フランスがアイルランドに逆転勝利で2連勝!! ほら見ろ、フランスに注目って言っただろ? 【ラグビーシックス・ネーションズ】

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パリのイメージ
欧洲6カ国による「ラグビーシックス・ネーションズ」
2016年2月13日(日本時間14日)に第二節のフランスvsアイルランド戦が行われ、後半逆転トライを挙げたフランスが10-9と僅差でアイルランドを下し、2連勝を決めた。

フランスまさかの逆転勝利!! 絶対アイルランドが勝つと思ってました

フランス2連勝!!

ほら見ろ!!
この大会の注目チームはフランスだと言っただろ? お?

フランスチーム、まさかの逆転勝利である。
前半はアイルランドのゆっくりとしたラグビーにペースを掴めずにいたフランスだったが、流れが変わった後半にスクラムからこの試合唯一のトライを決めて逆転勝利。

「こぼれ落ちるような大声援です!!」

スタジアムの盛り上がりが本当にすごかった。
そして僕のテンションもめちゃめちゃ上がった。
ナイスゲームだった。

「マジでショック…。日本がフィジーに敗戦。絶対負けちゃいけない試合だった。身体能力にやられたというより自滅」

豪快なドヤ顔書き出しをしておいてアレだが、正直に申し上げるとこの試合は九分九厘アイルランドが勝つと思っていた
第一節を観る限り、フランスチームの安定感のなさは致命的に感じられた。そしてウェールズと引き分けたアイルランドの堅実さを見るに、このチームを崩すのは容易ではないと思えた。というか無理だと確信していた。
だがフランスチームは曲がりなりにも堅守のアイルランドを打ち破った。これはすごいことだ。素直にすばらしいとしか言いようがない。

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スタメンとリザーブの差が少ない。チーム方針が決まっていないことを最大の強みに変えているフランスチームは最高だ

アイルランドチームの特徴は、ひと言で言うと「いかにつまらないラグビーをするか」。これに尽きる。

相手の攻撃を前に出るディフェンスで早めに潰す。敵陣で得意のスクラムを押して相手のペナルティを誘う。そしてスタンドオフのセクストンがゴールを決めてリードを奪う。
つまり、攻撃陣の決定力不足を堅いディフェンスでカバーしつつ、得意のスクラムとセクストンのプレースキックで得点を重ねて結果的にロースコアで逃げきるというスタイルである。

ウェールズ戦でもそうだったように、大勝ちすることはないが大負けすることもない。どのチームと戦っても一定以上の試合展開に持ち込むことができる安定感を持ったチーム。言いかえれば、どのチームと試合をしても退屈極まりない試合にしてしまうチームである。
そして個人的好みで言えば、はっきりいって嫌いなスタイルのチームである。

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この試合のフランスチームはアイルランドの術中にモロにハマっていた。
前回の試合でもそうだったが、まだ完全にチーム方針が固まっていない状態なので相手のペースに巻き込まれやすいのだろう。特にアイルランドのようにゆっくりとした展開を得意とするチームが相手であればなおさらだ。近い位置でのコンタクトを繰り返すうちにペナルティを犯して相手ボールでのリスタート。その積み重ねによって徐々に不利な状況に追い込まれていくのである。

だが、この試合のアイルランドはけが人が多すぎた。

さすがにあれだけけが人が出てしまうとどうにもならない。
スタンドオフのセクストンもそうだが、フォワードの主力があれだけゴロゴロ代わっていては自慢のスクラム戦でも有利に立つことができない。後半のフランスにその部分で圧倒されてしまったのも仕方ないといえる。
このけが人の多さは次節以降にも大きく響くのではないだろうか。

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逆にフランスチームはスタメンとリザーブの力の差がほとんどないのが大きい。
第一節のイタリア戦では序盤スクラムでやや押され気味の展開だったが、フロントのメンバーを交代したことで安定した。
逆にこの試合では第一節で途中交代したメンバーでスタメンを組んだのだが、前半はアイルランドのスクラムに圧倒されていた。ところが途中でメンバーを交代(第一節のスタメン)したとたんに安定した。
相性的なものもあると思うが、やはりスタメンとリザーブの力が拮抗していることが大きな要因だろう。

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今回の試合では後半開始早々にメンバーをガラッと入れ替えているのだが、この作戦はチーム全体の力を落とさずに体力的な優位性を作れるという利点がある。これもスタメンとリザーブに力の差が少ないことが要因だが、リーグ戦を勝ち抜く上で地味に強みになっていると思う。さらにけがをする可能性を大幅に減らせるという効果もあり、一石二鳥である。
 
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今大会から大幅にメンバーが若返ったことで、チームとしての安定感は完全に失われている。ただ、チーム方針が決まっていないことが逆にメリットを生み出してもいる。
第一節では各々の選手が好き勝手に走り、好き勝手なコンタクトを繰り返したことで相手をひっかき回すことに成功した。だが、今回の試合では後半のスクラムゴリ押しなど、パワープレーが随所に見られた。
力技と縦横無尽なランプレー、相手によってどちらにも転ぶ可能性があるというメリットとデメリットの両方を併せもった安定感皆無のチーム。それがフランスというチームである。

今後チーム方針も固まりメンバーが固定化されるとまた変わってくると思うが、未完成の強みを最大限に活かした今のスタイルというのも個人的には捨てがたい。

「ミスをしてる」んじゃなくて「ミスをさせてる」と考えた方が楽しいぞ?

ご覧になった方はおわかりだと思うが、この試合は全局面を通じて両チームのハンドリングの悪さが目立った試合だった。解説者も「両チームともに局面局面でのミスが多すぎる」と指摘していた。

だが、これははっきり言って違う。

雨でコンディションが悪いというのはもちろんある。ただそれ以上に、両チームのディフェンスがよかったのである。
ハンドリングが悪いからといって単純に「ミス」のひと言で片付けるのは違う。早めのプレッシャー、低いタックル、複数人でのプッシュ。それらの要因が相まって、相手のミスを誘っているのである。

これはすべての試合に共通することなのだが、ボールが地面を転がるシーンが多い試合に遭遇した際に「自滅」と断罪するのは尚早だ。そうではなく、相手チームのディフェンス力に注目するとより観戦を楽しめるようになると思うのだ。

まあ2015年W杯のサモアチームのように、イキって長いパスを多用した結果、ミスを連発するという自滅型のチームもあるので難しいところだが。

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ただ、この試合に関しては両チームのディフェンスのよさがミスを誘っていたことは間違いない。

しかもこの試合のフランスチームはディフェンス面で大幅な改善が見られていた。前回はラインディフェンスにかなり穴があったのだが、今回の試合では見違えるようにきっちりと修正がなされていた。
恐らくこの数日のインターバルで選手とコーチで相当の意思疎通がなされたのだろう。さすがとしか言いようがない。

ここまでフランスチームをほめてばかりではあるが、あえて気になる点を探すとすれば片手でボールを持って走る選手が多いという部分だろうか。
片手でボールを持って走るせいで、軽いコンタクトが発生しただけでボールを落とすシーンが散見されるのである。

この軽いプレーは正直、あまりよろしくない。
やはりコンタクトの瞬間はボールを両手で持つのは基本中の基本である。特に今回のように雨でコンディションが悪い日などはなおさらだ。ぜひとも今後の課題にしていただきたい部分である。

スクラムを上からの映像で観るといろんなことがわかるんだ

これは余談だが、今大会のWOWOWの中継で特にいいなと思っているのがスクラムを上からのアングルで映すところだ。
スクラムの映像といえば、基本的には大男がぶつかる瞬間の臨場感を重視したものが多い。その中でこのWOWOWのカメラアングルは本当におもしろいと思う。

スクラムというのは攻撃の起点となる基本中の基本のプレーである。
攻撃側がどんな攻め方をするか、どちらのチームのどの選手の力が強いのか。さまざまな要因によって組み方や力の方向が変わる複雑なセットプレーである。この攻防が上からの映像を観ると非常によくわかるのである。

たとえばNo.8がサイド攻撃を狙う場合、スクラムを意図的に右に回すことによってオープンサイドに走り出しやすくなる。さらに、オープンサイドのフランカー(6番)の出足を遅らせるという効果も得られる。

反対にディフェンス側は、スクラムを回させないように左側のプロップ(1番)ががんばるのだが、このあたりの駆け引きと力の方向、ハイレベルな攻防の様子が上からの映像だとものすごくわかりやすいのだ。

レフェリー目線での臨場感もいいが、こういうアングルでラグビーの奥深さを伝えてくれることは本当にありがたいと思う。

シックス・ネーションズの勝敗はわからん

繰り返しになるが、僕はこの試合はアイルランドの勝利は間違いないと思っていた。両チームの第一節の内容を観る限り、フランスがアイルランドの牙城を崩すのは無理だと確信していた。

だが、結果は見ての通りである。

本当にこのシックス・ネーションズの勝敗は予想がつかない。
2015年のW杯に関してはだいたい勝敗が読めたのだが、この大会はまったくわからない。そして、どの試合も僅差の接戦なのがたまらない。

前回の記事でも言ったが、W杯直後の大会ということで各チームの戦力が一定していないのがいい。

「ラグビーシックス・ネーションズの注目国はフランスだ!!」

フランスの次節はウェールズ戦。
これはマジで楽しみだ。
フォワード、バックスともに高レベルで堅実なラグビーを展開するウェールズvs未完成の極致で成長著しいフランス。
今大会ベストゲームになる可能性もあると思う。
僕が言うのもなんだが、絶対に観た方がいい。

日本のラグビー解説陣無能説再び

フランスの劇的な勝利に大満足の第二節だったが、今回の解説者もまた微妙だった。
なんなんだろうか。このラグビー界の人材不足っぷりは。一般層に浸透しようという気がまったく感じられない。

今回の解説者はとりあえず声が小さすぎる
モソモソモソモソと、歯の間に何かがはさまっているんじゃないかと思うような口調である。

おいおい、お前今家か。
クソでけえ図体から繰り出されるその力の抜ける口調はなんなのよ。

ただでさえ深夜放送で、しかもアイルランドの死ぬほどつまらない試合展開で。お前が輪をかけて眠くなるような解説をしてどうするのだ。
確かこの人は2015年のW杯でもスタジオにいたと思うが、もう勘弁してくれよと言いたい。

「試合が終わった後に出血が酷い場合はその場で縫ったりもします」

いやいや、なんだよお前。
ちゃんと鉄板ネタを持ってるじゃねえか。
そこをもっと広げろよ。

前回の気取ったクソ解説よりははるかにマシだったとはいえ、残念ながら今回も日本の解説陣の無能っぷりを遺憾なく発揮した放送だった。

「断言する。日本のラグビー解説者はクソ無能だ!!」

ラグビー界の人材枯渇は本当に何とかしてほしいものである。せっかく大会自体は死ぬほどおもしろいのに。

一刻も早い大畑大介の酷使が望まれる。

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