三代大訓vsアンディ・クルス。力の差は大きかったしどんな対策を立てたかすら伝わらなかったけど、ところどころ通用する部分もあった。それもひっくるめて国内ではノウハウが広がらないのかもしれんね【結果・感想】

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2025年6月14日(日本時間15日)に米・ニューヨーク州で行われるIBF世界ライト級挑戦者決定戦、三代大訓とアンディ・クルスの一戦は5R1分13秒TKOでアンディ・クルスが勝利。現IBF王者レイモンド・ムラタラへの挑戦権を獲得している。
三代大訓無念の完敗
クルスに5回TKO負け、IBFライト級挑戦権逃す
📸Sumio Yamadahttps://t.co/ABSqqGdnI4 pic.twitter.com/V3PaCJsaDD— ボクシングビート (@beat_macc) June 15, 2025
2020年東京五輪金メダリストアンディ・クルスと日本の三代大訓による挑戦者決定戦。
ある日唐突に(僕の中では)発表された試合だったこともあってそれなりに注目していたのだが。
結果はアンディ・クルスの5RTKO勝利。
2度のダウンを奪う圧勝で、ある意味戦前の予想通り(ブックメーカーのオッズは7.5:1だったとか)となった。
というわけで今回はこの試合の感想を適当に言っていく。
中谷潤人vs西田凌佑。中谷の野生味、アドリブ力が西田の作戦遂行能力を上回る。西田のプランを力でぶっ壊した中谷。中谷ってもともと草食男子の振りした戦闘民族ですよ?
両者の得意分野が似ていて三代にとっては厳しい。見どころは三代陣営の対策
まず試合前に両者の映像を眺めた展望が下記。
ノニト・ドネアvsカンポス、タノンサックvsクリスチャン・アネラタ、三代大訓vsアンディクルス。今週末から来週の注目試合。ドネアの復帰戦が楽しみすぎる&タノンサックは世界王者になれ&三代は…
三代もアンディ・クルスも鋭いジャブとフットワークが持ち味のアウトボクサー。
距離と見切りでパンチを回避しつつ角度を変えながらジャブ、ワンツーでペースを掴む。
そして、ほぼすべての面で三代はアンディ・クルスに及ばない。
上回っているのは身長くらいで、いつも通りジャブの差し合い勝負をしたら蜂の巣にされるのではないか。
恐らく陣営も厳しいことは把握しているはず。
その上で何ができるか、アンディ・クルスをどう崩すかに注目している。
勝敗予想はアンディ・クルスの後半KOだが、三代陣営の作戦がドンピシャでハマれば何かが起きる? かも?
だいたいこんな感じである。
正直、両者の得意分野が近すぎて普通の立ち回りでは三代が勝つのは難しい。
そこをどう覆すのか、もしくはアンディ・クルスが意外と大したことないパターンもあるのか。
一番の見どころは三代陣営の対策かなと思っていた。
立ち上がりは「もしかしたら」と思ったけど…。アンディ・クルスが見せた「これは大丈夫」という表情
結果は上記の通り5R1分13秒TKOでアンディ・クルスが勝利。
三代大訓にとっては完敗というか、思いっきり力の差を見せつけられての敗戦である。
特にアレだったのが、アンディ・クルスが2Rに見せた「これは大丈夫だな」という表情。
立ち上がりから両者の鋭いジャブが交錯する展開、三代のパンチもちゃんと当たっている。
僕も「お、これはもしかしたら」と思ったし、「身長以外はすべて下回っている」などとほざいたことへの謝罪の準備をしていた笑
だがアンディ・クルスはジャブ、ワンツーのバリエーションが凄まじい。
まっすぐ最短距離を打ち抜くだけでなく、微妙に外旋回にしたりタイミングを変えたり。
さらに三代の踏み込みに合わせてバックステップ→安全圏に退避→リターンまでがめちゃくちゃ速い。
三代も距離の調節に長けたタイプだが、アンディ・クルスはワンランク上の印象である。
で、2R中盤〜後半あたりの「大丈夫だな」という表情。
一見そこそこやれているようで、要所で力の差を見せつけられる。
この時点で3R以降の嫌な想像が浮かんでしまった。
那須川天心vsビクトル・サンティリャン。「天心ナイスファイト!!」と思った直後の落ち込み具合に驚いた。天心が一番力を発揮できるのはパーネル・ウィテカーだと思うけど燃費が悪い&両立が難しいんだよな
右が当たるとバレたのがキツい。国内基準では表面化しなかった悪癖が…
何よりしんどかったのが、早い段階で右が狙い目なのがバレたこと。
三代は距離で外すアウトボクサーだが、その反面顔の位置があまり変わらない。
さらに今回はアンディ・クルスのジャブ、踏み込みスピードに回避が間に合わずまともにもらうシーンが目につく。
そして序盤2Rまでにガードの外から打ち込む右が狙い目だとわかってしまった。
フック気味? の右を被弾して一瞬身体が硬直、その間に追撃を受ける。
このパターンでダメージが蓄積し、何度目かでついにダウンを喫する。
三代大訓は国内ではハイレベルな選手だが、アンディ・クルスはさらに上にいる。
顔の位置が動かないという悪癖? もこれまでは致命傷にはならなかったが、今回はあっという間に表面化してしまった。
申し上げた通り両者は得意分野が似ていて、まともに勝負しても三代の勝ち目は薄い。
そこを覆すために陣営がどんな作戦を立てるかに注目していたのだが、結論としてはよくわからなかった。
アンディ・クルスが強すぎてそこまで至らなかったのか、もしくは差し合い勝負でどうにかなると考えていたのか。
マジで何とも言えない。
アフマダリエフがルイス・カスティーヨにTKO勝利。これ系の選手があまり得意ではないんだろうね。ダニエル・ローマンとちょっと似てたし。9月の井上尚弥戦は本当に期待してるぞ
場面場面では通用する部分もあった。やりようによっては! とは思うけど…
完敗には違いないが、ある程度通用した部分もあったと思う。
序盤のジャブ、ワンツーはちゃんと当たっていたし、強引に距離を詰めた際はアンディ・クルスが嫌そうな表情を浮かべていた。
4Rにカウンターのアッパーで後退させるなど、場面を切り取れば決して悪くはなかった(と思う)。
たとえば中間距離では極力単発で勝負するとか。
あえてガードを上げて中に入ってボディ、アッパーを狙うとか。
やり方次第ではもう少し何とかなったのかな? と思わないでもない。
と同時にそれも経験値なのだと思うが。
先日の力石政法や亀田和毅もそうだが、負けたと言っても一方的にやられたわけではない。
怪我を抱えていた力石はともかく和毅などは勝てる試合だったまである。
亀田和毅vsアンジェロ・レオ。和毅は肉薄したけど最後の一歩がデカい。元祖亀田家スタイル(親父のボクシング)がフェザー級王者にも通用したのは感動したよ
“もう少し”を埋めるのが難しいんだろうね。初見の相手への対応、幅の広さを身につけるには環境も大きい気がする
日本のトップ選手が海外選手に力の差を見せつけられる試合は過去何度もあったが、「あそこをこうしていれば」と思うことも同じくらいある。
そして、その“もう少し”を埋めるノウハウが不足しているのかな? とも思う。
たとえば三代大訓と互角以上の差し合いができる相手をアジア圏で見つけるのは難しい。
アンディ・クルスほどでなくてもスピードと正確性、バリエーションを兼ね備えた選手。
2023年4月に韓国で対戦したジュン・ミンホがそれに近かったが、基本的には自分の長所を押し付けて勝ってきたわけで。
例えとして適切かはわからないが、同じ相手と何度も対戦するプロ野球選手よりも一発勝負の大学生の方が初見のピッチャーに強かったりする。
長いシーズンを見据えればプロの方が技術も体力も上だが、「よーいドン」の短期決戦はトップアマの方が得意というのはマジである。
そういうアドリブ力、初見の相手に対応する幅の広さを身につけるにはどこを拠点にしているか、普段どんな環境に身を置いているかが大きい(気がする)。
そして、この先もずーっと同じことを言い続けると想像する。
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