亀田兄弟の今後が見えた? これが亀田の進む道。日本ボクシング界の常識をひっくり返せ【しゃー、おらー!!】
先日、亀田3兄弟と亀田プロモーション、その代理人を務める北村春男弁護士が日本ボクシングコミッション(JBC)とJBC理事10人を相手取り、総額6億6000万円の損害賠償請求訴訟を起こしたことが発表され、にわかに世間をにぎわせた。
「亀田和毅日本復帰!! また亀田の試合が観られるぞ。協栄ジム所属でライセンス申請」
この件についての世間の反応は概ね否定的で「金儲け訴訟だ」「最近テレビに出ていたのは、この裁判のためのイメージ戦略だったんだ」といった辛辣な意見が多く見られる。
僕自身は先日の記事でも長々と申し上げたとおり、この訴訟は非常におもしろいと思った。もしかしたら日本のボクシング界のしょーもない部分にメスを入れてくれる可能性のある訴訟なのではないかと、意味不明にワクワクしてしまっている。
「亀田兄弟がおもしろいこと始めたぞ!! JBCに6億6000万訴訟? 北村弁護士と強力タッグで損害賠償裁判スタート」
トレーナー? タレント業? 亀田に似合わないんじゃないの?
今回の訴訟報道を受けてあれこれと調べているうちに、僕の中でいまだかつてないほど亀田兄弟への興味が増しているww
2015年10月に河野公平に敗北を喫した亀田興毅が引退を表明した直後、彼の今後については多くの憶測記事が溢れた。
有名スポーツ選手の引退後の進路で最も多いのが競技指導者になることだが、亀田興毅もご多分にもれず指導者への道に進むのではないかという意見が多くを占めていた。トレーナー業をこなしながら、たまにボクシング中継の解説者として画面に映るというお決まりのパターンに収まるだろうと多くの方が予想していた。
「内山vsコラレスの敗因? 経験知不足、国内専門王者の弊害」
また、コメンテーターやタレントに転身するという予想記事もあり、いずれにせよ抜群の知名度を活かしたメディア出演の方向に進むのではないかとも思われていた次第である。
ただ、個人的にはこういった報道にはちょっとした違和感を感じていた。
スポーツ選手の引退後の進路としてベタなところでは飲食店という道もあるが、それを含めて亀田興毅にはそぐわないように思っていたのである。
「亀田興毅、河野に判定負け!! ダウンも奪われ完敗、試合後に引退を表明」
亀田がトレーナー? コーチ業?
JBCの枠組みから弾き出された人間が今さらJBC管轄内で?
亀田がタレント?
あれだけ嫌われてるのに需要あんのかいな?
最初はいいけど絶対行き詰まるんじゃないの?
飲食? それはないわ~ww
いろいろな方がドヤ顔で亀田興毅や亀田兄弟の今後について進言していたのだが、どれもいまいち説得力に欠けていて僕の興味を引くものではなかった。
だが、今回の6億6000万円の訴訟や係争中である各種ライセンス回復を求める地位確認訴訟を見聞きしているうちに、亀田兄弟の進むべき道がちょっと見えたような気がしてきたのである。
「内山国内防衛ワロタ _( ̄▽ ̄)ノ彡 だから言っただろww 大田区総合体育館を想定しておけと」
亀田兄弟には海外専門のマネージャー業に携わってもらいたいですね
よくも悪くもビジネススタイルが確立されている日本のボクシング界ではあるが、先日の記事でも申し上げたとおりビジネスモデルとしての課題は明白すぎるくらい明白。
海外進出の手立てのなさ。
ここである。
「伊藤雅雪がディアスを下して王座戴冠。だから男は顔だとあれほど…w 日本人のレベルが低いとか絶対嘘だからな」
内山高志しかり山中慎介しかり、全盛期の長谷川穂積しかり。
日本に収まりきらない強さを持った選手が海外挑戦を望んでも、その部分のルートがガバガバなために交渉が滞ることが多すぎるのである。
特に長谷川穂積などは海外進出を叫ぶだけで一向に話が進まず、選手としての全盛期を逃してしまった。今では話自体が光のかなたに立ち消えるという残念な結末を迎えている。
「長谷川穂積辛勝!! カルロス・ルイスに2度のダウンを奪われながら僅差判定勝ち」
1996年のアトランタ五輪で日本サッカー代表が強豪国ブラジルを敗った試合を覚えている方は多いと思う。のちに「マイアミの奇跡」と呼ばれ、圧倒的に戦力で劣る日本がワンチャンスをものにして勝利を掴んだ伝説の試合である。
あの試合で大活躍したFW前園真聖が海外クラブから多数のオファーを受けたが、当時は日本の選手が海外に進出すること自体がイレギュラーだったためにどうすればいいのかがまったくわからなかったという。
僕にはこの状況が、ここ数年の日本ボクシング界と似ているように思えて仕方がない。海外進出のノウハウがないためにせっかくのチャンスを逃してしまうという状況である。
ひと言で言うと、サッカー界と比べて日本のボクシング界は20年遅れているのである。
要するに選手の海外進出を斡旋する代理人(マネージャー)の不足が根本的な原因なのだが、亀田兄弟にはここを埋めてほしいと思うのだ。
現在の日本ボクシング界は誰がどう見ても黄金期である。大みそかのボクシング中継を観るだけでもそのレベルの高さをうかがい知ることができるはずだ。
「亀田和毅は日本ランカーと試合しなさい。協栄ジムで練習しなさい。いやいや、なぜそんなことが言えるの?」
現役の世界王者は10名を数え、その中でも国内ではすべてやり尽くした感のあるほどの強さを持つ選手もいる。内山高志や山中慎介はもちろん、中でも「怪物」の異名を持つ井上尚弥は別格と言われている。しかもまだ若干22歳という若さである。さらに同じくらいのポテンシャルを持つと言われている弟も虎視眈々と世界トップ戦線を狙っている状況だ。
僕の予想だが、このボクシング界の黄金期はよっぽどのことがない限り向こう4、5年は続くのではないだろうか。
「井上尚弥強し!! パレナスをまったく寄せ付けずに2RでのKO勝利!!」
そこで亀田家の登場である。
亀田3兄弟には海外進出の経験を活かして、日本の有力選手の海外進出を斡旋するパイプ役を担ってもらいたい。JBCから追放されたことを逆の意味で強みとして、海外専門のマネージャー業を展開してもらいたいのである。
特に三男和毅の存在は大きい。
・スペイン語が話せる(英語もちょっとできる?)
・敏腕マネージャー、アル・ヘイモンとの人脈
・元世界王者
どうだろうか。
どう考えても海外専門のマネージャー業をやるべきだと思うのだが。
「無策の亀田和毅、マクドネルとの再戦に完敗。ダウンも奪われ王座奪取ならず」
始めのうちはあまりおいしい仕事にはならないだろうが、そう遠くない将来ビッグビジネスが転がり込む可能性は高いと思う。
少なくともJBCの管轄内で地道にトレーナー活動に精を出すよりよっぽど亀田兄弟に合っているのではないだろうか。
もちろん3兄弟に対して嫌悪感を持つ選手もいるとは思うが、この際そういう個人的な感情は引っ込めて、夢をかなえるためのビジネスパートナーとして亀田兄弟を利用すればいいのである。
アジア諸国でボクシングの底辺拡大? それは絶対にやるべきだ
確か引退直後の亀田興毅がトーク番組(ワイドナショーだっけ?)に出演したときだったと思うが、今後の展望を熱く語っていたことを覚えているだろうか。
「今の自分があるのはボクシングのおかげなので、今後はボクシングに恩返しをしていきたい。特にアジア諸国のボクシングの底辺拡大を進めたいと思っている。たとえばミャンマーやスリランカなど、コミッションもない国でのボクシング市場を開拓したい。そういった地域から世界チャンピオンが生まれればアジア諸国でボクシングが盛り上がるし、必然的に日本も盛り上がるはず」
確かこんな内容だったと記憶している。
これを聞いたスタジオのタレントの反応は一様に「へぇ〜、すごいね〜、立派やね〜」というものだった。
そして視聴者の間でも「亀田興毅はしっかりしている」「頭の回転が速い」「真面目で気遣いができる」といった印象を持った方が多かったようである。
ただ、僕はそんなことより「ボクシングの底辺拡大を目指す」という考えはなかなかいいのではないかと思ったことを覚えている。
ボクシング未開の地への進出。
一見理想とロマンに溢れた慈善事業に思えるが、その実態は「手つかずの土地を耕して独占市場を作り上げてやろう」という大いなる野望である。
可能性のある後進国にいち早く進出して、市場の独り占めを目論む新興国ビジネス。まさしく「恩返し」という名の金儲けだ。
どれだけの費用対効果が望めるか、亀田側の資金繰りがどこまで持つかにかかっているが、ボクシングビジネスの先行投資先としては決して悪くない。
さらに言うと、ボクシング界の手つかずの部分を開拓して市場の独占を狙うという意味では、先述した海外専門のマネージャー業と通ずるものがある。
本人に才覚があるのか目鼻が効く参謀がいるのかはわからないが、やろうとしていること自体はちょっとおもしろいと思わないだろうか。時間はかかると思うが、ぜひとも実現させてもらいたい。
亀田兄弟は絶対に裁判に勝て。そして3兄弟の力を結集してボクシング界の常識を覆せ(いい意味で)
繰り返しになるが、今僕の人生の中で亀田3兄弟への興味が最高潮に達している。
3本の矢ではないが、新しいビジネスを始める上で深い絆で結ばれた3兄弟というのは圧倒的な強みを発揮するのではないかと思う。
長男興毅は亀田プロモーションの代表としての実務。係争中の裁判であったり、新興国への進出であったり。
次男大毅にはタレント業やトレーナー業を含めたメディア出演を任せて当面の活動資金を稼いでもらう。あいにく亀田家の中でも最も多くの問題を起こしただけあってエピソードには事欠かない。
そして三男和毅にはこれまでどおり現役生活をがんばってもらい、来るべき海外専門のマネージャー業に向けての足固めを進める。ボクシング界で幅を利かせられるような人脈と実績作りを同時進行で実現してもらうのである。
なんといっても知名度もあり、若くてフットワークの軽い人間が3人もいるのだ。1人では手が回らないことも3人いれば実現できる。期待感は高まるばかりである。
ダラダラと書き連ねてきたが、亀田家は今回の裁判には絶対に勝たなくてはならない。資金の面でも活動の範囲を広げる意味でも負けることは許されない。
損害賠償金はもちろん、マネージャーライセンスやプロモーターライセンスは間違いなく必要になるときがくるはずである。
新興国ビジネスにおいても海外専門のマネージャー業においても、亀田ジムとしての機能を回復しておくことは可能性を広げる一助になることは間違いない。
結局のところ、裁判での勝利こそが野望達成の第一歩となるのである。
なんつーか、がんばれ亀田一家。
そんな感じで今回の妄想記事を終わろうと思う。