中野幹士vsライース・アリーム。応援してたアリームさんが勝ったのは嬉しいけど中野幹士のバリエーションのなさが…。「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右(左)ストレートでぶっ飛ばす」だけでは頭打ちになる?【結果・感想】
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2025年11月24日にTOYOTA ARENA TOKYOで開催された「Prime Video Boxing 14」。
メインイベントのWBC世界バンタム級タイトルマッチ、那須川天心vs井上拓真戦をお目当てに現地観戦してきたわけだが。
那須川天心vs井上拓真現地観戦。最後まで「天心vsボクシング」だった。天心の試合で相手の応援が大きい状況は初めて。両陣営の対策に差を感じた。天心は接近戦の対応が…
今回はセミファイナルのIBF世界フェザー級挑戦者決定戦、同級5位中野幹士vs同3位ライース・アリーム戦についてである。
結果は3-0(115-112、116-111、118-109)の判定でアリームが勝利。現王者アンジェロ・レオへの挑戦権を獲得している。
一方プロ初黒星を喫した中野は戦績14勝1敗13KOとなっている。
中野幹士、IBF挑戦権逃す アリームにダウン食い3-0判定負けhttps://t.co/1rN2DXp1cw
— ボクシングビート (@beat_macc) November 24, 2025
- 1. 中野幹士を知らなすぎて。必然的にアリームさん応援になるよね
- 2. アリームさんのイメージは“強化版カシメロ”。でも中野の馬力、1発の威力を考えると…
- 3. 中野の追い足、前手のバリエーションが乏しい。4Rまではまったく噛み合わない試合
- 4. 5Rに掴んだアリームさん。逆ワンツーのテンポ、バランス感覚、柔軟性がすごかった
- 5. 既視感のある試合。今年5月の岩田翔吉vsレネ・サンティアゴ戦にはガッカリした
- 6. 帝拳プロモーションの選手がアウトボクサーに置いてきぼりを食うパターン。いつまで経っても工夫が見られないのが…
- 7. 「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右(左)ストレートでぶっ飛ばす」だけではどこかで頭打ちになる
中野幹士を知らなすぎて。必然的にアリームさん応援になるよね
上記の通り那須川天心vs井上拓真戦を目当てで足を運んだ「Prime Video Boxing 14」。
今回はもう一つのお目当て、セミファイナルの中野幹士vsライース・アリーム戦についてである。
ライース・アリームはS・バンタム級時代に暫定王座を保持、井上尚弥との対戦も希望していた。
2023年6月にサム・グッドマンに負けてからフェザー級に階級アップし2連勝。挑戦者決定戦のチャンスを掴んでいる。
アリームさんホントにコケたよ。サム・グッドマンに対策されて終始糞詰まり状態に。序盤は苦戦すると思ったけど1Rから自信たっぷりでしたね
アリームに関してはプロモーションの弱さから理不尽な扱いを受けることもあり、それなりに応援していた。
逆に中野幹士についてはちゃんと試合を観たことがなく思い入れもクソもない。
ぼちぼち思い入れのあるアリームさん(愛情を込めてさん付けで呼んでいる)と、まったく知らない中野幹士。
僕が応援するのはもちろんアリームさんである。
アリームさんのイメージは“強化版カシメロ”。でも中野の馬力、1発の威力を考えると…
試合前の展望は下記。
中野幹士vsライース・アリーム結構楽しみ。思い入れとしてはアリームさん応援。でも有利なのは中野かな。紆余曲折の末にチャンスが巡ってきたアリームさんがんばれ
僕の中でのアリームさんのイメージは“強化版カシメロ”。
遠間から一足飛びで距離を詰めるバネと躊躇のないフルスイングが持ち味の野生的なファイター。
その反面、攻撃パターンが少なく序盤に倒せなかった場合はダレる傾向がある。
相手のレベルが上がるにつれてKOが減り、近年は中盤から後半にかけてモタつく試合が増えている。
またフェザー級にアップして以降は横への動きが増えた印象。
猪突猛進型だったS・バンタム級時代に比べてアウトボクシングに傾倒しており、「サークルしながら踏み込みのタイミングを探す→数発打ち込んでパッと離れる」のが基本パターンとなっている。
階級アップに伴い極力危険地帯に留まらない意識が感じられる。
ただ、14戦全勝13KOの中野幹士と比べると……。
過去の映像を漁ると前に出る馬力、1発の威力、正確性は中野に分がありそう。
中野は自分から追いかけるタイプではなくディフェンス面も頭の位置が動かず芯でもらうシーンが目立つ。
アリームさんが中野を空転させるパターンもありそうだが、どちらかを選べと言われれば中野を推す。
応援するのはアリームさん。
勝敗予想は中野幹士。
アリームさんが勝つなら判定だと思うが、それには過去イチレベルのコンディションが必要になるのではないか。
だいたいこんな感じである。
中野の追い足、前手のバリエーションが乏しい。4Rまではまったく噛み合わない試合
結論としては中野の追い足、前手のバリエーションが思った以上に乏しかった。
僕は序盤こそアリームさんががんばるものの、徐々に中野の圧力で疲弊していくと思っていた。
中盤から後半、ラウンドが進むごとにフィジカル差が顕著になる→9、10Rあたりで足の止まったアリームさんを中野が仕留めると予想していた。
ところが中野にはその追い足、相手を逃がさない&得意の左につなぐための右が足りない。
そしてアリームさんはアリームさんで持ち前の踏み込みスピードを発揮する場面はほぼゼロ。中野の破壊力を警戒してか、パンチが届かない位置をキープし続ける。
中野がガードを上げてじりじり距離を詰める→アリームさんがサイドに動いてロープ際から脱出→リング中央からやり直すムーブが延々と繰り返される。
序盤4Rまではお互いクリーンヒットは数えるほど。
びっくりするくらい噛み合わない試合だった。
ノニト・ドネアがんばれ。堤聖也は強敵&相性もよくなさそうだけど何とか勝ってくれ。もしドネアが勝ったら血管がちぎれるくらい叫ぶことを宣言します笑
5Rに掴んだアリームさん。逆ワンツーのテンポ、バランス感覚、柔軟性がすごかった
だが5Rに入ると両者の距離がわずかに詰まる。
中野が追いついたというよりアリームさんが近づいた印象で、そう思った矢先に近場での交錯が発生する。
これまで通りアリームさんは中野が入ってくればサッとサイドに動く。
だが今度はそこで終わらず攻撃に転じる。
角度をつけた位置からの踏み込み、反撃姿勢が整う前に離れる。
中でも逆ワンツーのテンポがいい。
1発目は普通に右を出す→中野がこれをガード→そこから間髪入れずに2発目を打ち込む。
足が揃っていようが前のめりになろうが関係ない。
フォームがめちゃくちゃでもお構いなしに手を出し、すぐさま安全地帯に退避。
亀田京之介vsカシメロ。これは結構すごいんでないか? 最初は乗れなかったけど勝機がありそうだったのもこの試合。格上を喰うためにやれることをやる。来年の京之介vs渡邊海が楽しみになったぞ
アリームさんは“強化版カシメロ”と申し上げたが、あのバランス感覚、上体の柔軟性はカシメロにはないもの。
華麗なフットワークという感じではない+S・バンタム級時代の荒々しさもなくなっているが、とにかくやりにくい。

既視感のある試合。今年5月の岩田翔吉vsレネ・サンティアゴ戦にはガッカリした
同じことを思った方は多いと思うが、この試合はめちゃくちゃ既視感がある。
直近で思いつくのが2025年5月の岩田翔吉vsレネ・サンティアゴ戦。
ガードを上げて圧力をかける岩田に対し、サンティアゴがリングを広く使って的を絞らせずに判定勝利を挙げた試合である。
しかも岩田は2022年11月にジョナサン・ゴンサレスにまったく同じ負け方をしている。
さらに試合後のコメントもほぼ同じという。
・ゴンサレス戦後
「向こうの陣営が勝ったという雰囲気で『エッ』って思った。これが世界の採点なんだなと」
・サンティアゴ戦後
「正直な気持ちを言うと、これがボクシングなのかと。これで勝てるんだと」
僕は選手のコメントをそこまで気にする方ではないが、これには心底ガッカリしたことを覚えている。
岩田翔吉vsレネ・サンティアゴの既視感。試合展開、負け方がジョナサン・ゴンサレス戦とほぼ一緒。試合後のコメントまで同じなのは残念すぎるぞ
帝拳プロモーションの選手がアウトボクサーに置いてきぼりを食うパターン。いつまで経っても工夫が見られないのが…
そして今回の中野も岩田翔吉と同じパターン。
過去を振り返れば村田諒太vsロブ・ブラント戦や三浦隆司vsミゲル・ベルチェルト戦等、帝拳プロモーションの選手がアウトボクサーを捕まえられずに判定負けした試合は結構多い。
さらにどの試合も追い足のなさと前手のバリエーションの乏しさを感じる。
ガードを上げてにじり寄るスタイルだと足の速い相手に手間取るのは仕方ないが、その足を止める手立てが見られないのが……。
用意した作戦が通用しなかった際の対応、プランBのなさがSNSや掲示板で指摘されていたが、プランBというよりそもそもの工夫が足りていない気がする。
「何回同じ負け方しとんねん」
「プランどうこう以前に足の速い相手に置いてきぼりを食うパターンを何とかせえよ」
“プランB”に引っ張られすぎだけど村田諒太、岩田翔吉×2、中野幹士とガードを上げてにじり寄る系の選手が同じパターンで負け続けてるのに工夫が見えないのは陣営の問題が大きいって話でしょ。
あとトレーナーを代えろって言うけど、技術を教える能力と相手を分析して作戦を立てる能力は別物だからな。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 26, 2025
「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右(左)ストレートでぶっ飛ばす」だけではどこかで頭打ちになる
ちなみに帝拳プロモーション所属の一点突破系のサウスポーは山中慎介、三浦隆司、中野幹士、増田陸あたりだろうか。
その中で同じパターンで負けているのが三浦と中野。この日負傷判定勝利を挙げた増田陸も実は危なかった。
山中慎介のように1発ですべてを終わらせる左があれば関係ないが、ガードを上げてにじり寄るスタイルだと相性の悪い相手にはとことん苦戦する。
そして、何年経ってもその部分での工夫が感じられないと申し上げている。
堤駿斗vsカイス・アシュファク。サウスポーを追いかける動きが井岡一翔そっくり。弟の麗斗もそうだけど堤兄弟ってナチュラルに分厚いよな。上半身のゴツさ、力感が全盛期のカネロと被る。井岡のインテリジェンスとカネロの馬力
アジア圏なら「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右(左)ストレートでぶっ飛ばす」でクリアできてもそこから先は頭打ちになる。
アリームさんのように日本(やアジア圏)にいないタイプと遭遇した際に手詰まりになる。
これは選手だけでなく参謀の問題も大きいのかもしれない。
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