ここに空中でのボディコントロール、周りを見る冷静さが加わったことで一気に覚醒したというか。半年前までは半レギュラーだったのが今では完全にエースの立場を確立したと言えそうです。
大崎オーソルもバラスケス選手の成長に面食らったか、開始10分で立て続けに得点を許してしまいます。
最終的に26-22で豊田合成が勝利しているので、結果的に立ち上がりの失点が最後まで響いた感じです。
ハイレベルな首位攻防戦。素人の僕でもわかる熱気とスーパープレイの数々
上述の通り今回はリーグ1位と2位の直接対決、しかも11勝1敗同士の首位攻防戦。アリーナDJの方も言っておりましたが、この試合は今シーズン屈指のビッグゲームだったと断言できます。
開始直後に立て続けに得点を重ね、6点差で前半を折り返した豊田合成。
ですが、前半の終了間際に大崎オーソルが流れをつかみ、そのままの勢いで後半に突入します。
そこからは一進一退の展開が続き、残り1分で大崎オーソルが2点差まで詰め寄ります。
ですが、終了間際に豊田合成のキーパー中村選手のスーパーセーブが飛び出し万事休す。
最後は豊田合成が4点差をつけての勝利となりました。
そして、試合の流れ以上に驚いたのが両チームのレベルの高さです。
空中で身体を掴まれた状態から態勢を変えてパスを出したり、完全に崩されたところからオフロードパスをつないだり。
一度はディフェンスに阻まれても、地面すれすれの低空からサイドスローでシュートを決めたり。
どの選手も瞬間瞬間のボディコントロールが素晴らしく体幹も強い。
素人の僕が観ても「こりゃすげえ」というプレーが満載で、思わず「うおおっ!!!」と声が出そうになったのは1度や2度ではありません。
正直、前回のジークスター東京vsゴールデンウルヴス福岡戦は両チームの力の差が大きかったせいでそこまでハイレベルな印象はなく。
ジークスター東京が強くなってた。ゴールデンウルヴス福岡を圧倒。やっぱり補強は大正義w ハンドボール観戦楽しい
一方、今回は首位攻防戦の大一番ということもあり、ハイレベルさ、熱量は群を抜いていました。
まだまだ勉強不足で戦術などは理解しきれておりませんが、それでもこの試合が国内屈指の一戦だったことは何となく理解できた次第です。
勝利した豊田合成、すげえ嬉しそうww
対する大崎オーソルは試合後に監督が悔しそうにインタビューを受けておりました。
ちなみにですが、この日は最高気温が17度とのことで会場もかなり底冷えがしました。
ピッチ上もだいぶ寒かったと想像しますが、豊田合成の選手がプレー以外では必ずジャージを羽織っていたのに対し、大崎オーソルの選手はユニフォームのままだったのが印象に残っています。
考え過ぎかもしれませんが、こういう細かいケアの差が最後の最後に出た可能性も?
スポーツイベントとしては微妙だった。慣れている人には常識なのか? 2000円のイベントにガタガタ言うのもアレだけど
では、少々ネガティブなネタを。
久しぶりの現地観戦でしたが、やっぱりハンドボールはおもしろいです。
しかも今回は首位攻防戦ということで、上述のように両チームのプライドをかけた一戦は目が離せない熱戦となりました。
ところがスポーツイベントとしてどうだったかと言うと……。
申し訳ないことにちょっと厳しいというか、やっぱり社会人リーグなのかぁという印象です。
ただ、入場料2000円のイベントにガタガタ言うのもアレなので、ここから先は僕の言いがかりだと思っていただければ幸いです。
まず、この日は12:30頃に和光市総合体育館に到着したのですが、建物の中に入っても何階のどこが会場になっているのかがわからない。
目の前には「関係者以外立ち入り禁止」の表示があり、僕のような一般客がどこから入ればいいのか、何階に行けばいいのかの情報が見当たりません。
あれこれ目を凝らして探したところ、めちゃくちゃ小さい字で「一般客は3階」という案内が。
え、ちっさ笑
こんなんでホントに気づくの?
3階に行ってみると、なぜか受付け付近に人が並んでいる。
どうやらチケット受け付け&開場が13:00からとのことで、それを待っている人たちの列っぽい。
そ、そうなんすか?
HPには確か「観戦チケットは当日券のみ、12:00から販売開始」と記載があった覚えが……。
「チケット情報(ホームゲームについて)」
この瞬間、座席に座ってのんびり試合開始を待とうと思っていた僕の目論見は崩れ去りました。
で、何だかんだでようやくチケット購入の時間に。
ところが前の方を見ると、何やら受付けで名前確認をしている。
え? どういうこと?
よくわからんけど、まあいいや。
そのまま自分の番がくると、やっぱり当たり前のように名前を聞かれます。
つまり、チケットを購入するにはまさかの事前登録が必要だったわけです。
なん…だと……!?
そんな記載がどこに?
ただ、事前登録を済ませていない人も先着100人まで(!)ならその場で住所、名前を記載すればOKとのこと。
幸い列の最初の方だったので大丈夫でしたが、いや、マジか。どこに書いてあったんだよそんなこと。
というか、当日券のみの販売なのに事前登録ってのも……。
家に帰って改めてHPを見てみると……。
確かに書いてある。
「【一般観戦者専用】11/23(火・祝)ホームゲーム事前登録について」
てか、これは見つからねえっすわ笑
さすがに階層が深過ぎるでしょ……。
マジな話、これはどうなんでしょうか。
一見の人間にとってはあまりに敷居が高い気がするのですが……。
「チケット情報(ホームゲームについて)」だけ見て安心した僕が鈍臭かっただけかもしれませんが。
他の方が普通に受付けを済ませていたことを考えると、慣れている人にとっては常識なのかもしれませんね。
一見の人間にあまり優しくなかったなぁ。首位攻防戦&運営の鼻息の荒さに期待値が上がってたんですが
おかげで座席に座った時点でだいぶ萎えており、マイナスのテンションからのスタートとなったことを報告させていただきます。
初っ端の会場案内がクッソ小さかった時点で嫌な予感はしたのですが、とにかく一見の人間にあまり優しくないイベントだったなと。
試合がよかった分、商売っ気のなさが際立ったというか。
ジークスター東京のイベントが初心者にめちゃくちゃ優しいものだったので、同じ感覚で足を運んでそのギャップに驚かされた次第です。
ハンドボールの現地観戦が最高だった3つの理由。こりゃあ楽しいわw ジークスター東京vs豊田合成 in 墨田区総合体育館
いや、ハンドボールは運営の鼻息が荒いので期待値は高かったんですけどね。
リーグの代表理事の方も威勢のいいことをおっしゃってたし。
価値あるものを提供しているという原点に戻る必要があると捉えています。招待券配ってる限り、価値ないと言ってるのとほぼ等しいです。無料配信も同じ。今のハンドボールの収益力は危険水域。しっかり稼いで、環境整備、選手人件費等に投資していければと思っています。#JHLhttps://t.co/e3eVrKEvzc
— 葦原 一正 / Kazumasa ASHIHARA (@kazu_ashihara) October 2, 2021
11勝1敗同士の首位攻防戦なんて、言うなれば今の日本で実現できるMAXの試合なわけで。
理事自らが「価値あるものを提供する」「しっかり稼ぐ」と明言されているので、皮肉でも嫌味でもなく期待感は高くなる。
当然、この首位攻防戦には相当力を入れてくるだろうと考えていた時期が僕にもありました。
ジークスター東京のホームゲームが指定席で4500円。
大崎オーソルのホームゲームが当日自由席で2000円。
ジークスター東京のホームゲームのような楽しい体験ができるなら4000、5000円くらいなら全然払いますよというのが僕の意見だったりします。