メイウェザー、やっぱり判定勝ち!! 現役ラストの試合でも挑戦者ベルトに何もさせず【49戦全勝】

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夕焼け雲イメージ
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メイウェザー、ラストマッチでも安定の判定勝ち。ブーイングの中、自分のスタイルを最後まで貫く!!

2015年9月12日(日本時間13日)にアメリカ・ラスベガスで行われたフロイド・メイウェザーJr. vs アンドレ・ベルトの一戦。

メイウェザーが現役最後の試合と宣言して望んだこの試合はメイウェザーの49戦全勝がかかっており、1956年のロッキー・マルシアノの大記録に並べるかに注目が集まる一戦だった。

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試合は序盤からスピードとキレでベルトを圧倒したメイウェザーが3-0の判定勝ち。見事に大記録に並ぶとともに、リング上で改めて現役引退を宣言した。

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これぞメイウェザースタイル。実力差のある相手に格の違いを見せつける

結論から申し上げると、めちゃくちゃおもしろかった。

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世間的な感想は、
「つまらない」
「いつも通り」
「引退してくれてよかった」
といったものが大多数を占めているようだが、内容的には見どころ満載の試合だったと思う。もちろんメイウェザーの見どころが。

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ラストマッチの対戦相手に選ばれたアンドレ・ベルト。かつてはメイウェザー2世と言われ、将来を嘱望されたボクサーである。過去に肩の大手術を乗り越えるなど、紆余曲折あってたどり着いたビッグマッチ。並々ならぬ意気込みで臨んだ試合だっただろう。

ただ、対峙してみると全然違ったww
メイウェザー2世でも何でもなかった。

踏み込みの距離が違う。
リーチが違う。
そして何よりパンチの精度が段違いだった。

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多少ラフになってでも、何とかメイウェザーを捕まえたいという思いがはっきりと伝わってきたベルトだが、何をどうがんばっても手持ちの武器でメイウェザーの牙城を崩すことは不可能だった。

試合の結果は誰もが予想したように3-0でメイウェザーの判定勝ち。結果はその通りになったのだが、内容的にはいつものメイウェザーとはひと味違った。

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もう一度言うが、ベルトはメイウェザー2世ではなかった。
追い足がなく上半身が硬い。リーチもなく、スピードがあるといってもメイウェザーと比べれば雲泥の差がある。
ひと言で言うと実力差があり過ぎる対戦だったのだが、これだけの実力差があるとつくづくメイウェザーのすごさを思い知らされる。そういう試合だった。

「異次元」「スペクタクル」とはよく聞くが、今日のメイウェザーは随所にそのスペクタクルな動きを見せてくれた。パンチもいつもより腰を入れて打っていたし、チャンスがあれば倒してやろうという積極さも垣間見えた。

何より5R以降、ベルトの動きをインプットしてからの動きはあまりにすごすぎて笑ってしまった。
「何だそのパンチww」
「おかしいおかしい。その動きおかしいww」
「真面目にボクシングしろよww」

メイウェザー自身、試合前に「ファンのために戦う」というコメントを出していたと聞く。そのとおりと言っていいのかはわからないが「やりたいことを全部やりました」といった試合だったのではないだろうか。
世紀の一戦といわれたマニー・パッキャオ戦や、その前のマルコス・マイダナ戦など、もしもが考えられる相手には絶対見せないような動き、高度なテクニックを存分に見せつけてくれた試合だった。

ある意味ベルトがメイウェザーのラストマッチの相手には不足していたという証明なのだが、個人的には存分に楽しめたのでよかったと思っている。

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あまりの速さに対戦相手がジャブすら出せなくなるという現実。自分の最速のパンチにカウンターを取られる恐怖。結果としてメイウェザーの試合をつまらなくする原因がこれなのだが、重ね重ねあり得ない異次元ぶりである。

ベルトにとって唯一の見せ場といえるのは7Rにヒットした左フックくらいだろうか。
あの左を被弾したメイウェザー、恐らく一瞬効いたのだと思う。8R以降は守りに偏重した戦い方に戻っていた。

高度なテクニックの応酬。スペクタクルなメイウェザーワールドを堪能

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結果的に会場の雰囲気が一瞬変わりかけたのが、3Rにメイウェザーがベルトの右をかわした際に体勢を崩してリングにグローブをついた場面だが、そんなことよりも見どころは山ほどあった。
パッキャオ戦のように、お互いが後の先を取り合う居合い抜きを思わせる緊張感はなかったものの、完全なるメイウェザー劇場という意味では非常に堪能できた36分間であった。

ロープ際でベルトのラッシュをL字ガードで防御しながら、内側からオーバーハンドで軽い右カウンターを当ててスルッとコーナーから抜け出すメイウェザー。

前に出て身体を密着させてくるベルトを受け止め、ベルトがさらに前に出ようとした瞬間にフッと力を抜いてスペースを作り、スパッと右を当てて距離をとるメイウェザー。

顔面にパンチを集めるベルトに対し、リーチ差を活かしてボディにカウンターをトリプルで打ち込むメイウェザー。

いきなりの右で飛び込み、ベルトが反撃しようと前を向いた瞬間には背後に回っているメイウェザー。

頭を下げて左肩でベルトに身体を預け、打てるアングルを完全に隠した状態で左肩をクイッと上げてベルトの脇の下から右ボディを打つメイウェザー。

ベルトの左フックを斜め後ろにスウェーをしながらかわし、完全に後ろ足に体重が乗った状態で左のカウンターをヒットさせるメイウェザー。

ロープ際のもみ合いの中、ゼロ距離で小さい右、左のショートフックを当てて身体を入れ替え、最後に左を当てて距離をとるメイウェザー。

ベルトが右を出そうとした瞬間に大きなスウェーを見せ、届かないと悟ったベルトがパンチを出すのを止めた隙をついて左ショートフックをヒットさせるメイウェザー。

コーナーに押し込まれた状態から瞬間的に力を抜いてスペースを作り、身体を入れ替えて左フックを引っ掛けるメイウェザー。

他にもいろいろとあるのかもしれないが、パッと目についただけでもこれだけ高度な技術の応酬だった。まさしく縦横無尽に技術を見せつけたメイウェザー劇場だったのである。

当然この試合をつまらないという人は多いはずだ。
試合を中継したWOWOWの解説者も「メイウェザーはボクシングを我々が望む方向とは違うベクトルに向かわせてしまった」旨の発言をしている。

逆に「打たれずに打つというボクシングの究極を体現したメイウェザーは最強」「何を言われても勝ちに徹するメイウェザーの姿勢はやはり本物のプロフェッショナル」といった肯定的な意見もある。

僕自身、メイウェザーのスタイルに対してここでどうこう言う気はない。ただ、今日の試合がめちゃくちゃおもしろかったことだけは確かである。歴然とした実力差のある相手に、メイウェザーがやりたいこと、見せたい技術を全部出した試合であった。

試合中に何度も
「嘘だろww」
「そんなわけあるかいなww」
「おいおい、ちゃんとボクシングしろよメイウェザーww」
と、半笑いで叫んでしまった。

「ベルトさん、レッスン1コマお疲れさま」といった感じである。

「レベルの高い本物のボクシング」を求める人が、今日の試合をつまらないと言う

これは余談なのだが、普段から「レベルの高い本物のボクシングが観たい」と連呼し、亀田三兄弟を「偽物」呼ばわりしている方が、今日のメイウェザーを「つまらない」と言っているのには驚いた。
今日のメイウェザーこそ、その方のおっしゃる「レベルの高い本物のボクシング」であったはずなのだが、どういうわけかこれを「つまらない」と言っていたのだ。

「レベルの高い本物のボクシング」とはすなわち「高度な技術に裏付けされたハイレベルなボクシング」という意味である。
僕は亀田三兄弟を好きでも嫌いでもないし、三男にいたっては普通に強いと思っているので「偽物」呼ばわりすること自体どうかと思っている。まあそれはそれとして、「レベルの高い本物のボクシング」とやらを求める方が、今日のメイウェザーの試合を観ておもしろいと思えない事実が信じられなかった。

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あれほど高度な技術の応酬を目の当たりにして、あれだけ人間離れした動きを見せられて。今日の試合こそ、まさしく「レベルの高い本物のボクシング」を求める人が望む試合だったはずなのだ。それを恥ずかしげもなくつまらないと言ってしまえる矛盾。まったく意味がわからなかった。

前にも言ったが、僕は「レベルの高い本物」を連呼して、ライト層を「ニワカw」と見下すコアなファンとやらが大嫌いである。格闘技愛を語りながら、格闘技観戦初心者の参入を拒絶する排他的な存在。格闘技界隈にはびこる癌のような人間たち。こういった格闘技の発展を妨げる存在が大嫌いなのだ。

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「コアなファンがコンテンツを衰退させる」とはよく言ったもので、今日の日本格闘技界の低迷は自称「本物のコアなファン」に原因があると思っている。この「本物のコアなファン」とやらが、世間一般への認知を広げようと努力する人間の足を引っ張り、上昇気流に乗りかけていた格闘技を一過性のブームで終わらせてしまったのだ。

そしてその「本物のコアなファン」が今日のメイウェザーを観て「つまらない」と言う事実。
コアなファンを気取るのは自由だが、正直、あまり偉そうに語らない方がいいような気がする。レベルの高い本物を求めながら、自らの主張する高度な技術に気づかない。これは自称「本物のコアなファン」にとって、かなりヤバいことではないだろうか。

ちょっと話が脇道にそれてしまったが、とにかく今日のメイウェザーvsベルト戦。非常に堪能できる試合だった。本当にこの試合で引退なのかはわからないが、とりあえずはメイウェザー、お疲れさまである。

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