日本がロシアを粉砕。球際とパスワークで差をつけ30-10で勝利。今の日本は強いから安心しれ【2019.9.20ラグビーW杯】

日本がロシアを粉砕。球際とパスワークで差をつけ30-10で勝利。今の日本は強いから安心しれ【2019.9.20ラグビーW杯】

ラグビーボールイメージ
2019年9月20日、東京スタジアムで行われたラグビーW杯開幕戦。A組初戦を迎えた日本代表はロシア代表と対戦し、30-10で勝利。開始直後にミスを連発するなど前半はやや苦しんだものの、後半持ち直して勝利を挙げ目標とするベスト8に向けて順調なスタートを切った。

 
開始直後のキックオフボールでいきなりハンドリングミスをおかした日本。さっそく自陣でのディフェンスを強いられ、前半4分には先制のトライを許す苦しい立ち上がり。
 
だが、徐々にロシアのプレッシャーに対応し、11分にはウィング松島幸太郎がトライを奪い返し5-7と追い上げる。
その後もペースをつかんだ日本はキックディフェンスからのカウンターでロシアを攻め、38分には再び松島がトライを決めて逆転。
 
後半に入っても流れを渡さず、ロシアを前半の1トライ後は1PGに抑えて30-10で勝利。見事に自国開催の初戦に勝利した。
 
「日本は奇跡ではなく、アイルランドに勝つべくして勝った。ここまで作戦がすべてハマるとは…!!」
 

勝ってよかったな。自国開催の初戦でプレッシャーがすごかったみたいだけど

まず、何より今回は勝ってよかった。
 
2015年W杯の快進撃から4年。
自国開催での初戦は格下と言われるロシア。
詰めかけた観客数45,745人。
 
勝利以外に選択肢がない状況の中、プレッシャーも凄まじかったと想像する。
特に前半はキックの目測を誤るシーンが目立ち、大敗を喫した前戦の南アフリカ戦と同じ展開になるのでは? とハラハラした方も多かったのではないか。
 
だが、その状況でも中盤からしっかり立て直し、エース松島幸太郎の3トライを含む計4トライを挙げて快勝。内容的には満足いくものではなかったかも知れないが、とにかく今回は勝てたことがすばらしい。
 
 
そして、会場の雰囲気にはテレビ越しにも圧倒されるものがある。
さすがはオリンピックやサッカーW杯に次ぐ国際大会。いくら公式サイトでチケット購入をチャレンジしてもとれなかっただけのことはある(ん?
 
「ラグビーW杯2019南アフリカ優勝。タックル、セットプレー、モール。南アフリカの持ち味がイングランドをノートライに封じる」
 

展開的にはだいたい予想通りだったかな。ロシアは間違いなく強いが、日本の方が上

具体的な内容についてだが、だいたい想像した通りの展開だったなと。
 
・格下扱いされているが、ロシアは弱くない
・フォワードが強く、縦突進中心のチーム
・ただ、攻撃のバリエーションが少なく意思疎通も感じられない
・ディフェンスは前で止める詰めのスタイル
・日本も同様で、前に出るディフェンス
・横の動きとつなぎは日本の方が上
 
両チームとも前に出るディフェンスなので、お互いにボールが地面を転がるシーンが増えるのではないか。
ただ、全体的には日本の方が実力は上。特に横の動き、外側のスピードに加えてタックルを受けてからのつなぎは間違いなくロシアを上回る。
 
なので、普通にやれば10〜15点差くらいで勝てると予想する。スコアとしては30-15とか35-25とか。
 
「日本vsロシア予想。格下扱い? 初戦は勝てる? いや、意外と強いぞおそろしあ」
 
で、結果は30-10で日本の勝利。
思った通り日本のオフェンスが機能し、思った以上にロシアは攻撃パターンが少なかった。会心の勝利とまではいかないまでも、まずまずの出来と言っていいと思う。
 

キックと縦突進で日本に挑んだロシア。だが、攻め手が少なくすぐに手詰まりになった

今回のロシアの作戦はキックと縦突進。
強靭なフィジカルを活かした縦突進でディフェンスを下がらせ、ハーフとスタンドがハイパントを蹴る。相手のカウンターを敵陣で早めのタックルで潰し、ターンオーバーを狙う。
 
W杯が開幕して何試合か観るとわかると思うが、ラグビー界はこの数年でキックを多用するチームが一気に増えている。
ボールを持って走るよりもコンタクトを少なく地域を稼ぐことができ、なおかつターンオーバーも狙える。日本を含め、キックを多用する戦術は世界的なトレンドになっているのだと思う。
 
ただ、この作戦はもろ刃の剣で、確実性という意味ではやや低い。
常に空中戦に持ち込めるような精度の高いキックが要求され、毎回キックチェイスに走るフィットネスも必要になる。必ずタックルで止められるとも限らないし、少しでも出足が鈍れば相手にカウンターのチャンスを与えることにもなる。
 
体力が落ちればセットプレーでの出足にも影響し、そのまま試合の流れを失う危険性もある。
メリットも大きいが、その分リスクを伴う戦術と言える。
 
「日本vs南アフリカ感想。先にバテたのが日本だったな。自陣にくぎ付けにされたのが…。田村負傷、姫野通用せず」
 
そして、今回のロシアチームがまさにこれ。
キックにこだわり過ぎたせいで体力を失い、ディフェンスの出足が止まって崩れた。
 
攻撃のバリエーションが縦突進しかないのでディフェンスはしやすい。なおかつ、手詰まりになったところで必ずハイパントを蹴るので備えも十分に効く。
恐らく日本が南アフリカのキック戦術に苦戦したのを受けてのものだったと思うが、さすがにあれだけ蹴ればね。
 
ハーフタイムで解説も言っていたが、ハイパントが上がった時点でキックに備えて5人が下がっていた日本はさすがだった。
あの状態でクリーンキャッチできれば広いスペースでやりたいことができる。No.8姫野がディフェンスを切り裂くシーンが何度も見られたが、ああいうカウンターでロシアチームの体力を削っていったのはよかったと思う。
 
前半34分に松島のトライがTMOで取り消しになったが、何だかんだで僕はあのプレー前後で日本の勝利を確信していた。
 

今の日本は強い。南アフリカに大敗? だからどうした。アイツらが異次元過ぎるだけだから

また、これはくれぐれも申し上げておかないとダメだと思っているのだが、今の日本チームは強い
 
前戦で南アフリカに大敗を喫した際に「自国で勝てないW杯などやる意味がない」「日本人はやっぱりラグビーに向いてない」といった意見が散見されたが、なーにを言っているんだと。
 
21日に横浜国際総合競技場で行われたプールBの初戦、ニュージーランドvs南アフリカ戦を観れば、両チームの異次元さは一目瞭然である。

 
この南アフリカにテストマッチで7-41ならまったく問題ない。むしろ、いろいろ試しながらそれなりに試合になったことを前向きに捉えるべき。


というか、今の南アフリカってクッソ強いですからね。
前回の2015年は低く素早いタックルでスペースを潰して日本が勝利をもぎ取ったが、今回の南アフリカはそこに精度の高いキックが加わった。縦横無尽に走り回る野生的な動きも健在で、さらに手がつけられなくなっている。
 
強フィジカルでディフェンスを後退させつつ前後左右にボールを動かし、敵陣深くに蹴り込んでキックチェイスをかける。しかも、70分過ぎでもそれをやり続けるフィットネスを持ち合わせる。ここまでできて初めてキック多用の戦術は効果を発揮するのである。
 
そして、その南アフリカに勝利したニュージーランドの凄まじさ。
これをうまく伝えられない語彙力のなさがもどかしいww
 
ちなみにだが、世界最高プレイヤーの呼び声高いFBのボーデン・バレットはインタビューで「勝利の重圧にはもう慣れてしまった」と答えている。日本チームが口々に「開幕戦のプレッシャーでガチガチだった」とコメントしていたのに対し、一段上の“強者のメンタル”と言える。
 
「日本vsサモア予想。高温多湿が日本に有利? 普通にやれば勝てると思う。点の取り合いになったらヤバいかな」
 
繰り返しになるが、今の日本は強い。
「次に繋がる負けだった」などと無意味なポジティブさで言い訳を繰り返していた過去とは決別し、W杯での予選突破が現実的になるまでに成長を遂げている。
 
トップリーグに有力選手が多数加入することでブレークダウンでの強さを身につけ、タックルを受けてからのつなぎが大きく向上した。
 
トップ中のトップとはまだまだ差があるが、間違いなく日本は強い。「日本人はラグビーに向いてない」などと負け犬根性丸出しのセリフを上から目線で口にする時代はとうの昔に過ぎた。そのことを強く訴えたいと思うww
 
なお、次戦のアイルランドはニュージーランドや南アフリカと同レベルの強国ですがw

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