日本10-41アイルランド。今の日本がアイルランドに勝つならあれしかない。ラストの失速も本気でジャイアントキリングを狙いにいった結果だよね【2025.11.8ラグビー感想】
ラグビー「リポビタンDツアー」第3戦、2025年11月8日にアイルランド・アビバスタジアムで日本代表が地元アイルランドと対戦、10-41で敗戦している。
試合終了⏱️
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先々週のオーストラリア戦、先週の南アフリカ戦に続いて強豪国との対戦となった日本。
前半は10-17と1トライ1ゴール差で折り返すものの、後半に入るとアイルランドの猛攻を抑えきれず3本のトライを許し31点差をつけられて完敗。日本のトライは前半37分に挙げた1本のみとなっている。
- 1. 強豪国相手に3連敗。この負け方だといよいよHC交代にも現実味が?
- 2. 実はこの日の日本はそこまで悪くない。アイルランドは鉄壁のディフェンスが持ち味のチーム
- 3. 日本が勝機を見出すにはあれしかなかった。後先考えずに“超速ラグビー”で勝負した
- 4. 20点差くらいの負けかな? と予想していた。一定の評価を得るならそれでもOKだけど…
- 5. 後半になっても“超速ラグビー”で敵陣深くまで攻め込んだ。できればキックをもう少し使いたかったけど
- 6. ラスト15分の失速は仕方ない。本気で勝ちにいった結果ですよ
- 7. 前半のラスト、PGではなくトライを狙いにいっていれば…。勝利を目指すならあそこで日和ったらダメよ
強豪国相手に3連敗。この負け方だといよいよHC交代にも現実味が?
日本10-41アイルランド。
これでオーストラリア、南アフリカに続いて強豪国相手に3連敗となったわけだが。
前半を10-17で折り返す→後半に1人多い状況で得点できず&逆に失点してそのままズルズル差を広げられる。
負け方としては最悪と言っていい部類で、いつも通りエディー・ジョーンズへの批判も多く聞かれる。
オーストラリア戦でやや沈下した解任論も再燃している印象である。
日本vsオーストラリア、15-19で惜敗。オーストラリアはそこまで強くはなかったけど日本は一定の成果は得られたのでは? 去年のイングランド戦で「“超速ラグビー”に少し希望が見えた」って言ったけど
これはそろそろ目に見える結果が必要。早急に周りを納得させないとHC交代もいよいよ現実味を帯びてくるのではないか。
実はこの日の日本はそこまで悪くない。アイルランドは鉄壁のディフェンスが持ち味のチーム
一応言っておくと、僕はこの日の日本をそこまでダメだと思っていない。
ここ数戦でチームが向上した、成果が出始めていると申し上げたが、今回もそんな感じ。去年に比べればだいぶよくなっていると思う。
アイルランドは伝統的にディフェンスが固いチーム。
面で出る意識と“立ってプレーする”意識がめちゃくちゃ高い。
ギャップを作らず横一線でプレッシャーをかけてゲインを切らせない、密集からすぐに立ち上がってラインに戻る。
これらを徹底することで失点を20点前後に抑え、自分たちは30点前後を取る。毎試合10点差くらいの接戦を制するイメージである。
現状、アイルランドのディフェンスに対抗できるのはニュージーランドくらい。世界1位の南アフリカでさえこの鉄壁のディフェンスには手を焼いている。
日本が勝機を見出すにはあれしかなかった。後先考えずに“超速ラグビー”で勝負した
はっきり言って今の日本がアイルランドとまともに勝負しても歯が立たない。
そこで選択したのが出だしからフルスロットルで勝負をかけること(だと思う)。
素早い球出しからの細かいパス回し。
コンタクトの瞬間に近くのフォロワーにショートパス→正面衝突を避け、半身ずらしたアングルでゲインを切る。
極力コンタクトをしない、相手の準備が整う前に展開するやり方。
いわゆる日本が掲げてきた“超速ラグビー”そのものである。
今までは序盤に飛ばし過ぎてガス欠→足が止まって防戦一方になるのが負けパターンだったが、今回に限ってはそんなことを言っている場合ではない。
体力のあるうちに動きまくってディフェンスをこじ開ける必要がある。
後先考えずに勝負したのは間違いではなかったと思っている。
苦戦続きのラグビー日本代表。今の「超速ラグビー」をあと3年弱で成熟させる? 若手を見出す期間? 散々連呼してた「にわかファン」は置いてきぼりっすか?笑
20点差くらいの負けかな? と予想していた。一定の評価を得るならそれでもOKだけど…
なお僕は今回「負けるとしても20点差くらいに抑えられれば上出来じゃない?」と漠然と思っていた。
申し上げたように今の日本がアイルランドに勝つのは難しい。
前回の南アフリカほどではないが、世界3位の強豪国をどうにかできるとは思えない。
特に攻撃面は相当苦労するはず。
その中でもなるべく失点を少なくできれば。
たとえば20点差くらいの負けなら一定の評価は得られるはず。
そんな感じでもう少し手堅く(前半は抑え気味で)行くと予想していた。
ところが実際には日本は本気で勝ちにいっていた。
勝機があるとすればスピーディなパス回し+コンタクトの瞬間にズラして裏に出る作戦。体力を考えれば先行逃げ切り以外あり得ない。
チャンスでポロポロする、焦ってミスを重ねるいつものパターンで得点こそ伸びなかったが、格上相手にジャイアントキリングを狙いにいったことはめちゃくちゃポジティブ。
エディー解任論が噴出する中、僕の感想はむしろ逆だったりする。
いいぞ日本代表、その調子で進んでいけ。
みたいな。
超速ラグビーの現在地。イングランドとの2試合で何が変わったか。スタッツを見ると少しだけ希望が出る? エディー・ジョーンズのコメントも納得できるよね
後半になっても“超速ラグビー”で敵陣深くまで攻め込んだ。できればキックをもう少し使いたかったけど
また後半10分過ぎ(だっけ?)に“超速ラグビー”で敵陣深く攻め込んだのもよかった。
以前であればあの時間帯は足が止まってディフェンス一辺倒だったところ。
前半飛ばしまくった上で後半になってもアレができるのは成長の証と言えるのではないか。
去年に比べて無駄な横走りや焦りまくってのハンドリングミスは減っている。
やはり後半に入っても失速しないコツを掴みつつあるのだと思う。
あとはまあ、ディフェンスの裏へのキックをもう少し蹴れれば。
“超速ラグビー”が機能し始めていると言ったが、80分間アレを継続するのは不可能。
どこかで抜く場面は必要だし、試合の流れを変える意味でもディフェンス裏へのハイパントは効果的である。
キック処理のヌルさを加味してあえて減らしたのかもしれないが。
ラスト15分の失速は仕方ない。本気で勝ちにいった結果ですよ
ラスト15分の失速はもう仕方ない。
この日の日本は前半から本気で勝ちにいった、格上相手にジャイアントキリングを起こそうとしていた。
「負けたけどがんばった」という評価には見向きもせず、である。
またアイルランドは日本が細かいパス回しが苦手なことを把握していたのではないか。
SOとインサイドCTBの間隔を広めに取り、ランナーを走らせて外に大きく回す。
日本はこれを毎回大外で止める。
走力とアングルでズラされ、ゲインを切られながら飛びつくディフェンスを繰り返し強いられる。
アレを何度もやられれば体力も削られるしメンタル面の蓄積もあったはず。
徐々にプレーが雑になったところで27分にとどめのトライ。これで日本選手にあきらめの表情が浮かんだのが印象的だった。
日本7-61南アフリカ。9トライを奪われ完敗。でも今回は仕方ない。南アフリカが強すぎた。これに勝てるチームが地球上に存在するの? ってくらい。実は日本も悪くなかったしね
前半のラスト、PGではなくトライを狙いにいっていれば…。勝利を目指すならあそこで日和ったらダメよ
下記のエディーのコメントに批判が集まっているが、正直言いたいことはちょっとわかる笑
数的有利でスタートした後半に1本取れていれば流れが変わっていたはず。
🌸ラグビー日本代表🌸
エディーHC
「HTまでは勝ったと思った」
数的有利を生かせずアイルランドに完敗#ラグビー日本代表 #リポビタンDツアー2025 https://t.co/OtKFu5Xyes— スポニチラグビー2025 (@sponichi_r) November 8, 2025
もっと言うと前半のラスト、PGではなくトライを狙うべきだったのではないか。
繰り返しになるが、今の日本がアイルランドに勝機を見出すなら先行逃げ切りしかない。
体力のあるうちに取れるだけ取って後半踏ん張る。
その最後のチャンスがあの局面だったと思うのだが。
これは後出しではなくリアルタイム視聴していて思ったこと。
せっかく開始直後から全力で勝ちにいっていたのに肝心のところで日和ったらアカン。
あそこでPGを選択した時点で「ああ、勝つのは難しいな」と思ったことをお伝えする。
もしかしたらトライを取る確率の低さを加味したのかもしれない。
今の日本はゴール前以外でほとんどトライを取れていない。チャンスでポロポロするパターンが如実に出ているわけだが、この現状を打破するのが近々の課題だと思う。
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エディー戦記<だからラグビーは面白い>
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